これに先立つ21日、日本の岸田文雄首相は訪問先の米国で、シンクタンク「大西洋研究所」のグローバル市民賞を授与された。授賞式に出席したフォンデアライエン委員長は、岸田首相に呼びかける形で米軍による広島への原爆投下について言及した。
「原爆が広島を壊滅させたとき、あなたの親類の多くが命を失いました。あなたは生き延びた人たちのストーリーを聞いて成長しました。私達にも同じ話を聞き、過去と向き合い未来について学んでもらいたかったのでしょう。このことはG7にとって厳粛な出発点となり、私も忘れることはない。特にロシアが再び核兵器を使おうとしているこのときに」
この発言を受け、露外務省のザハロワ報道官は、自身の公式SNSアカウントで発言を批判した。
まず、「日本の都市と民間人に対し原爆を投下した米国については一言も述べられていない」と指摘。そして、発言の「ロシアが再び核兵器を使おうとしている」とする部分については、「広島の悲劇をロシアのせいにしている」と、誤解を与えかねないものだと主張した。
ザハロワ報道官は、米国による広島への原爆投下をロシアへの批判に利用するフォンデアライエン委員長の姿勢は許しがたいとしている。
「広島の陰に隠れたこの発言は許しがたい。フォンデアライエンの嘘は不愉快で、危険なものである」
岸田首相は19日、国連総会での一般討論演説で「核なき世界」の実現を訴えた。核軍縮は、被爆地広島出身の自身のライフワークだとして、NPT体制を維持・強化し、現実的・実践的な取組を継続・強化していくと強調した。
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