私の知る限りでは、ロシアは本格的な空爆をしていない。と言うことは、一気に決戦せず、戦争が長期化するほどロシアの勝利が確実になっていく、というのがロシア(プーチン)の考えだと思われる。「後退こそがロシアにとっての前進なのだ」という、ナポレオン戦争やヒトラー戦争で見せた、まさにロシア式戦略だろう。で、ウクライナ軍(実質NATO軍)は、今さら戦争をやめることは難しいだろう。自分たちが「勝っている」と思えばなおさらだ。そして、気がついたら、泥沼の中にいる、となるのではないか。
ロシアにとっては、最悪、ウクライナの新領土を敵に占領されてもかまわないのである。ロシア旧領土内に攻め込まれても、まだ大丈夫だろう。何しろロシアは広大だから。
(追記)「逝きし世の面影」記事だが、宗純氏はウクライナ戦争は米ソの談合だという自説にこだわるあまり、それ以外の説はすべて「馬鹿話」と決めつけている。先制攻撃で自国有利な状況を作った上で持久戦に持ち込む(そのほうが有利)なら、別に「馬鹿話」ではないだろう。まあ、私は以前ほどは宗純氏を評価していないのだが。シニカルでひねくれた文体も最近は気に障るようになってきた。
ーーー(「逝きし世の面影」より)
欧米の厳しい経済制裁でもロシアにはエネルギーも食料もあり何年でも戦え、ロシアのプーチン大統領は持久戦を目指していると解説するが、侵略された防衛側が仕方なく持久戦「長期戦」に持ち込む例はあるが、逆の侵攻軍側が「持久戦」狙いなど有り得ない馬鹿話である(★注、もしもロシアのプーチン大統領が持久戦を目指しているなら、それは自動的に「ロシア側の防衛戦争だった」「攻め込んだのはウクライナ側のネオナチ親衛隊」だったとの結論になる)
ーーー
(以下引用)
ロシアの「対世界」戦争 ~資源・経済・認識闘争~
ウクライナ開戦から半年が過ぎ、膠着状態が続くのかと思ったら
9月中旬のウクライナの攻勢?とロシアの動きから状況が大きく変わってきた。
同時にロシアから世界のアメリカ従属国へ向けての強いメッセージが繰り返し発せられている。
●プーチンの演説
9月21日
・予備役の部分動員、戦争格上げ。
・ロシアが脅威にさらされる場合、すべての手段を利用すると宣言(すべての手段とは?)。
9月30日
・ウクライナ南部4州の一方的な併合を宣言。
●ロシアの陽動作戦?
ロシアの部分撤退、そこへウクライナの進撃・攻勢と見えるような情勢が作り出され、その上での上記プーチンの宣言。
・欧州は、冬が来る前に和解の道を探っていた。
・しかしロシアは(追い詰められたと見せながら)、戦争へ格上げ、併合も強行。
欧米マスコミの報道に任せて、ウクライナ優勢情報を拡散、かつロシア敵視をさらに強化して、和解の道を塞いでいる。
●ロシアの狙い
以下の発言が分かりやすい
>親露的なセルビアのブチッチ大統領が
「われわれ(ロシアやセルビア)は特殊作戦の時期を終え、もっと大きな戦争の
構図の中に入りつつある」と国連総会で述べている。
→狙いは、和解の空気を封じて、世界的な戦争・対立構造(敵はNATO・欧米)を明確にする。そしてまず、ロシアの首元にある欧州を落とし、数年かけて?ロシア側・新勢力に組み替える。
※6月のサンクトペテルブルグ経済フォーラムと第14回BRICSサミット・・・ロシア主導の新経済圏を構築中。リンク
●周辺状況
・資源価格は暴落、ウクライナ侵攻前のレベルに下がったと思ったら、また上がってきた。CRBコモディティ指数
・ガスパイプライン、ノルドストリームへのテロ攻撃(これは米ネオコン)。
・ロシアが英国経由で金塊(5.7トン)をスイスへ運んだという情報(何のため?)。
・中国は、ドル・米国債の売却スピードを上げ始めている。ドル暴落が早まるか?
・イギリスの国債市場下落・英ポンド危機・・・金融市場の破綻開始。
●ロシアの世界戦争
・第一段階は、中東囲い込み・エネルギー価格上昇 →西側のインフレ。
・これからの第二段階は、インフレと利上げから、欧米のバブル崩壊→自滅へ。
これから本格的にバブル崩壊と金融危機が始まる。英ポンドから始まり、ドル基軸の裾野から崩されている。これからバブル崩壊・金融危機に向かうのは確実。
※孫子の兵法のような、ウクライナという局地戦だけで(あまり戦わずに)、世界戦争をやっているような感じ。西側マスコミの虚実報道織り交ぜながら、確実に金融危機・西側の崩壊とロシア側の新経済圏構築に進んでいる。
●ロシアの認識闘争
ロシアは日本に対しても覚醒を呼び掛けている。
>アメリカは世界で唯一、核兵器を2回使用し、日本の広島と長崎を壊滅させた国である。
>今日に至るまで、ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、対等な同盟国だと皮肉っている。
>ロシアは日米共同訓練を自国の安全保障上の脅威とみなし、日本側に責任をもって取り組むよう求めた=露外務省
これらの動きは、金貸し支配打倒・新経済圏創出の一本の意図上にある。しかし、金貸しと欧米の反撃・中国の勢力と思惑、インド等の非同盟諸国の考え、それぞれが相まって流動的・複雑系な動きになってきているようにも見える。中銀やBISなど金貸しの力の源泉を探りつつ、この動きを解いていく。
by タロウ
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