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徽宗皇帝のブログ

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東海アマ氏の「僻地永住論」の論理破綻
「東海アマ」ブログ記事で、記事前半(省略)の内容はいいのだが、後半が論理破綻をきたしているので、「能登住民の他府県移住」を勧めた私としては米山氏と同論陣者として反論しておく。

ちなみに、記事前半の内容は、私が引用部分で赤字にしたもので、私は岸田政権と石川県のこの対応に憤りを感じるという点では東海アマ氏と同じである。

しかし、アマ氏の主張する「能登住民は能登に永久的に住むべきだ」(誇張的に言えば、そういう主張である。)というのが、能登住民の幸福につながるかどうか、そして、彼の論説の意味する「一次避難所や、ホテルや旅館などの二次避難所に、災害地の復興ができるまでそこに住むべきだ、そして復興したら元の居住地に帰るべきだ」という主張に対しては、私は反対である。

第一に、旅館やホテルは「商売」をする施設であり、ボランティア施設ではない。カネを払わない宿泊客をそのまま泊めておけるはずがない。くだらない「人情論」などが入る余地はない。それが資本の論理である。それに反対するなら資本主義そのものを否定すべきだろう。つまり、アマ氏の大嫌いな「共産党」的思想になる。(人情論全体が「くだらない」のではないのは勿論だ。私はここでは、ビジネスの立場から見ての話を「皮肉な」表現でしている。ビジネスとは「カネ儲け」が最大の本質であるのは言うまでもないだろう。それ以外は、「ビジネスに有利」な限り、考慮され、利用されるのである。)
もっと重要なのは、被災地避難所の生活は、部外者が想像するだけでも、非人間的な生活環境に決まっているということだ。その避難所にいる住人の生命保護のためには、他府県移住が最適解だろう、と私は言っている。そして米山隆一氏も、「復興事業より先に、避難民の生命と生活を保護する」ための移住論を言っているのだと、彼の発言内容から判断している。けっして「都市移住」や「過疎地の放棄」を言っているのではないはずだ。問題は、「地震の巣」としての能登半島の危険性であり、それはアマ氏自身が何度も言ってきたことではないか。つまり、アマ氏は完全に論理破綻している。

(以下引用)

だが、国=自民党岸田文雄政権は、新幹線が開通して、観光客が押し寄せて宿泊施設が不足するという理由で、被災住民を避難先から追い出そうとしている。
 震災で破壊され、水道の供給さえない我が家に帰還せよという。菅義偉が述べた、新自由主義における「自助」を強要しているのだ。
 水道の出ない半壊したような自宅に、まだ真冬なのに帰還せよと強要している。こんなことが許されるのか? 国は憲法を守る意思があるとは思えない。

 それから、米山隆一氏が、被災者は被災地を捨てて都会に移住せよと表明した。
 被災地の「復興より移住を」 ネットで物議 米山隆一氏の真意は? 2024/1/26
  https://mainichi.jp/articles/20240126/k00/00m/040/382000c

 【「人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだ」】

 これは住民に、「生まれた土地を捨ててしまえ」と迫る乱暴な意見で、これが民衆に寄り添う立場の野党議員から発せられたことはショックだ。
 だが、米山氏は本質的に間違っている。

 そもそも日本の過疎地帯は、自民党と新自由主義によって意図的に作り出された結果であって、住民の意思ではなかった。「金にならないことは捨てる」という「資本の論理」 「新自由主義の論理」によって、公共交通や医療機関などの生活インフラが廃止され、住民は生きて行くためにやむなく都会に仕事を求めるしかなかった。

 もし自民党が大企業の金儲けを優先させるため、地方の農業を軽視・無視していなかったなら、地方はこれほどの過疎に苦しむことはなかった。
 自民党は、円高に誘導することで、海外一次産品を大規模に輸入することと引き換えに、三次産品、工業製品を輸出することで大企業を儲けさせる政策を行ったのだ。
 この自民党の大企業優遇政策の結果、能登のような地方は過疎に追い込まれた。

 地方に、まんべんなく人が住んでいるということには国家の基盤として重要な意味があることを米山氏は理解していない。
 過疎地方は、いわば「防人さん」なのだ。過疎地方に水源があり、河川と森林がある。これを監視し、崩壊を通報することで、下流の大都市の安全が守られている。

 そのために、住民がいなければならない。その住民を意識して守らなければならない。
 さらに、地方の本当の役割は、大都市が大震災や戦争で機能不全に陥ったときの逃げ場所でもある。食料の生産供給地であり、水資源の補給地でもある。

 米山氏の言うとおりに、金にならない地方を無人地帯にしてしまえば、いざ阪神大震災や東日本震災が再来したとき、インフラの崩壊した都市住民は、どこに逃げたら良いのか? どこから飲料水が湧いてくるのか? 誰が食料を生産してくれるのか?
 日本国というのは大都市だけでなく過疎地方も含めた全体の有機的結合によって成立している本質が、なぜ米山氏に理解できないのか?
 本当に新潟県人なのか?

 地方は、大都市住民の安全を保証するクッションであることをなぜ知ろうとしないのか? なぜ大都市生活のことしか分かろうとしないのか?
 米山隆一氏には痛烈に自己批判を求める。

地方の住民を大切にできない政府に未来は存在しない!
 東電の代理人にすぎない福島県行政は、地元の誰からも見放され、崩壊してゆくだろう。
 同じように、能登震災被災民をないがしろにして救済しない石川県も県民から見放されてゆくにちがいない。
 巨大震災が起きたのに、一週間も非常事態宣言できず、ボランティアを追い返していた馳浩知事などいらないのだ。

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