【ソウル=建石剛】韓国のチョ国(グク)前法相(54)に対する逮捕状発付の可否を判断する審査が26日、ソウル東部地裁で行われた。聯合ニュースによると、地裁は請求を棄却した。チョ氏は釜山(プサン)市前副市長の不正をもみ消した疑いを持たれており、検察は職権乱用権利行使妨害容疑でチョ氏の逮捕状を請求していた。検察は、在宅のまま捜査を続ける方針だ。
チョ氏は26日、審査を受けるために午前10時過ぎに地裁に入った。チョ氏は記者団に、「検察の逮捕状請求の内容には同意できない」と述べた。チョ氏の弁護人は、審査で容疑を否認したことを明らかにした。
チョ氏は2017年末、当時政府の金融委員会に勤務していた柳在洙(ユジェス)前副市長(55)への監察調査の中断を指示した疑いが持たれている。チョ氏は当時、政府高官による不正の取り締まりを担当する大統領府民情首席秘書官だった。柳氏は今月13日、業者から賄賂を受けたとして収賄などの罪で起訴された。
文政権は、検察が歴代政権と結びついてきたことを問題視しており、政治的中立性を確保するための組織改革や権限の縮小を進めようとしている。チョ氏も法相在任中、改革に取り組もうとした。
政権側は、一連の捜査を検察改革への対抗だと位置づけており、検察側との対立が鮮明化している。裁判所に逮捕状が棄却されたことで、検察のチョ氏に対する捜査の勢いがそがれる結果となった。
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