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徽宗皇帝のブログ

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「地球温暖化説」の政治的意味
「春曲丼より混沌丼」から転載。
例によって、天皇とはまったく関係のない話なのに天皇と強引に結びつけた記事タイトルだが、まあ、最初から分かっていて読む分には非常に優れた引用記事である。私はこの「Deeply Japan」の筆者を非常に高く評価しているのだが、なぜか「お気に入り」登録はしていない。確か、昔、メキシコあたりの残虐死体の写真を載せていたサイトではないかと思うのだが、勘違いだろうか。
現在の政治状況とエネルギー問題を明確に結びつけた好記事で、こういう視点の記事は案外少ない。逆に言えば、あまり表マスコミが言わないことだから、ネット論者まで「見えていない」のだろう。裏読みというのは、所詮は表の内容の反対を見るだけだからだ。

しかしそのために、嘘に嘘を重ねて温暖化の話を今にも空が落ち着てくるみたいに騒ぐわけで

という言葉の前後あたりは、まさにそのものズバリだと思う。


(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。

DEEPLY JAPAN  より
上記文抜粋
・・・・・・・・・
主権派・中間派・グローバリスト支配地域
中国がTPPへの参加に言及したそうだ。
産経など多くの人はこんな感じで受け取るんですかね。
中国「TPPに意欲」 米の包囲網切り崩しへ先手
【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲を表明することで、米国の機先を制して攻勢に出た。米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領が政権を握っても対中政策の軟化は見込みにくく、中国としては米国が進める「対中包囲網」の切り崩しが喫緊の課題だ。米国の外交戦略の方向性が定まらない中で、中国は「TPP」という対米牽制(けんせい)の新たなカードを手に入れようとしている。
というか、そもそも中国包囲網というのが何を意味しているのか一度として明らかになってないわけなので、こういう語を使う人は一体どういう事態を「包囲」と想定しているのだろうかとしばしば疑問に思う。牽制っていう語も好きだよね。ロシアが何かするたびに西側を牽制か、とか書いてる。何を言っていることにもなってない。
それはともかく、私としては、台湾とインドが入らないRCEPに何の議論もなく突っ込んでいった日本というのは、実のところ大きく進路変更したことに気づいているんだろうか?など思ってる。
グローバリストは中国を離す気はないから、ここと一体となって、最終的には環太平洋自由貿易みたいにして、どこにでも入っていける体制にする気なんだろうなと思ってる。域内で、ヒト、モノ、カネが自由に流れますというのがEUの売りなわけだけど、あれこそグローバリストの理想でしょう。
ここにあるのは、モノとカネと人間が同列だという一つの思想ですね。
だからこそ、各民族の歴史を奪ってるんだろうと思うんですよね。歴史の連続の上に自意識が気づかれ、慣習が整い、道徳というのはそこにあるわけですよ。それを取っ払ってヒトをモノと同列に扱えるものにする。
で、西側社会というのは過去75年、愚かなことにこういう問題を左翼だ、右翼だという議論で済ましてきた。そういうことではなくて、これは上下の問題でしょう。
そして気が付くと、どうしてそんな形になっていくのかさえわからない構造に並べ替えられようとしているのが現状ってところでしょうか。
■ 両建てしてる中国
中国は、グローバリストの寵児だというのは何度も書いてきたけど、しかしながら、この寵児は、グローバリストが敵とする勢力とも普通に付き合ってる。
それがつまり、ロシアとかイラン、イラクあたり。ロシアとイラン、イラクはそれぞれ別のエンティティだけど、グローバリストは両方とも、なんとかして自分の支配下に置こうとアホみたいな勢力を傾けてきたが、これらの、言ってみれば主権派は頑固に頑張ってる。
ロシアの場合は最低でも200年越しの戦いみたいなもの。実際には、バチカンのあくなき正教つぶしから数えれば1000年越しの戦い。
ロシア、イラン、イラクは文明史の問題としても西側とそりが合わないという話も大きいんだけど、現在の世界においては、この集団は非常なエネルギー持ちだという点で特筆すべき重要性を持っている。
