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徽宗皇帝のブログ

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言い飽きたが、「社会主義」と「共産主義」の違いについて
「春曲丼より混沌丼」に載っていた田中宇の記事の一部だが、こういう記事によく出てくる「社会主義」とか「共産主義」という「レッテル」は、どういう意味で使われているのだろうか。
念のために辞典(三省堂「新明快百科語」)で確認すると

社会主義:①資本主義の生み出す経済的・社会的諸矛盾を、私有財産制の廃止、生産手段および財産の共有・共同管理によって解消し、平等で調和のとれた社会を実現しようという思想および運動。②マルクス主義においては共産主義の第一段階。
共産主義:①財産の私有を否定し、すべての財産を共有することで平等な理想社会を作ろうという思想。(以下略)

つまり、社会主義と共産主義の区別がほとんどつかない記述になっている。念のために「デイリーコンサイス英和・国語辞典」(同じく三省堂)だと

社会主義:生産手段を共有し、階級対立のない社会を作ろうとする思想。(対)資本主義

とあって、こちらのほうが明確であり、共産主義との違いが分かる。つまり、社会主義においては「生産手段の共有」までであり、共産主義は「私有財産の否定」まで踏み込むわけで、この差は天地の差であり、私が昔調べた政治経済の用語集でも確かそうなっていた記憶がある。

生産手段の共有とは、たとえば「会社の全員がその会社の株主」ということになり、会社の利益を社長や会長や幹部社員だけが懐に入れるということは無くなるわけだ。
だが、「私有財産の否定」となると、それは「財産の共有」ということになり、たとえば結婚という制度は無くなることになる。お前の女房は俺の女房でもある、と主張されたらどうするwww まあ、配偶者を財産とするのは問題だろうが、私有財産の認められない社会で誰が真面目に働くか。それを働かそうとしたら、脅しと処罰が必要になるだろう。
共産主義はそうなると天国ではなく地獄化するわけで、私はだから「社会主義には賛成するが共産主義には反対する」わけである。

で、一部のと言うか、実に多くの陰謀論者が、世界の陰謀の背後に、この世界を共産主義化したい勢力がいる、とするわけだが、カネも権力も無い共産主義者にそんな能力などあるはずがないだろう。世界の陰謀は、世界を支配している層、つまり大金持ち、ユダ金がすべて行って(行わせて)いるのであり、世界の大富豪が「人類の平等社会」を目指すなど、狼が菜食主義者だと言うようなものだ。

なお、共産党を名乗っていても、その思想や行為が「共産主義」的かどうかは別の話で、「自由民主党」を名乗っている政党が自由(人権)を圧迫し民主主義(国民主権)を否定している例もあるwww まあ、日本の共産党は常に大衆の立場に立ち、権力の暴走を防止しようとしている非常に誠実な政党だと私は見ているが、その活動は共産主義ではなくむしろマルクス以前の「空想的」社会主義に近いだろう。もちろん、私はこの「空想的」というレッテルが大嫌いであり、マルクス以前の社会主義こそが本物の社会主義精神を持っていたと思っている。


