(以下引用)
トランプ前大統領の起訴は「非アメリカ的」で「法制度の武器化」なのか 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/672.html
トランプ前大統領の起訴は「非アメリカ的」で「法制度の武器化」なのか 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321141
2023/04/06 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
34件の罪で起訴される。ニューヨーク州の裁判所に出頭し罪状認否で無罪を主張した前米大統領のトランプ被告(C)ロイター
米国の大統領に誰が就くのかは単に同国の将来だけではなく、世界の動向を左右する。バイデン大統領は「国防総省・軍事産業が一体化した軍産複合体」と「金融資本、多国籍企業」がつくり出した政権であり、その対抗がトランプ前大統領である。
現在、民主党と共和党が拮抗し、どちらの党の候補が勝利するかは分からない。ただ、軍産複合体は何としてもトランプの当選を阻止したい。彼らの狙いは次の3つだ。
①法廷闘争でトランプを立候補できないようにする ②共和党の中で軍産複合体と金融資本側の候補を勝たせる ③大統領選挙で勝利する。②については、現在までのところ、共和党内部でトランプ以外の候補を勝たせる動きは成功していない。
現時点ではフロリダ州知事のデサンティス氏が唯一、トランプを破る可能性があるものの、最近の世論調査を見ると、「フォックス」ではトランプ支持54%に対してデサンティス支持は24%だ。クイニピアック大学調査でもトランプ、デサンティス両者の支持の割合は、47対33、ロイター調査でも44対30である。
トランプを阻止しようとするグループはますます法廷闘争で、トランプを立候補できないようにする手段を強化する。
ところで米国は大統領に多大の権限を与えている。第2条【大統領の権限】では「大統領は、弾劾の場合を除き、刑の執行停止または恩赦をする権限を有する」と規定している。こうした中、ニューヨーク州のマンハッタン地区検察が招集した大陪審は3月30日、不倫もみ消し疑惑を巡り、トランプを起訴した。
検察が捜査したのは、2016年の米大統領選終盤、不倫関係を暴露しようとした元ポルノ女優側に口止め料を支払った問題だ。この問題は16年の大統領選、20年の大統領選でも争点になり、米国民はそれを認識して投票し、すでに判断が出た問題である。
この事件が今後、どう扱われるかは不透明である。初公判は来年で、有罪かどうかを決める陪審の評決も、来年11月の大統領選後になるとの観測がある。共和党のマッカーシー下院議長は、起訴について「大統領選への介入の試みだ」とした。
トランプの対抗者であるデサンティス知事も、起訴は「非アメリカ的」であり、「法制度の武器化」に相当するとツイートしている。今後も醜い選挙戦が続く。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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