「ギャラリー酔いどれ」所載、「マスコミに載らない海外記事」の一部。
(以下引用)
観客の戦争や紛争に対する見方を作り上げる上で、多くの場合、
映画やエンタテインメント産業の方がマスコミをしのいでいる。
映画は、どの人物、集団、国民や国が、英雄なのか、犠牲者か、侵略国か、悪漢かを
特定するのに利用される。
この点で、ハリウッドは、イラン、中国、ロシア、キューバや北朝鮮等の国々を悪魔化し、
アメリカ合州国をもてはやす。
ハリウッドは、歴史的叙述を歪曲し、歴史修正主義的叙述を具体化してもいる。
これこそが、歴史的事実や現実から遠く隔たった形で、一体なぜ、
大半のアメリカ国民や多くの西ヨーロッパ人が、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の結果が、
ソ連によって、東ヨーロッパと中央アジアでではなく、アメリカによって、
大西洋で、決定されたと信じ込んでいるかという理由なのだ。
アメリカや西ヨーロッパでは、大半の人々の物の見方は、歴史の教科書や学術著作ではなく、
ハリウッドとエンタテインメント産業に影響を受けている。
フランス世論研究所が、フランスで行った、第二次世界大戦に関する世論調査が、
アメリカ文化帝国主義が、ハリウッドの影響力によって、
一体どの様に展開されているかを実証している。
1945年、世論調査を受けたフランス国民の57%が、第二次世界大戦で、
ドイツが打ち負かされたのは、ソ連のおかげだと考え、20%がアメリカのおかげと考え、
12%がイギリスのおかげだと考えていた。
1994年までに、彼らの見解は歪曲され、世論調査を受けたフランス国民の25%が、
ヒトラーが打ち破られたのは、ソ連のおかげだと考えており、
一方49%がアメリカのおかげだと考え、16%がイギリスのおかげだと考えていた。
2004年には、調査対象のフランス国民のわずか20%しか、
ヨーロッパで第二次世界大戦を終わらせた主要部隊がソ連だとは認識しておらず、
58%がアメリカのおかげだと信じ、16%がイギリスのおかげだと思っていた。
より若い世代や、第二次世界大戦を経験していない同時期出生集団は、
彼等の認識が、現代のマスコミ、特に映画とエンタテインメント産業によって形成されている
だろうと推論できる。
これが、一体なぜ、CNNのクリスチャン・アマンポールが、2014年6月6日、
ノルマンディー上陸作戦開始70周年に、フランスのベヌービル城で、
“アメリカの取り組み、第二次世界大戦中アイゼンハワー将軍とルーズベルト大統領指揮下の
アメリカ合州国による、この上なく英雄的な取り組みに、
大陸中[つまり、ヨーロッパ]が過去70年間アメリカに感謝してきた”
と大胆にも宣言できたのかという理由だ。
CNNのアマンポールは、ロシアを批判し、第二次世界大戦における、ソ連の役割を傷つける一方、
フランス政府が“アメリカ合州国に感謝する日だ”
アメリカが“何よりとりわけ、歴史の流れを変えたことに”感謝するとも強調した。
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