「泉の波立ち」から転載。
南堂氏には珍しく(と私は思うのだが)、政治と企業(おそらくユダ金のフロント企業)の癒着という危険な話に鋭く切り込んでいる。下手をしたら訴訟ものである。その勇気を称えたい。
(以下引用)
南堂氏には珍しく(と私は思うのだが)、政治と企業(おそらくユダ金のフロント企業)の癒着という危険な話に鋭く切り込んでいる。下手をしたら訴訟ものである。その勇気を称えたい。
(以下引用)
2018年10月06日
◆ 関空民営化の隠された闇
台風で利用者に大被害のあった関空は、運営が民営化されているが、そこには隠された闇がある。その張本人はオリックスだ。
──
台風で被害のあった関空は、いろいろと不手際があった。朝日新聞が検証記事を書いている。
ここでは、ひどい不手際があったことが指摘されている。不手際の背景もわかる。こうだ。
・ オリックスが主導したが、実務は仏社に丸投げ。
・ それでいて、社長だけは日本人社長。
では、どうしてこうなったか? 理由は推定できる。こうだ。
「事業の主体はオリックスだった。ただしオリックスには空港運営のノウハウがない。だから仏社に丸投げした。オリックスが出したのは金だけ。それでいて経営のトップを握ろうとする」
つまり、オリックスは、空港運営のノウハウもないくせに、超巨額の空港運営に乗り出したわけだ。では、なぜ?
「利権狙いだろう」
という推察が付く。
──
では、本当に利権があったのか? そう思って調べたところ、次の情報が見つかった。
→ 関空運営権売却、オリックス連合のみ応札 1次入札 - 産経WEST
→ 関空・新トップが明かす「2兆円落札」の勝算 | 東洋経済
要するに、こうだ。
・ 関空の運営の民営化で、入札がなされた。
・ 入札に応じたのは、オリックス連合のみだった。
・ 他社は、乗り気だったが、リスクが怖くて尻込みした。
・ リスクとは、45年の超長期で超巨額の事業だということ。
(本来ならば、当初は3年ぐらいの短期契約にするべき。)
結局、普通の事業会社は、いくら有能であっても、物件が超巨大すぎたので、応札できなかった。
応札できたのは、事業会社でなく金融会社であるオリックスだった。金融会社だから、巨額の金を低利で調達できる。巨額のリスクにも耐えられる。
かくて、他の事業会社を「リスクの大きさ」という条件で排除して、オリックスだけが応札できることになった。
かくて、オリックスの言い値で、空港運営権を入手できた。実質的には、本来の市場価格よりも大幅に安く入手できたことになる。(ライバルがいないので。)かくて、超巨額の利権を得た。
※ 私の想像では、数千億円~1兆円ぐらいの暴利を得ていると思える。その分、運営権を売却した関空本体の側は、莫大な損失をこうむったことになるが。
ではなぜ、他の事業会社がすべて排除されるような、特殊な条件が設定されたのか?
それは、オリックスの政治力だ。オリックスの宮内会長は、政府に深く食い込んでいて、政府の決定を左右できる。国の方針すら左右できるほどにも巨大な政治力を持っているのだから、関空ぐらいの入札条件を左右することなど、朝飯前だろう。自民党あたりに 10億円ぐらいの献金をすれば、どうにでもできるはずだ。実際、そうしたのだろう。
まさに、利権をむさぼる闇商人、という感じである。(安倍首相とタッグを組んでいるだけのことはある。)
──
実は、上に述べたことは、根も葉もない推測ではない。過去には、これとそっくりの事例があった。「かんぽの宿」だ。「かんぽの宿の民営化」という事例のときに、オリックスの宮内会長は、やはり「オリックスだけが応札する」という形で条件を決めた。つまり、「かんぽの宿を部分的に売却するのでなく、全体を一括して売却する」という条件にした。結果的に、物件があまりにも巨額になりすぎたので、応札できるのはオリックスだけとなった。そのおかげで、売却価格はオリックスの言い値となり、本来の価格よりも大幅に安くなった。そのあと、オリックスは物件をバラバラに分割して売却することで、書類上の操作だけで莫大な利益を得ることができるようになった。実際、その方針で進んでいった。
ただし最終的には、この民営化は中止された。鳩山邦夫がオリックスの利権にストップをかけたからだ。
以上の話は、前に詳しく解説したことがある。そちらを参照。
→ かんぽの宿の真相: Open ブログ
