17秒間で21回の警告など不可能だろう、と誰でも毎日新聞記事を読んだ時に思うだろうし、ましてコメント34氏の言うように、応答を待つ時間、応答の時間を考えたら、21回もの警告など、とうていありえない話である。わずか17秒では、一度の警告への応答の時間もあるか無いかというくらいではないか。そもそも、国境をかすめて飛ぶくらいではトルコへの被害など考えられないのだから、これは過剰防衛であり、露国への挑発である、というのは以前に書いたとおりである。
以前の記事では「飛行機の速度の問題」について論じることはあまり意味がない、と書いたが、この「警告の問題」は、意味がある。いずれにしても、この事件ではトルコが愚劣な行動を取ったことは確かである。
それはともかく、毎日新聞は、「自分の頭で」考えることもせずに、NATO側の正体不明の「外交筋」とやらの荒唐無稽な談話を垂れ流して恥ずかしくないのだろうか。「17秒間で21回の警告」と聞いただけで、おかしいと思いそうなものだ。
(以下引用)
31. 2015年11月29日 00:05:04 : pk9nIKBlnY <露軍機>撃墜前、2回領空侵犯…トルコ計21回警告 毎日新聞 11月28日(土)15時1分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151128-00000043-mai-int トルコ、ロシアそれぞれが主張する飛行ルートと墜落現場 【ブリュッセル斎藤義彦】トルコ・シリア国境付近で24日にトルコ軍機に撃墜されたロシア軍機が、2回連続してトルコ領空を侵犯していたことが分かった。トルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)の外交筋が、レーダーの航路分析で判明したと毎日新聞に明らかにした。ロシア側は「警告はなく、シリア上空で撃墜された」と主張しているが、根拠が揺らぐことになる。 【トルコ・シリア国境地帯で墜落する戦闘機】 ◇NATO分析 外交筋によると、ロシアの戦闘爆撃機2機は24日午前9時22分(日本時間午後4時22分)ごろ、トルコ南部の領空に侵入。旋回して同9時24分、再び領空内に2.52~2.13キロ入り込み、17秒間侵犯した。 トルコ軍は1回目の領空侵犯時に11回、2回目に10回、計21回警告した後、これを無視して領空にとどまった1機をミサイルで撃墜した。この戦闘爆撃機は飛行を続け、シリア領内に墜落した。 同筋によると、ロシア軍機は10月3、4両日にもシリア側からトルコ領空を侵犯。トルコ政府はロシア側に再三にわたり「次の領空侵犯は容認できない」と警告していた。10月15日にはロシア空軍幹部がアンカラでトルコ軍幹部と会談し、再発防止を約束していたという。 トルコ軍は2012年6月、地中海上空で偵察機がシリア軍機に撃墜されて以降、領空侵犯があれば撃墜する方針を取っていた。今回のロシア機の撃墜では「原則に従った」という。 ◇トルコ防空強化、NATO合意へ 外交筋は、12月1日から開かれるNATO外相会議が、トルコの防空能力強化やミサイル防衛などを柱にした「支援・保障パッケージ」で合意することも明らかにした。 過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威に対抗するため、今年8月から検討されていたが、ロシアに対する加盟国の防衛もにらんで決定する。 NATOはシリア内戦の脅威に対抗するため、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)を12年からシリア国境沿いのトルコに配備している。トルコ側は配備に「期限を設けない」よう求めており、来年初めに事実上終了する予定だった配備期間が延長される可能性がある。 露軍機:撃墜前、2回領空侵犯…トルコ計21回警告 トルコ、ロシアそれぞれが主張する飛行ルートと墜落現場 【ブリュッセル斎藤義彦】トルコ・シリア国境付近で24日にトルコ軍機に撃墜されたロシア軍機が、2回連続してトルコ領空を侵犯していたことが分かった。トルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)の外交筋が、レーダーの航路分析で判明したと毎日新聞に明らかにした。ロシア側は「警告はなく、シリア上空で撃墜された」と主張しているが、根拠が揺らぐことになる。 ◇NATO分析 外交筋によると、ロシアの戦闘爆撃機2機は24日午前9時22分(日本時間午後4時22分)ごろ、トルコ南部の領空に侵入。旋回して同9時24分、再び領空内に2.52〜2.13キロ入り込み、17秒間侵犯した。 トルコ軍は1回目の領空侵犯時に11回、2回目に10回、計21回警告した後、これを無視して領空にとどまった1機をミサイルで撃墜した。この戦闘爆撃機は飛行を続け、シリア領内に墜落した。 同筋によると、ロシア軍機は10月3、4両日にもシリア側からトルコ領空を侵犯。トルコ政府はロシア側に再三にわたり「次の領空侵犯は容認できない」と警告していた。10月15日にはロシア空軍幹部がアンカラでトルコ軍幹部と会談し、再発防止を約束していたという。 トルコ軍は2012年6月、地中海上空で偵察機がシリア軍機に撃墜されて以降、領空侵犯があれば撃墜する方針を取っていた。今回のロシア機の撃墜では「原則に従った」という。 ◇トルコ防空強化、NATO合意へ 外交筋は、12月1日から開かれるNATO外相会議が、トルコの防空能力強化やミサイル防衛などを柱にした「支援・保障パッケージ」で合意することも明らかにした。 過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威に対抗するため、今年8月から検討されていたが、ロシアに対する加盟国の防衛もにらんで決定する。 NATOはシリア内戦の脅威に対抗するため、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)を12年からシリア国境沿いのトルコに配備している。トルコ側は配備に「期限を設けない」よう求めており、来年初めに事実上終了する予定だった配備期間が延長される可能性がある。 | |
34. 2015年11月29日 13:05:21 : w7SikJBrCI : DM3x&Az4RSM 31、 毎日の引用など感謝する気にはなれない。「xxxという。」「xxxという。」の連続で、毎日が自信を持って伝えられる事実などありません、と言っているかのようだ。 トルコのUN大使がバンキムンに提出した手紙ではSu24は17秒トルコ領に入ったと言っている。日本の放送局もトルコF16が「警告」を出している音声を放送しているが、私が計測した時間では7秒くらいかかっている。「一回の警告」にはこの7秒と応答を待つ時間が必要だ。それで、どうして10回警告したとか21回警告することができるのか。毎日のアホ記者はそれを書いていて疑問に思わないのか。そういう誰でも抱く疑問を解く説明が存在するのならそれに言及するのが当然だろう。それがなければ、安っぽいプロパガンダに過ぎない。 |
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