だから、それ自体結構な資源持ちだが大人口を抱える中国は、このユーラシアの西側勢力と良好な関係を持つことは当然に重要。
ロシアの場合は化石燃料持ちなだけでなく、原子力関連でも世界的な重要なプレーヤーで、中国でも、ゆくゆく世界最大の原子力発電所になるだろうといわれている田湾原子力発電所はロシア型。(中国はカナダ、フランス、アメリカと全プレーヤーを引き入れている)
トルコ、イランもロシアが建ててる。結局、前から書いている通り、全世界のウラン濃縮キャパにおけるロシアが占める割合が非常に大きい(逆にいえば西側は効率的にキャパを確保できなかった)ことが過去30年ぐらいの米ロ間の問題にとって実はとっても重要だったのであろう、と思う。
アメリカは、実のところ、減ったとはいえまだロシアからウラン燃料を買ってる。最近も向こう20年を見据えた長期の契約をした。買わないと電力需要が賄えないから。そして、この手の話は西側の主要メディアには滅多に出てこない。しかし普通にアメリカの担当役所は公表してる。
U.S. Department of Commerce Finalizes 20-Year Amendment to the Suspension Agreement on Uranium from the Russian Federation
(西側支配下の主流メディアにとって、原子力の動向というのは多分相当タブーなんだろうとは前から書いてる通り。)
■ まとめてみると
ということで、現在の世界というのは、
グローバリスト支配地域(the West)
中間派(中国やらインド、 etc.)
主権派(ロシア、イラン etc.)
みたいな感じになってるんじゃないですかね。
実勢としては中間派が一番多いでしょう。そして、中間派はグローバリストとも主権派とも付き合うんだから、一番お得でしょう。
The Westの総大将のアメリカがロシアから燃料買ってるとか言いたくないよね、そりゃ(笑)。
世界銀行/IMFとその傭兵たる米軍(またはNATO)は、あらゆるところを全部支配しようとして頑張ってるわけですが、中央銀行を通して金の流れをコントロールして、それをツールとして各国の産業構造を恣意的に動かす、といったことはできるけど、エネルギーの流れを主体的に動かせるのかというと、現状できていないと言えるのではあるまいか。
前にも貼ったけどこういうイメージが重要だと思うの。一番左が1990年、右が2040年のエネルギー需要の予測。西側が圧倒的に強かった時代は小さい〇の時代。
だからこそ、再生エネルギーの伸長を狙ってるんじゃなかろうか。ガソリン車廃止して電気作って電気自動車にするというあたりは、インフラごと変える話につなげてる気なんでしょうが、いずれにしても電源が要る。そこで原子力も含まれるんだろうけど、それすら圧倒的西側優位ではない。EUは水素に将来かけるみたいだけど。
しかしそのために、嘘に嘘を重ねて温暖化の話を今にも空が落ち着てくるみたいに騒ぐわけで、これはもう、エネルギー問題の解決以前に社会にとって重要な信頼性みたいなのがなくなりそうだというリスクが巨大。
そして、どうあれ化石燃料の効率性が完全に否定されることはないでしょう。あと石油は燃料じゃなくて原料としても広く使われているので、石油が不要になるという将来も見えない。
 
■ 議論ができない風土
冒頭に戻って、RCEPとかTPPという自由貿易の枠組みって、何かそんなに重要なものなのだろうか。WTOの代わりになるみたいなことを言う人もいるけど、ならないでしょう。域内独自ルールはあっても。
結局、当初オバマ時代あたりに売り込まれたほどには、よくも悪くも実効はないのではないのだろうかと思ってみたりする。
経済的な実効というより、政治的なものなのかというと、それすら怪しい。安全保障の枠組みが関係ないから、シリアスでもない。
中国が入ることによって、知らん顔して上からルールを押し付ける恰好のソフト独裁スキームが無理になるので、グローバリストにとっては使い出のないものになるんじゃなかろうか、などとも思える。
そして、西側各国においては、これらのスキームをいじる話の中で、国民経済をどう立て直すかとか、産業構造の変化とか人口動態を考えたらどこを重点化すべきだ、みたいな話が全然できなくなってることがとても深刻だと思う。
結局これは、2008年あたりを境に金融が痛んでそれを取り返すことが主眼となって、各国の状況はおろそかになりましたという話なんだろうと思う。

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