01年の参議院選挙でもこんなことがあった。神政連は、自民党公認候補として比例区から出馬した有村治子氏を支援していたのだが、得票数が少なくて苦しみ、当選確実の報が明け方まで出なかった。最終的には当選したが、蓋を開けてみれば、神社は全国津々浦々にあるにもかかわらず、票が入っていない地域が少なからずあったというのである。
パワーなくても政治家が頼るのは
地域の祭りに出れらるから
戦後の混乱期以降、神政連は陰になり日向になって政治への働きかけを行い、「元号法制定」「剣璽御動座(けんじごどうざ・天皇が行幸する際に、剣と勾玉を携えて移動し、滞在先に奉安すること)の復活」「紀元節の復活」など、数々の“華華しい”成果を収めてきた。
それが今では、「見る影もない。昔は、政治に対する影響力も大きかったが、今や集票力は無きに等しく、影響力も日本会議とは比べものにならないほど小さくなった」と神社関係者は語る。
そればかりか、6月19日まで開かれていた国会では、天皇の退位をめぐる皇室典範に関する議論がなされるなど、神社界にとっては“一大事”だった。
にもかかわらず、今特集「瓦解する神社」第1回の記事(「神社本庁で不可解な不動産取引、刑事告訴も飛び出す大騒動勃発」)で報じたような不動産取引をめぐるドタバタで組織が混乱、なんら行動を起こすことができなかった。
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こうした神政連の姿を見て、「神社側もついてこなくなった」と、この関係者は明かす。
「神社の神主たちも世代交代が進んでしまった。そのため、新憲法の制定や、皇室と日本の文化伝統を大切にする社会作り、靖国の英霊に対する国家儀礼の確立といった、神政連が掲げてきた目標に関心がなくなっており、積極的な活動もしなくなっている」(神社本庁関係者)
しかし、このようにすっかり力を失いつつある神政連に対し、国会議員たちはなぜ懇談会のメンバーになってまで支持を仰ぐのか。
「議員たちは票がほしいというよりは、神社が主催する地元の“祭り”が狙い。地方では、いまだ多くの人が集まるため、祭りは有権者の前で演説できる絶好のチャンス。その機会を得るために懇談会のメンバーになっているだけで、神社本庁や神政連に対する忠誠心など何もない」と神社本庁関係者は明かすのだ。
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