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徽宗皇帝のブログ

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意図が「相手国のため」なら相手国に原爆を落としても許される? www
前記事と同じくF爺氏のブログ記事だが、実に明晰で論理的である。こういう「謝罪のふりをして実は謝罪していない話法」というのは欧米文化によく見られるもので、映画などで自分が傷つけた相手に「(自分は)そういうつもりじゃなかった」と「謝罪」する場面はよく見る。しかもそれで和解が成立したりするのが不思議である。まあ、欧米だけに限らない話ではあるが、罪であるかどうかは行為の意図が何だったかとは無関係に、行為の内容にあるというのは自明の話のはずだが、こういう「謝罪に見せかけた『逃げ』(責任回避)」が案外通用しているというのは興味深い。 


(以下引用)

動画で日本人を差別する発言をしたサッカー選手Ousmane Dembéléウスマン・デンベレとAntoine Griezmannアントワーヌ・グリズマンの卑劣な「謝罪した振り」

前置き

日本人差別関連の緊急ニュースが続きます。今日以降に予定していた記事の掲載は、順延します。

未読の方は、前篇の〈Ousmane Dembéléウスマン・デンベレとAntoine Griezmannアントワーヌ・グリズマンの日本人差別動画〉に是非目をお通しください。

本文

2019年の日本滞在中に、
【日本人を差別する動画を自分たちで作成していた】
ことで国際ニュースになっているサッカー選手Ousmane Dembéléウスマン・デンベレとAntoine Griezmannアントワーヌ・グリズマンが、2021年7月5日(月)になって、ようやく公に、謝罪の体(てい)を成していない「声明」を出しました。

フランス語圏のサイトが二人の「言い訳」にさえなっていない「開き直りの試み」を報道しています。

「Le Parisien」のサイト「eurosport」のサイトで二人の「声明」の原文を見ることが出来ます。

なお、上記の二つのサイトの他にも、F爺が見たいくつかのフランス語のメディアが、明確に、
〈動画に現われた二人の言動は、極東人に対する人種差別だ〉
と書いています。

Dembéléの声明

太字は、無責任話法であることを明示するために、F爺が勝手に施しました。
*****
Il se trouve que la scène se passe au Japon. Elle aurait pu se dérouler n'importe où sur la planète. J'aurais utilisé les mêmes expressions. Je ne visais donc aucune communauté. Il m'arrive d'utiliser ce genre d'expressions en privé, avec des amis, et ce peu importe leur origine. Cette vidéo est désormais publique. Je conçois qu'elle ait pu heurter les personnes présentes sur ces images. De ce fait, je leur présente mes plus sincères excuses.
*****

 非逐語訳

話題になっている動画の舞台は、たまたま日本だ。しかし、地球のどこでも、ホテルの従業員が何人(なにじん)であっても、親しい仲間と一緒の時は、私は、同じ表現をする習慣だ。特に日本人を標的にしたのではない。動画に映っている人物が不愉快な思いをしたかもしれないということは考えられる。そのため、最も誠実な(*)お詫びの言葉を述べることにする

(*)「最も誠実な」だけは、意図的に逐語訳にしました。誠意の欠片も無い文章ですから、「意を汲んで訳す」意味がありません。

   翻訳者の特別の注

   元のフランス語は、「条件法過去形」や「接続法過去形」を正確に用い、「格調高い」語彙を
   誤用一つせずに駆使しています。Dembéléの話し方とは似ても似つかないものです。不思議です。
  
 この項の結論

この発言は、
俺は、世界中どこでも、侮蔑語を日常的に頻用し、差別発言をする。今後も続ける
俺には、何も反省する意思は無い
という意味です。教養程度の低さと反省の欠如を如実に示しています。

Dembéléは、ホテルの従業員が自分と同じ黒人のモーリタニア人やセネガル人でフランス語ペラペラだと知っていても、習慣的に、乱暴な卑語俗語で「見ちゃおれん醜い面(つら)だ」とか「ひでえ言語だ」とか言ってのけることになります。

この反省拒否宣言の後で
最も誠実なお詫びの言葉
という誇張した文字列を読まされて、それを「誠実な謝罪」と受け取る日本人は、多いのでしょうか。

Griezmannの発言

太字は、無責任話法であることを明示するために、F爺が勝手に施しました。
*****
Je me suis toujours engagé contre toute forme de discrimination. Depuis quelques jours certaines personnes veulent me faire passer pour l’homme que je ne suis pas. Je réfute avec fermeté les accusations qui me ont portées et je suis désolé si j’ai pu offenser mes amis japonais.
*****

 非逐語訳

私は、常に全ての差別と闘って来た。数日前から、私を差別主義者に仕立て上げようとする人がいる。そのような非難には厳然と抗議する。もしも私が[話題になっている動画のせいで]日本人の友人たち(*)を意図せずに傷付ける結果になってしまった可能性があるとすれば遺憾に思う