ここでは、根拠も示している。根拠は、私の推測ではない。オリックスの宮内会長自身が「これによって超巨額の暴利を得るはずだった」と告白して、それを阻害されたことに憤慨しているのだ。よほど悔しかったらしい。(ま、兆円規模のボロ儲けの機会を失ったのだから、それも当然か。)
──
この二つの事件(関空民営化・かんぽの宿の売却)を見ると、実にそっくりであることがわかる。
・ 物件を分割せずに、全体を一括して売却した。
・ 物件が超巨額になったので、ライバルはすべて脱落。
・ 応札したのは、オリックス(連合)のみ。
・ ライバルがいないので、価格はオリックスの言い値に。
・ 本来の価格よりも大幅に低い価格なので、暴利を得る。
オリックスは、かんぽの宿では暴利を得る機会を失ったが、関空の民営化では見事に成功した。万々歳というところだろう。(国民にとっては、踏んだり蹴ったりだが。)
ただし、その裏側では、「空港の運営の仕方などろくに知らない(そのくせに応札した)」というオリックスの能力不足の問題が発生した。
かくて、巨大台風のような非常事態が起こると、その無能力さが、「対応の不手際」という形で露呈してしまうのである。
──
今回の関空の運営会社には、いろいろと不手際があった。(朝日新聞の記事に書いてある通り。)
ただし、その出来事の背景には、意外な真相がひそんでいるのだ。それは「オリックスの暗躍」という闇である。闇商人が暴利をむさぼることばかり考えているから、その無能さのせいで、空港の利用者はひどい目に遭うわけだ。
[ 付記 ]
台風で空港ターミナルが冠水して、地下の変電所がストップして、全面停電になった……なんて、あまりにも馬鹿げている。東日本大震災以前ならともかく、あのときの時点で、津波対策という形で、冠水への対策はなされているべきだった。
それが、津波もなくて、たかが台風ぐらいで、この被害だ。手抜きもいいところだ。安全投資を徹底的にケチったせいだろう。
いかにもオリックスらしいが。
──
台風で被害のあった関空は、いろいろと不手際があった。朝日新聞が検証記事を書いている。
台風21号が西日本などを襲ってから、4日で1カ月になる。高潮で冠水し、大きな被害を受けた関西空港は、安全管理のあり方や復旧の遅れを指摘されている。
ちょうど1カ月前の9月4日夕方。空港は修羅場だった。観測史上最大の瞬間風速58.1メートルの暴風雨に見舞われ、高潮で第1ターミナルなどがある島が冠水。停電で照明が消え、空調も停止する中、約8千人の利用者や空港で働く人たちが取り残された。
混乱は台風が通り過ぎても続いた。大阪市内などに向かうための連絡橋にタンカーが衝突し、道路も鉄道も不通に。結局、バスや高速船での脱出が完了したのは、翌5日の深夜だった。
その日、関西エアポートは運航再開の見通しを打ち出せずにいた。「7日から部分再開できませんか」。山谷社長が国土交通省幹部から告げられ「政府主導」による復旧が決まった。
「(国交省)航空局も(動きが)遅かったのか」。14日、官邸を訪ねたある航空会社の首脳に、菅義偉官房長官が質問した。菅氏は、関空の対応に不満を持っていた。首脳は、関西エアポートの意思決定の遅さが問題だと指摘した。
今回の混乱の原因に、関西エアポート内のガバナンス(企業統治)の問題を指摘する関係者もいる。同社の筆頭株主は、オリックスと仏空港運営大手のバンシ・エアポートで、株式を4割ずつ持つ。
ところが両社は、民営化直後からぎくしゃくした。とくに、空港の保守・管理についてはバンシに任せるという「不可侵条約」(オリックス幹部)があるという。
今回の危機では、国交省からの指示が、オリックス出身の山谷社長に日本語で出て、直接指揮を執った。これに、バンシ側の責任者であるエマヌエル・ムノント副社長が不満を募らせ、現場の鈍い動きにつながっていると、関係者は指摘する。
( → 民営化空港の安全、だれが責任? 関空冠水で見えた課題:朝日新聞 2018-10-06 )
ここでは、ひどい不手際があったことが指摘されている。不手際の背景もわかる。こうだ。
・ オリックスが主導したが、実務は仏社に丸投げ。
・ それでいて、社長だけは日本人社長。
では、どうしてこうなったか? 理由は推定できる。こうだ。
「事業の主体はオリックスだった。ただしオリックスには空港運営のノウハウがない。だから仏社に丸投げした。オリックスが出したのは金だけ。それでいて経営のトップを握ろうとする」
つまり、オリックスは、空港運営のノウハウもないくせに、超巨額の空港運営に乗り出したわけだ。では、なぜ?
