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徽宗皇帝のブログ

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「民主主義」とは何か
「混沌堂主人雑記(旧題)」所載の田中宇の記事の一部で、「極」の定義から話を始めている、極めて論理的な内容で、私好みである。以下は、引用記事の内容とはあまり関係のない話になる。


定義のあいまいな言葉を使って議論するほど馬鹿なことはないが、世上の議論のほとんどがそれである。たとえば、「民主主義」が、「国民主権」の意味で、主権者には何が可能か、何が不可能か、という前提議論も無しに、「民主主義絶対化」が大前提での議論になったりしている。私は「民主主義」は一種の宗教的教義であり、有用ではあるが「妄想である」という立場だ。神という妄想が存在することで、社会の道徳性は飛躍的に向上したのと同じだ。法律と道徳は社会の二大規範で、これ無しにはまともな社会にはならない。だから私は民主主義否定論にも与しない。
ただし、私は「神仏を前提としない道徳」の構築こそが現代の哲学者、あるいは社会学者の使命だと考えている。これは江戸時代の思想家などが有益な提言をしている。つまり、「町人(市民)道徳」である。一般国民の我々は武士ではなく町人なのである。
ついでに言えば現代の政治家や上級国民は人間として、つまり道徳的には町人以下の存在で、乞食とヤクザと詐欺師、その眷属や部下である。まともな市民こそが、まともな政治の基盤なのだ。それを「民主主義」としてもいい。

(以下引用)
極とは何か、多極型とは何か。これ自体、明確でなく、議論の途上だ。本論文やHSEの会議では、多極型(multipolarity/polycentricity)という言葉が多用されている。だが議論は不十分だ。
日本など米国側が無視しているだけで、世界が多極型になるのは確実だ。ロシア政府と田中宇が偶然同じ妄想をしているのではない。だが、議論がないので定義も不透明で、私としては洞察・想像するしかない(それが妄想扱いされている)。
強国が弱い国に対して一方的に影響力を持つのが覇権(隠然)や支配(顕然)だが、多極型世界の極の国の行動は、他の国々との合意に基づく相互のものなので覇権でない(傀儡政権を作って合意させることがあり得るので覇権の要素は残る)。支配でなく、他国に対して経済や安保での貢献をする国が極だ。
この定義で考えると、極になる国は世界に30ぐらいありそうだ。日本に国際貢献してもらったと思っている国はけっこうあり、この点で日本は極だ。
多極型世界において、敵視や経済制裁は禁止だ。しかし人間なのでときどき喧嘩する。国家間で敵視や戦争があり得る。その場合、他の国々が仲裁して喧嘩=戦闘をやめさせ、和解にもっていく。
仲裁者は、力がある方が頼りにされるので、地域の大国が仲裁者になる。それが極の国だ。多極型は、安全保障の概念である。経済は国家がなくても回るが、安保は国家の仕事だ。
戦後の米覇権体制は当初、米国が世界の紛争を仲裁して安定化する役目だった。だが、この四半世紀、米国は敵視や制裁や戦争を多発し、世界を不安定化するばかりだ。米国側のマスコミは善悪歪曲の意図的な誤報を流布し、米国側の人々に「米国は良いことをしている」という大間違いな妄想を軽信させている。
この事態は、放置すると永久に続く。それはまずいので、露中など米国に傀儡化されていない国々が集まって、別の国際安保システムを作ることにした。それが多極型世界だ。
私自身の見立てで言うと、(英国系に牛耳られているのを嫌がる)米国自身が単独覇権を壊して多極化したいので、わざと敵視制裁戦争を多発して露中に多極型世界を作らせた、という話だ。どちらにしても多極化は、世界の安全確保のための「世直し」である。
「独裁国の中国に、世界を良くする策ができるはずない」。民主主義国しか良いことをやれないと考えている日本など米国側の人々はそう考えがちだ。だが実のところ、極悪な戦争を繰り返しているのは民主主義の米国だ。欧日の民主諸国は、米国の極悪な戦争を支持し続けている。
国内体制の民主性と、その国の政府が国際的に何をするかという話は別物だ。中国人は資質的に政治絶倫(政治で儲けたがる天才)で、民主化すると混乱するので選挙をやれない(台湾は植民地時代に日本化されたから民主主義をやれている)。
冷戦後のロシアは立派な民主国だが、米国側から極悪視されている。ウクライナ戦争を誘発したのは米国で、ロシアは被害者だ。米国側の(というより、あらゆる)民主理論は詐欺・インチキである。理想主義者は騙されやすい。政治家や運動家は、理想主義をかたって人々を騙す。
米覇権に替わる世界体制を作れそうなのは中露BRICSなど非米的な諸大国の集合体だけだから、今の多極化になっている。独裁とか民主とか、どうでも良い。独裁vs民主にこだわる人の方が間違っている。
中共は、国内体制を強化して中国が世界を主導できるようにするために習近平の独裁体制を作った。中共内部には米国好きのトウ小平派がたくさん残っているが、トウ小平派の最重鎮である江沢民が習近平の独裁強化を支持したので、今の中国がある。中共は、世界をきちんと見ている(共産主義は詐欺なので嫌いだが)。

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