(*)「の友人たち」には打ち消し線を引きました。不誠実の極みで反吐を催します。

 この項の結論

ここには、Dembéléの書いたような「上辺だけの謝罪」さえもありません。「釈明」でもなく、勿論まともな「反論」でもありません。開き直りたがり「抗議したがっている」ことだけは分かりますが、抗議の論拠をどこにも示していません

「・・・意図せずに傷付ける結果になってしまった可能性があるとすれば遺憾に思う
は、典型的な無責任話法です。不誠実さを如実に表わしています。

 補足情報

フランス語のメディアの一致した報道によると、Griezmannは、別の動画で
【シナ語(*)の発音を模倣して嘲笑している】
そうです。

歴然たる侮蔑・差別行動です。シナ人(**)にとっても、シナ人だと思われて的外れの嘲笑を受けた非シナ人にとっても、極めて不愉快なものです。

(*)(**) ヨーロッパ諸語の母言語話者には、「隋」「唐」「明」「清」「支那」「シナ」「中国」などを区別する習慣が無く、広東語も上海語も北京語も北京官話も東北官話も中華人民共和国普通話も単一の言葉で表わすのが普通です。具体的にどの言語を指しているのか判らないため、学術的な表現「シナ諸語」を略した「シナ語」という言い方で訳しておきます。「シナ語を話す人」を指すのに「シナ人」という訳語を採用したのも同じ理由です。

これについても、きっと、
侮蔑する意図は無かった
と言って開き直ろうとするのでしょうね。

フランス語圏の読者の反応

フランス語圏の報道に対するフランス語人読者の反応の多くは、こう要約できます。

*****
この二人は、 米国の黒人や中華人民共和国のウイグル人が差別される時だけ大声を上げたり片膝を突いたりするけど、自分たちが極東人を差別している認識は無いんだね。

それにしても・・・いつも「差別反対」って言ってるFIFAとか政治家とかは、どうしてこの二人には何も言わないんだ?

*****

勿論・・・フランス人の中には、差別主義者も、この二人以外にもたくさんいます。二人を擁護するために、「ユーモアだ」「取るに足らないことだ」と声高に主張しています。そんなものに耳を傾ける必要はありません。

結論

二人とも、卑劣です。言行不一致です。自分たちが何を仕出かしているか、認識さえしていないし、認識しようともしていないのです。差別常習者
〈自分が損をしないように「全ての差別に反対するふり」をしていた〉
のであったことが明らかになりました。

蛇足

日本語で発信している「SOCCER KING」というサイトが
デンベレ&グリーズマンが侮辱発言を釈明し謝罪「日本の友人たちを怒らせたなら申し訳ない」
と題した記事を掲載しています。

いかにも二人が「釈明し謝罪」したように聞こえますね。

 Dembéléについて

このサイトは、Dembéléについてこう書いています。太字と色分けと打ち消し線は、F爺が勝手に施しました。

*****
(・・・)と差別の意図を否定。「この動画が公開され、映像内の人たちが傷つくかもしれないことを理解している。そのため、彼らには心からお詫びしたい」と謝罪した。
*****

太字にした部分は、「無責任話法」です。この日本語訳は、下手ではありません。

Dembéléが「お詫び」を「映像内の人たち」にしか向けていない点が極めて重要です。自分が「極東人全般を顔付きゆえに侮辱した」という自覚も反省も無いのです。

そして、最後の「と謝罪した」は、「SOCCER KING」の勝手な解釈です。

 Griezmannについて

「SOCCER KING」は、Griezmannについては、こう書いています。太字と色分けと打ち消し線は、勿論、F爺が勝手に施したものです。

*****
(・・・) と反差別の姿勢を強調。続けて、「日本の友人たちを怒らせたのなら申し訳ない」と謝罪した。
*****

怒らせたのなら申し訳ない
と、これもまた典型的な「東大話法」つまり「無責任話法」です。誠意の欠片もありません。

最後の「と謝罪した」は、「SOCCER KING」の勝手な解釈です。Griezmannの原文に「謝罪」と呼べるものは存在しません。

この手の記事が日本語の大手の新聞にも見つかります。

また、フランス在住だと言う日本人がブログで二人を擁護しているのも散見します。フランス語の「引用文」なるものに見つかる間違いの酷さから考えて、まともなフランス語の話せないことが歴然としています。

こうした団体や個人は、一体どんな利益を目論んで差別者擁護のための虚報発信に憂き身をやつすのでしょう。
〈日本人である自分は、「映像内の人たち」と同様に差別されている被害者だ〉
という認識は無いのでしょうか。

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