65才以上の高齢者を対象とした、新型コロナウイルスワクチンの接種が4月12日に始まった。するとさっそく、全国の自治体には接種予約の申し込みが殺到した。
無事に予約に成功し、ワクチン接種をするとなった場合、何に注意すべきなのだろうか。いよいよやってきたワクチン接種の前日、絶対にしてはならないのは深酒だ。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはこう話す。
「二日酔いの状態で接種すると、吐き気や気分不良、頭痛などの症状が飲酒によるのかワクチンによるのか区別がつかず、対応が遅くなります」
接種会場に車を運転していくのも避けた方が無難だ。
「接種後に筋肉痛が生じて、人によっては腕が上がりにくくなったり、動かしづらくなるケースがあります。当日以降に痛みが強くなりハンドル操作が難しくなるので、接種翌日の運転も避けた方が無難です」(一石さん)
副反応を防ぐため、ワクチン接種前にイブプロフェンやアスピリンなど市販の鎮痛剤をのむことはNGとされる。米・ボストン在住の内科医である大西睦子さんが説明する。
「それらの薬がワクチンにどのような影響をもたらすか不明のため、米疾病対策センター(CDC)はワクチン接種前の鎮痛剤の服用をすすめていません」(大西さん)
精神状態にも気を配りたい。不安が強いときや体調不良時にワクチンを接種すると、交感神経が反射的に興奮して血圧が下がるなどアナフィラキシーと似た症状である「血管迷走神経反射」が生じる可能性がある。
「そのため接種会場ではなるべく安静にすること。当日までの体調管理にも気をつけてほしい」(一石さん)
接種した後は穏やかな生活を心がけたい。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広が解説する。
「基本的に接種前の日常生活を続ければ大丈夫ですが、飲酒や激しい運動は血流を促進させて炎症が強くなる恐れがあるので避けるべきです。42℃以上のお風呂に長時間つかったりサウナに入ると、血管を広げるので、当日はがまんしてほしい」
インフルエンザなどほかのワクチンと同様に、注射した部分はこすらないようにする。
もし、発熱や痛みがあった場合は、接種前と同様に市販の解熱鎮痛剤などの使用は避けるべきなのだろうか。
「のんでも全然かまいません。実際、接種した医師でのんでいる人がいますので、大丈夫です」(上さん)
痛みにはこんな対処法がある。一石さんが続ける。
「注射部位の痛みや筋肉痛が生じたら、まずは経過を見て、鎮痛剤を服用するか冷湿布を貼って様子を見てください」
ワクチンは2回接種することも知っておきたい。1回目の接種後、3週間の間隔で2回目を受けることになる。
「最初の接種と気をつけるべき点は一緒です。ただ、1回目の接種で免疫が備わっているので、2回目の方が、強い副反応が生じる傾向があります」(上さん)
都内の大学病院に勤務し、すでに2回目のワクチンを接種した30代女性看護師が当日を振り返る。
「1回目は接種した左肩の筋肉痛だけでしたが、2回目の接種後には38℃の熱が出て、眠れないほどの頭痛に襲われました。病院で処方された痛み止めをのんで、自宅で静養していました」
2回目の接種に備えた心がけも必要ということだ。
医療ジャーナリストの鳥集徹さんは、長期的な影響を危惧する。
「厚労省はmRNAが数日から数週間で分解されるので問題ないとしていますが、遺伝子を注入したことが長期的に人間の体にどういう影響を与えるのかはっきりわかっていません。亡くなったかた全員の血液検査などの詳細も公表されていませんので、ワクチンと死因とに関係があるのかどうかもはっきりしません。
まだ開発間もないワクチンです。本当に安全だったかどうかわかるのは数十年後かもしれない。ワクチンを接種した人に健康被害がなかったかどうかは、長期的に追跡しないとわからないのです」
※女性セブン2021年5月6・13日号
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