(以下引用)言うまでもないだろうが、私は下の記事(の一部)での社会主義とか共産主義という言葉の使用を批判して転載している。


英米ともに、労働党=民主党の側は、都市閉鎖に賛成している。保守党=共和党=トランプは、都市閉鎖に反対する傾向(演技)だ。労働党や民主党は、人々の権利や政治的自由、プライバシーを重視する「リベラル派」だ。国際政治謀略としてのコロナの都市閉鎖は、人々の行動の自由を無意味に剥奪し、接近監視アプリなどでプライバシーを猛烈に侵害しており、リベラルと正反対の政策だ。だがその一方で、英労働党や米民主党は世の中を社会主義的にしたいと考える「左翼政党」でもある。その観点で見ると、コロナで先進諸国の経済が自滅して、二度と就職できない失業者が大勢出て、UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)など社会主義っぽい政策をやらざるを得なくなることは、左翼が望む社会主義体制が棚ボタで出現することに等しい。米英の民主党と労働党が都市閉鎖に賛成し続けているのはそのためと考えられる。 (通貨デジタル化の国際政治) (人類の暗い未来への諸対策)
とはいえ左翼は、米英の覇権運営を握る軍産諜報界・深奥国家の仲間でない。民主党や労働党で軍産の仲間なのは「左翼(容共・親社会主義)」でなく「リベラル(反共・反社会主義)」を標榜する「中道派」だ。中道派は、保守党・共和党の中道派と同様、完全雇用システムに基づく既存の「リベラル資本主義」を信奉している。これは、戦後の米英覇権の根底にある世界体制でもあった。コロナの危機は、このリベラル資本主義の体制を自滅的に破壊していく。コロナの感染拡大防止を口実に、人々の自由が奪われてリベラル社会が滅亡し、ガチガチに管理された共産中国に似た社会主義・全体主義的な新体制が世界的に敷かれていく。自由市場と完全雇用をめざす資本主義は、コロナが人為的に作り出した世界恐慌によって破壊され、政府のほどこしで人々が生きるUBIやMMTが横行する社会主義的な経済が出現する。コロナの都市閉鎖は、リベラル資本主義を破壊していく。「先進諸国の中共化」が起きる。力なく笑うしかない。 (China and Germany heading for superpower status as U.S. influence wanes, says Putin) (国際政治劇として見るべきコロナ危機)
米国で(万が一)トランプによる共和党結束の策が失敗して民主党のバイデン政権ができると、バイデン自身は中道派だが、コロナ危機の流れからして民主党内の左翼が勃興し、左翼のハリス副大統領がバイデンをしのぐ政治力を持つようになり、中道派が弱体化させられて左翼政権になっていく可能性がかなりある。そうなると左翼は、コロナを使った先進諸国の「社会主義化」が願ってもないことなので、コロナの誇張された蔓延の演出を長期化し、コロナ危機が来年も再来年も続く。ワクチンはなかなか完成しない。
そもそも新型コロナは、発症者のほとんどが体内にもともと存在する自然免疫で治る病気なので、ごく一部の重篤な症状になった人だけに獲得免疫が作られ、それも体内に長く存在しない。獲得免疫であるワクチンを接種しても、しばらくすると体内の抗体が消えてしまう。新型コロナがほとんどの人にとって大した病気でないからそうなるのだが、コロナ危機を長期化したいマスコミや各国政府筋はここぞとばかりに「ワクチンは効果の期間が短くてダメだ」「打つ手がない」「永遠の都市閉鎖を覚悟するしかない」と騒ぎ続け、リベラル資本主義潰しが徹底され、社会主義万歳的な事態になっていく。
要するにコロナは左翼の陰謀なのか??。実はそうでもない。UBIやMMTといった社会主義的な、政府が人々に施しものを配り続ける新体制の資金の出どころは、究極的にすべて中央銀行の造幣つまりQE策である。コロナ危機の長期化で、先進諸国は大量生産・大量消費・完全雇用・みんなで納税のリベラル資本主義体制が破壊され、政府は税収が激減したまま戻らず、QEによる国債買い支えに依存するしかなくなる。しかし、QEで造幣した資金を人々に配って消費させると、商品と通貨の量的なバランスが崩れてインフレが激化し、国債など債券金利が上昇して金融が破綻していく。QEに依存する米欧の新たな社会主義体制は長続きできない。ドルやユーロが破綻したら、米欧の新たな社会主義もおしまいだ。
ドル崩壊は米国覇権体制の不可逆的な終わりになる。世界は多極型になるしかない。多極化を大昔から推進してきたのは、左翼でなく、ニクソン・レーガン・トランプの流れをくむ「隠れ多極主義」の勢黒幕力だ。彼ら多極屋が、左翼が飛びつきたくなる棚ボタの社会主義体制と、コロナの都市閉鎖でそこに行き着く「左からの米国覇権自滅」の道筋を用意してやり、今の事態を作ったのでないかと私は分析している。コロナ危機の黒幕は隠れ多極主義の勢力だ。彼らの目的は、米国覇権の根幹にある既存のリベラル資本主義の世界体制を破壊することだ。左翼が台頭して社会主義的な政策をやる動きは、そのために道具にすぎない。UBIなどはQEの行き詰まり・ドル崩壊とともに終わることが運命づけられている。左翼は、多極屋に動かされているだけだ。
これまでリベラル資本主義をやってきた米欧諸国は、歪曲誇張されたコロナ危機によって資本主義を自滅的に壊し、長続きできないQEやUBIの社会主義体制に移行し、移行から10年前後でそれも経済破綻・ドル崩壊し、単なる貧しい国々になっていく。対照的に、これまで「社会主義市場経済」「集団指導体制」などと言って無理やりリベラル資本主義に似せたことをやってきた中国は今後、習近平による内需主導型経済への転換(双循環)戦略や、「一帯一路」の地域覇権的な広域経済戦略によって、大量生産・大量消費・完全雇用のリベラル資本主義的な経済体制を維持できる唯一の経済大国として存在し続ける。資本主義だった米欧が社会主義になって破綻していき、社会主義だった中国が資本主義になって繁栄を続けるという逆説的な世界になる。ここでも、力なく笑うしかない。 ("The Great Reset" Already Happened)



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