下の記事のトランプが「グローバリズム否定」を表明したというのが面白いので、記事を転載する。まあ、トランプの「愛国主義」の中身は知らないが、私も愛国者ではあるからこそ政権批判や日本社会批判を数限りなくやってきたのである。ネトウヨたちとはその点でスタンスが正反対だ。彼らは「商売愛国」にすぎないから、政権に取り入る意図しかない。
引用記事が長いので、話はここまでとし、私の「尊皇攘夷主義」についてはいずれ書くつもりである。
(以下引用)
国連の場で国連の象徴を全否定したトランプ大統領の衝撃
「我々はグローバリズムを拒絶し、愛国主義に基づき行動する」――。
トランプ米大統領が今年の国連演説でこう述べました。従前から分かっていたことでしたが、国連の場であそこまではっきり主張するとは。ひどい時代になってきたという感じがします。
トランプ発言のような一国主義に走る国が出てこないようにするために、戦後つくられたのが国連であり、WTO(世界貿易機関)やIMF(国際通貨基金)であり、安全保障面ではNATO(北大西洋条約機構)でした。トランプはグローバリズムという言い方をしていますが、これを「マルチラテラリズム」と言い換えてもいい。みんなで意識を共有し、みんなで支え合っていく。お互いがお互いを頼りにすることによって、二度と再び世界的な戦禍に見舞われないようにする。これが戦後の基本認識だったはずです。
■「分断と対立」「愛国主義」が世界中で拡大中
そうした認識の筆頭格的な番人を務めることを自任してきたのが米国なのに、その大統領が国連の場で、国連が象徴としてきたものを全否定した。グローバルな世の中の雲行きをよく表している事象だと思います。
今や、世界は「誰が誰に付くのか」の論理で動き始めています。トルコは中国に接近し、中国はアフリカ諸国を取り込もうとする。ロシアはウクライナをのみ込み、中国が手を伸ばそうとしているところに、同じように近づいています。
そうした動きの中で、相対的に小さき者たちは右往左往して「誰に付いたらいいのか」を考えている。ハンガリーのオルバン首相が、ロシアのプーチン大統領やトランプに好意的な姿勢を示していることなど一例ですが、世界に再び「分断と対立」「排外」の気配が急速に広がり、我々がそこに引き戻されていくような嫌な雰囲気です。
中ロを筆頭に、領土の分捕り合戦の様相も出てきている。安倍首相も「北東アジアの戦後構造に終止符を打つ」としきりに発言していますよね。彼はもともと戦後レジームからの脱却をめざしているわけですが、それを前面に出してきました。そうした空気の中で、トランプの「グローバリズムを排し、愛国主義をとる」という発言が出てきた。この一連の構図は非常にキナ臭く、今、一番の懸念事項だと思います。
「貿易戦争」といえば、1960年代末から80年代初頭まで、日米間、日欧間で激しい通商摩擦がありましたが、その時は純粋な経済戦争で、「愛国主義合戦」の側面はなかった。日本の輸出パワーに対し、欧米の産業界が震え上がり、「この集中豪雨を止めてくれ」と自国政府に懇願、政府が動いたというものでした。しかし、今は、米国は中国に対し、ハイテク技術を盗むとか、知的所有権を守らないなど、国家主義的な戦略的発想に立脚して締め出しにかかっている。トランプ的な単純な愛国主義が貿易問題に絡んでいるので一層やっかいな状況を生んでいます。
問題は、これを止める人物がいない、ということ。落語に「胴乱の幸助」という喧嘩の仲裁が趣味の人の話がありますが、そういう人が本来、必要なのでしょう。なんとか止めるようにしないと、ますます恐ろしい事態に進んでしまうと危惧しています。
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