マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-642ac6.html
<転載開始>
2024年8月19日
Moon of Alabama

 インフラ攻撃を終わらせるためのロシアとウクライナの交渉に関するワシントン・ポスト報道について、イヴ・スミスが論じている。
 
長期的なロシアの弱さを認めたのか、それとも、より複雑な計算か?
 私は以前、ワシントンポストのこの記事についてここで議論した

 もし交渉が本当に説明通り行われたのであれば、それはウクライナのクルスク州侵攻準備からロシアの注意をそらすための策略だったとイヴは示唆している。会談はロシアにとって無益だったと彼女は言う。ウクライナの発電や送電機能への攻撃を止めることをロシアが望むとは思えないと彼女は疑念を呈している。ウクライナのロシア攻撃は:ほとんど損害をもたらさないと彼女は示唆している。それは、この見解と一致しない。

 ウクライナ民間人にとって、冬は非常に厳しいものになるだろう。既に実現されたレベル以上に、ウクライナのインフラ被害を拡大する必要はないのだ。

 ウクライナの攻撃は、今のところロシアに修復可能な損害をもたらした。だが攻撃が、いつもそうだとは限らない。ある日、そのような攻撃が、実際大惨事を引き起こす可能性がある。また攻撃はロシアの資源を大量に拘束している。最も危険に曝されている場所を少なくとも、いくらか守るには膨大な数の兵士と装備が必要だ。ロシア経済は現在人手不足だ。兵士を10万人ほど現地の防空任務に回さなければ、状況が変わるかもしれない。
 そのような合意に、ロシアは本気で興味を持っていたと私は信じている。しかし、ウクライナのクルスク州への攻撃により、その合意は吹き飛ばした。

 ウクライナによるロシア侵攻がどのように準備されたかに関する新たな示唆がある。

 これは主にイギリスの計画に沿ったものだとロンドンのタイムズ紙は主張している(アーカイブ)。

 火曜日、ウクライナ軍がロシアへの反侵攻にイギリスのチャレンジャー2戦車を使用している映像が明らかになった際、イギリス官邸と国防省は準備ができていた。

 過去48時間、キール・スターマー首相とジョン・ヒーリー国防相の下で働く政府関係者や政治補佐官らは、クルスク侵攻へのイギリスの関与拡大を、どこまで認めるべきかについて協議していた。

 リスクは高かった。世界には知られていないが、ウクライナの新たな攻勢において、ドローンを含むイギリス兵器は中心的役割を果たしており、他のどの国もかなわない規模で、二年間にわたり、イギリス人要員がウクライナ軍に密接に助言してきた。

 対照的に、ウクライナの計画と目的について知らなかったとアメリカは主張している。これを受けてキット・クラレンバーグは次のような説を展開している。

 キット・クラレンバーグ @KitKlarenberg - 15:02 UTC · 2024年8月18日

 「: 以前、クルスク自爆作戦の背後にイギリスがいるのではないかと私は推測した。なんとタイムズ紙記事がこれを裏付けている。より広い意味で、その内容は、アメリカを代理戦争に引き留めようとするクルスクでのロンドンの最新の取り組みを十分強調しており、とうとう、これに、ワシントンは、うんざりしたようだ。

 大々的に宣伝されたクルスクのイギリス・チャレンジャー2戦車映像は新首相キール・スターマーと国防長官ジョン・ヒーリーが意図的に決定したものだったとタイムズ紙が暴露した。この「反攻」でイギリス兵器は「中心的役割を果たした」と言われている。

…  ロンドンの関与を宣伝するとスターマーとヒーリーが決定したのは「イギリスの役割をもっとオープンにし、主要同盟諸国にもっと支援するよう説得するため」だったと報じられている。言い換えれば、この勝ち目のない悪夢のような泥沼に、アメリカや他の国々が、更に力を入れるよう促し、圧力をかけるためだ。

…  しかし、クルスク侵攻で和平交渉が頓挫したため、アメリカは不満だと伝えられている。ノルドストリーム爆破でのキーウの責任とされるものは、ドイツのウクライナ支援終了を正当化するために利用されているようだ。また、キーウがロシアに対してイギリス製ミサイルを発射するのをアメリカは阻止している。
 交渉失敗に関するワシントン・ポスト記事や、WSJ紙が最近報じた「ノルドストリームはウクライナが実行した」という噂は、ウクライナ政府とクルスク侵攻に対するアメリカの怒りの表れだというのがキット説だ。

 また、より多くの兵器を提供し、ロシア国内奥深くの標的に、その兵器使用を認めるよう、イギリスが同盟諸国に圧力をかけていると同紙は報じている。
 
今後数週間に、ウクライナ防衛調整グループの新たな会議にヒーリーは出席予定で、イギリスは欧州同盟諸国に、より多くの兵器弾薬を送付するよう圧力をかけ、ロシア内でそれらを使用する余地をキーウに与える予定だ。先週ヒーリーはアメリカのロイド・オースティン国防長官と会談し、ドイツのボリス・ピストリウス国防大臣を説得しつつある。  射程距離が248キロで、ストームシャドウに近いが、より強力な弾頭を持つタウルス・ミサイルを保有するドイツは最も圧力を受けている国だ。しかし昨日、国内財政危機を理由に、ウクライナへの軍事援助をドイツが凍結したことが明らかになった。ピストリウス国防大臣は34億ポンドの追加支援を要請したが、財務省はこれを拒否した。

