これは素晴らしい法改正だと思う。むしろ、これまで説明義務が無かったことのほうが異常だろう。
記事中にあるように、洪水被害問題では、日本の建築事情で、新築の需要がほとんどだというのが一番の元凶だろう。建築可能土地が飽和状態だと、新築で建てるとなると洪水可能性のある地域くらいしか土地が無いので、そういう場所に建てられ、それを知らずに家を買ったりする。
要するに、「他人の住んだ家に住みたくない」という、日本人の「処女信仰」(笑)が洪水被害を多発させているわけである。
(以下引用)
水害リスクが「重要事項」に 不動産取引で説明義務化
不動産の売買において、これまで説明義務がなかった水害リスクが「重要事項」に加えられることになりました。今後は浸水リスクが高いエリアにある物件を売却する場合には、関連する情報を買い手に開示しなければなりません。
豪雨災害多発で
令和2年7月豪雨で甚大な被害が発生した熊本県人吉市(写真:ロイター/アフロ)
宅地建物取引業法では不動産を売買するにあたり、仲介する不動産会社は買い手に対して、物件に関する重要な情報を説明することが義務付けられています。これを重要事項説明と呼びますが、これまでは浸水リスクについてはその対象に入っていませんでした。 しかし近年になって豪雨による浸水被害などが多発していることから、国土交通省は省令の改正を行い、ハザードマップにおける物件位置の明示を重要事項に追加しました。8月28日以降に売買される物件については、この情報が買い手に確実に伝わることになります。 各地で浸水被害が多発しているのは、気候変動の影響によって、前線が停滞しやすくなっていることや、台風が大型化していることが主な原因ですが、実は住宅が建設される場所も関係しています。山梨大学の調査によると、浸水想定地域に住む人の数は1995年から2015年までの20年間で150万人増えているそうです。日本の住宅市場は新築物件が全体の8割以上を占めるという特殊な市場環境ですが(欧米は逆に6~9割が中古)、住宅の新規建設が優先された結果、人口が減っているにもかかわらず、浸水リスクが高いエリアにも住宅が次々と作られているようです。
災害リスクの認識は必須に
ここ1~2年、ハザードマップ上で浸水リスクが高いとされているエリアの物件が売りに出されるケースが増えていることは、不動産売買に従事する人の間ではよく知られた事実です。今回、重要事項で浸水リスクの説明が義務化されたことで、こうした動きがさらに活発になる可能性があります。 従来は説明義務がありませんでしたから、浸水リスクについて知らずに物件を買った人も多いと考えられます。自分が購入する時には説明が行われず、売却する時には説明の義務が生じるというのは釈然としないかもしれませんが、浸水被害の多発が社会問題となっている今、説明の義務化はやむを得ないでしょう。 これから不動産を買う人は、仮に重要事項説明に入っていない項目であっても、購入を検討する物件についてはハザードマップ上で位置を確認し災害のリスクを認識することが必須となりそうです。 (The Capital Tribune Japan)
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