いや、私はトラスを悪相である、と書き、首相になる前からの極端なロシア憎悪姿勢や無知さを批判していたが、これほど早く辞任に至るとは予想もしなかった。
で、彼女の政策の失敗を「減税」のためとマスコミが書くのは不正確だろう。これは減税というよりはIMFが言うように「格差拡大政策」のためだと言うべきである。だからこそ支持率が極端に低下したわけだ。どの国でも中間層から低所得層のほうが人数は上位層よりはるかに多いのだから、格差拡大政策で支持率が下がるのは当然だ。
ただ、日本よりマシなのは。支持率低下で首相が辞任するという「民主主義」の原則に従っていることなのだが、ここにも問題があり、その「支持率」はマスコミが誘導していたり、あるいは恣意的に作られた数字でないという保証が無いのである。しかし、それは一般論であり、トラス支持率の低下は事実だろう。では、その原因は何か。格差拡大だけか。
私はよく言うが、「絵に描かれたものは見えるが、描かれていないものは見えない。」つまり描かれていないものは気づかれない。
下の記事に「描かれていない」ものは、ウクライナ戦争による英国民の窮乏であり、それは「格差拡大」よりも、英国民のトラス批判の中心にあるものだろう。トラスが推進していたウクライナ支援という対ロシア戦争による生活苦こそ、トラス批判の中心的エネルギーだということを売女マスコミは絶対に書かない。
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© 毎日新聞 提供 辞任を表明する英国のトラス首相=ロンドンで2022年10月20日、ロイター
英国のトラス首相は20日、辞任を表明した。首相就任後に打ち出した大型減税策が市場の混乱を招いた責任を取る形で、退陣に追い込まれた。
9月6日に就任したトラス氏は同23日、物価高対策として減税総額が5年間で約450億ポンド(約7兆6000億円)に上る減税策を発表した。だが大規模減税による財政悪化への不安から、通貨ポンドが急落するなど市場が混乱。その後は目玉政策だった大型減税策のほぼすべてを撤回し、求心力が急速に低下していた。
トラス氏の減税策については、国際通貨基金(IMF)が「格差を広げる可能性が高い」と再考を促す声明を出し、バイデン米大統領も「間違いだと思っていた」と批判するなど世界的に懸念が広がっていた。【ロンドン篠田航一】
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