「利権狙いだろう」
という推察が付く。
──
では、本当に利権があったのか? そう思って調べたところ、次の情報が見つかった。
→ 関空運営権売却、オリックス連合のみ応札 1次入札 - 産経WEST
→ 関空・新トップが明かす「2兆円落札」の勝算 | 東洋経済
要するに、こうだ。
・ 関空の運営の民営化で、入札がなされた。
・ 入札に応じたのは、オリックス連合のみだった。
・ 他社は、乗り気だったが、リスクが怖くて尻込みした。
・ リスクとは、45年の超長期で超巨額の事業だということ。
(本来ならば、当初は3年ぐらいの短期契約にするべき。)
結局、普通の事業会社は、いくら有能であっても、物件が超巨大すぎたので、応札できなかった。
応札できたのは、事業会社でなく金融会社であるオリックスだった。金融会社だから、巨額の金を低利で調達できる。巨額のリスクにも耐えられる。
かくて、他の事業会社を「リスクの大きさ」という条件で排除して、オリックスだけが応札できることになった。
かくて、オリックスの言い値で、空港運営権を入手できた。実質的には、本来の市場価格よりも大幅に安く入手できたことになる。(ライバルがいないので。)かくて、超巨額の利権を得た。
※ 私の想像では、数千億円~1兆円ぐらいの暴利を得ていると思える。その分、運営権を売却した関空本体の側は、莫大な損失をこうむったことになるが。
ではなぜ、他の事業会社がすべて排除されるような、特殊な条件が設定されたのか?
それは、オリックスの政治力だ。オリックスの宮内会長は、政府に深く食い込んでいて、政府の決定を左右できる。国の方針すら左右できるほどにも巨大な政治力を持っているのだから、関空ぐらいの入札条件を左右することなど、朝飯前だろう。自民党あたりに 10億円ぐらいの献金をすれば、どうにでもできるはずだ。実際、そうしたのだろう。
まさに、利権をむさぼる闇商人、という感じである。(安倍首相とタッグを組んでいるだけのことはある。)
──
実は、上に述べたことは、根も葉もない推測ではない。過去には、これとそっくりの事例があった。「かんぽの宿」だ。「かんぽの宿の民営化」という事例のときに、オリックスの宮内会長は、やはり「オリックスだけが応札する」という形で条件を決めた。つまり、「かんぽの宿を部分的に売却するのでなく、全体を一括して売却する」という条件にした。結果的に、物件があまりにも巨額になりすぎたので、応札できるのはオリックスだけとなった。そのおかげで、売却価格はオリックスの言い値となり、本来の価格よりも大幅に安くなった。そのあと、オリックスは物件をバラバラに分割して売却することで、書類上の操作だけで莫大な利益を得ることができるようになった。実際、その方針で進んでいった。
ただし最終的には、この民営化は中止された。鳩山邦夫がオリックスの利権にストップをかけたからだ。
以上の話は、前に詳しく解説したことがある。そちらを参照。
→ かんぽの宿の真相: Open ブログ
ここでは、根拠も示している。根拠は、私の推測ではない。オリックスの宮内会長自身が「これによって超巨額の暴利を得るはずだった」と告白して、それを阻害されたことに憤慨しているのだ。よほど悔しかったらしい。(ま、兆円規模のボロ儲けの機会を失ったのだから、それも当然か。)
──
この二つの事件(関空民営化・かんぽの宿の売却)を見ると、実にそっくりであることがわかる。
・ 物件を分割せずに、全体を一括して売却した。
・ 物件が超巨額になったので、ライバルはすべて脱落。
・ 応札したのは、オリックス(連合)のみ。
・ ライバルがいないので、価格はオリックスの言い値に。
・ 本来の価格よりも大幅に低い価格なので、暴利を得る。
オリックスは、かんぽの宿では暴利を得る機会を失ったが、関空の民営化では見事に成功した。万々歳というところだろう。(国民にとっては、踏んだり蹴ったりだが。)
ただし、その裏側では、「空港の運営の仕方などろくに知らない(そのくせに応札した)」というオリックスの能力不足の問題が発生した。
かくて、巨大台風のような非常事態が起こると、その無能力さが、「対応の不手際」という形で露呈してしまうのである。
──
今回の関空の運営会社には、いろいろと不手際があった。(朝日新聞の記事に書いてある通り。)
ただし、その出来事の背景には、意外な真相がひそんでいるのだ。それは「オリックスの暗躍」という闇である。闇商人が暴利をむさぼることばかり考えているから、その無能さのせいで、空港の利用者はひどい目に遭うわけだ。
[ 付記 ]
台風で空港ターミナルが冠水して、地下の変電所がストップして、全面停電になった……なんて、あまりにも馬鹿げている。東日本大震災以前ならともかく、あのときの時点で、津波対策という形で、冠水への対策はなされているべきだった。
それが、津波もなくて、たかが台風ぐらいで、この被害だ。手抜きもいいところだ。安全投資を徹底的にケチったせいだろう。
いかにもオリックスらしいが。
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