「読売新聞オンライン」記事だが、読売にしては案外とまともな内容で、記事として価値がある。末尾(2ページ目は読んでもいないので、1ページ目の末尾)は記者の単なる推測で、こういう「意見」まで記事に入れる必要はない。
「中台関係の現状」とは、中国と不即不離の関係である。まあ、米国に踊らされて中国と強硬対立などするのは自殺行為だろう。当面の姿勢としては賢明だ。米国は衰退する一方だから、どうせ今世紀前半で中台完全統一になると私は予想している。
当選確実となり笑顔の頼清徳氏(左)と副総統候補の蕭美琴氏(13日、台北で)=大原一郎撮影
【台北=園田将嗣、田村美穂】台湾総統選は13日、投開票が行われ、与党・民進党の頼清徳(ライチンドォー)副総統(64)が、最大野党・国民党の侯友宜(ホウヨウイー)新北市長(66)、台湾民衆党の柯文哲(クォーウェンジョオー)前台北市長(64)を破り、初当選した。有権者は頼氏が掲げる中台関係の「現状維持」を選んだ。中台統一を掲げる中国が反発し、台湾海峡を挟み緊張が高まる可能性がある。 【写真】台湾総統選、与党・民進党の頼清徳副総統がリード維持…午後8時30分中間集計
頼氏は13日夜、勝利宣言し、「台湾海峡の平和と安定を守るのが使命だ。(中台関係の)現状を維持する」と語った。
台湾の中央選挙委員会(選管)によると、頼氏の得票数は558万6019票で、侯氏の467万1021票、柯氏の369万466票を上回った。有権者数は約1950万人で、投票率は71・86%だった。頼氏は5月20日に総統に就任する。総統の任期は4年で、2期まで可能だ。
1996年に総統選の直接選挙が導入されて以来、同一政党が3期(1期4年)連続で政権を担うのは初めて。台湾の独自性を強調する民進党政権の継続は、中台は別だと考える「台湾人意識」の定着を示した。
頼氏は自身を「実務的な台湾独立工作者」と称したことがある。選挙戦では「独立」色を封印し、蔡英文(ツァイインウェン)政権が進めた中国との統一でも独立でもない「現状維持」路線の継承方針を示したことで、有権者の不安感を和らげた。
頼氏は今後、中国との対話の糸口も模索する考えだが、対立局面の打開は難航しそうだ。中国政府の台湾政策担当部門は13日夜、開票結果を受け、「民進党は決して主流の民意を代表できない」とする談話を発表した。「今回の選挙が両岸(中台)関係の基本的枠組みを変えることはできず、祖国統一の大勢を妨げることはできない」と主張した。
中国側は今後、台湾周辺での軍事演習を頻繁に行うなど圧力を高める可能性がある。頼氏は、米国との安全保障分野などでの関係強化をさらに進め、日本や欧州とも連携を深めて中国に対抗していく方針だ。
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