【マイアミ國枝すみれ】17人が犠牲となった米南部フロリダ州の高校銃撃事件から3日後の17日、南に65キロ離れたマイアミでは銃の見本市が始まった。一方、同州フォートローダーデールでは銃規制を求める集会が開かれ、早急な規制強化の必要性を訴えた。
見本市では、手のひらにはいるほどの小さな銃が200ドル(約2万1000円)で売られていた。事件で使用されたとみられるAR15型半自動小銃も1500~3100ドル(約16万~33万円)で並ぶ。銃所持許可証を持つ州民はその場で購入していた。
元連邦政府捜査官のフアン・デルガドさん(70)は「銃が悪いのではない。個人の問題だ」と話し、銃規制に反対した。自宅には3丁のAR15がある。
銃撃事件の後、市民が自衛のために購入しようとするため、銃の売り上げが伸びる傾向がある。見本市でシャツなどを売る業者(54)によれば、16年6月の同州オーランドのナイトクラブ銃撃事件や17年1月のフォートローダーデール空港乱射事件の直後、見本市の客数は3~4割増えたという。
AR15は米軍のM16型の市販モデルで、簡単に全自動小銃に改造できる。西部ネバダ州ラスベガスの乱射事件(17年)や東部コネティカット州の小学校銃撃事件(12年)など大規模な乱射事件で使われた。しかし、見本市会場では「銃を持つ悪いやつを止められるのは、銃を持った良いやつだけだ」とし、気に留めない人が多かった。
一方、AP通信などによると、フォートローダーデールでは17日、乱射事件が起きたマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒ら数千人による集会が開かれた。参加者は銃ロビー団体「全米ライフル協会」(NRA)から献金されているトランプ大統領ら政治家に対し「恥を知るべきだ」と合唱した。
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