 以前の漏洩によると、長距離タウルス・ミサイルは複雑で、いよいよという時にドイツ軍将校がプログラムする必要があるという。ドイツでは、ロシア攻撃に深い関与を認める支持はない。
 ウクライナがロシア攻撃を開始するのと引き換えに、同盟諸国にロシアに対する長距離兵器使用に同意させると、イギリスがウクライナに約束したように私には思える。

 ゼレンスキーがスターマーに不満を述べる理由を説明するのはこれ以外にない。
 
自軍がロシア領クルスク地域のへの未曾有の侵攻を続ける中、キーウに対するイギリス援助が弱まり始めているとウクライナ大統領は不満を述べた。

 イギリスの軍事支援について「残念ながら最近状況は鈍化している」とゼレンスキー大統領は述べた。

 核兵器を保有するモスクワとの緊張激化につながる懸念がある中、ロシア国内深くにある標的への攻撃に、イギリス製ストームシャドウを使用することへの保守党の反対をキール首相は支持した。

 「長距離能力は我々にとって極めて重要なので、これをどう解決するか議論するつもりだ。ウクライナ人がいかに有能か、我が国がいかに独立を守っているかを世界中が見ている」とゼレンスキーは述べた。

 保守党の元国防長官4人がウクライナ支援を強化するよう要請し、中にはロシア軍攻撃でキーウがストームシャドウを使用するのを許すようする者もいた後だ。
 だがミサイル使用を阻止しているのはスターマーでなくアメリカだ。(アーカイブ):
 
ウクライナ戦争の激化をバイデン政権が懸念する中、イギリスがウクライナにストームシャドー・ミサイルをロシアに発射するのを、事実上ワシントンが阻止しているのだ。

…  ウクライナに長距離兵器使用の自由を与えたいとイギリスは考えているが、それにはアメリカやフランスや非公開のNATO加盟国3カ国を含む同盟諸国の合意が必要だと理解されている。この遅れについてイギリスはアメリカを責めてはいないと政府筋は強調し、こうした政策変更には時間がかかると付け加えた。
 上記の全てを組み合わせれば、この話題を(再)構築できる。

 イギリスは超党派でウクライナ戦争を長引かせたいと考えている。カタールでの和平交渉を中断させるのをイギリスは承知しながら、ウクライナにロシア侵攻を提案し、支援したのだ。またロシアへの長距離攻撃許可を同盟諸国に迫るとも約束した。しかし、アメリカとドイツは依然そのような攻撃を阻止している。今や、イギリスが約束を果たさなかったとゼレンスキーは不満を漏らしている。

 ロシアに対するウクライナの無益な攻撃にイギリスが関与したことにアメリカは憤慨して、カタールでのウクライナとロシアの交渉について情報を漏らしている。

 上記は、アメリカがクルスク侵攻計画には実際関与していなかったというアメリカの主張に大きく基づいている。

 もちろん、これらの主張を疑う十分な理由がある。
 
ウクライナ戦争が最も危険な局面に入り、キーウ軍がロシア国内で戦闘を繰り広げる中、苦境に立たされたウクライナへの直接的軍事支援を積極的に行う正式「機密活動」派遣隊をアメリカは運営している。これまで公表されたことのないこの派遣隊は、アメリカ特殊作戦部隊に運営され、ウクライナ軍とともに、ほぼリアルタイムの標的情報を含む戦場支援を行っていると工作員らは語っている。

…  彼らの仕事には、情報収集のための秘密人的ネットワーク構築や、標的とすべきロシア軍の弱点の特定などが含まれていると、以前、陸軍第10特殊部隊グループに配属され、機密活動派遣隊に配属されていた工作員が私に語った。

…  ほぼ最新の情報支援をウクライナ軍に提供する任務を負っていたと二人目の工作員も語った。

 ウクライナにいたアメリカ工作員たちが、攻撃に向けてウクライナ人が準備を進めているのを見逃さなかったのは確かだ。
 追伸 タイムズ記事からのボーナス:
 
「これは軍事支援だけでなく、産業、経済、外交面の支援も関係する」と国防筋は語った。「プーチン大統領がウクライナで成功すれば、そこで止まることはないだろう。だが、その経済的影響も甚大だ。なぜなら彼が最初に侵攻した際、イギリスがいかに大きな打撃を受けたかは誰もが知っているからだ。
 そう、ロシアに打撃を与えることを意図した制裁は、それを発動した連中に、かなりの打撃を与えた。それが、ようやく認められたのは結構なことだ。

 記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/08/britain-claims-to-have-helped-with-the-ukrainian-invasion-of-russia.html#more

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