1、参加国
周知の通り、BRICSは参加国のブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)の頭文字を取ったものだ。正式加盟国はこの5カ国だが、その枠組みは広がりつつある。
今回のサミットにはアフリカやアジアを中心に世界67カ国が招待されている。そのうちアルゼンチンやベトナム、ベラルーシ、インドネシア、イラン、タイ、サウジアラビアなどの少なくとも23カ国は、加盟の意思を公式に示している。
ロシアはかねてより協力拡大を歓迎している。また中国外務省もこのごろ、スプートニクに対し拡大プロセスを支持すると表明している。サミットではBRICSの輪の広がりについても議論される見込みだ。
2、GDPと人口
BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は世界の国土の26.7%、地球上の総人口の約41.5%を占めている。
その経済規模は年々成長を続けており、世界経済におけるBRICSが占める割合(今年3月時点のGDP)は31.5パーセントと、G7の30.7パーセントを超えている。
3、新開発銀行
BRICSが2015年に立ち上げた新開発銀行は、世界銀行や国際通貨基金(IMF)に代わる選択肢としての国際金融機関を目指している。
本部は中国の上海に置き、これまでに加盟5カ国や発展途上国に対し、300億ドル(4兆3750億円)のインフラ投資をしてきた。
今回の議長国を務める南アフリカは、これまでに52億ドル(7584億円)規模の融資を受けており、支援は道路の整備、水道の普及、エネルギー事業などに生かされている。
4、脱ドル化
5カ国の貿易は世界貿易の18パーセントを占めている。現状ではその多くが米ドル決済で行われているが、この流れは変わりつつある。ドルの優位性への批判は高まっており、BRICSの目標の一つにもドルからの自由を勝ち得ることが含まれている。
BRICSは自国通貨での決済を拡大しており、将来的には独自の決済システム、共通通貨の導入なども計画している。
ロシアと中国、インドとの資源取引では人民元やロシアルーブルでの決済の割合が増えてきているほか、ブラジルと中国も今年初め、自国通貨での支払いに関する協定を結んでいる。
5、教育
BRICSの協力分野は経済だけではない。サミットに先立ち開催されたBRICS教育相会議では独自の大学ランキングを創設することを発表した。
これまでにロシアは、政治的な理由からロシアの大学が西側の国際大学ランキングから排除されていると非難していた。
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