https://indeep.jp/it-s-time-to-end-magical-thinking/
<転載開始>
10月20日 ヨルダン川西岸のデモ参加者らがロシアとパレスチナの旗を振り、
プーチン大統領と北朝鮮の金正恩氏の肖像画を掲げている。
現実を少しずつ報じ始めたメディア
昨日、アメリカのウォールストリート・ジャーナルが、
「ロシアの敗北についての魔法のような考えを終わらせる時が来た」
というタイトルの長い記事を掲載していました。
記事を書いたのは、アメリカ政府の諮問機関である「国家情報会議」の元・対ロシア情報将校と、カーネギー国際平和基金の副学長とのことでしたが、ここでいう「魔法のような考え」というのは、つまり、これまで、
・対ロシア制裁でロシア経済はボロボロになっている
とか、
・プーチン大統領はロシア国内で孤立していて、クーデターが近い
とか、
・ウクライナの反撃は成功し続けている
とか、まあ、そういうような、この 1年半など、西側のメジャー報道が続けてきた内容です。
それらは明らかに間違っていたと述べている記事でした。
ウォールストリート・ジャーナルは、アメリカで最大の発行数を誇るメディアですが、これまで上に並べたようなことを報道し続けていたメディアのひとつでもあります。
今回の記事は、「それは魔法の思考であり、空想の世界だ」というように断言しているものでした。
もちろん、これは、ロシアを褒める記事では決してありません。「ならず者国家としてのロシア」との今後の対応を変化させなければならない、というようなものでしょうか。
長い記事ですが、今回はこの全文をご紹介します。
現実的には、ロシアとウクライナの戦争が始まって、すぐに、
「すべてがロシアに有利に働いている」
ことは明白でした。
対ロシア制裁が始まって「いきなりロシア経済が活況を呈し始めた」ことが、昨年の 3月に判明しています。以下で米ブルームバーグの記事をご紹介しています。
(記事)「西側の制裁によりロシアが儲ける金額」はブルームバーグのアナリストの試算では日本円で約40兆円…。西側が一丸となってロシアの経済を強化する理由は何?
In Deep 2022年4月7日
そして、わりとショックだったのは、ロシアは、戦争開始とほぼ同時に「非友好国への肥料の輸出を停止する」と発表していましたが、
「肥料は戦争後も、まったくそれまでと同じように非友好国、つまり西側に輸出していた」
ことが、価格報告機関であるフレイトウェーブ社の調査で判明しています。
小麦輸出もエネルギー輸出も何もかも「以前と同じ」(あるいはむしろ価格が以前より高くなった状態で)輸出を続け、西側諸国はそれを受け取り続けていました。以下の記事にあります。
(記事)ロシアの経済戦争の巧妙さに愕然とする。むしろ西側の方がバカ正直だったとか?(前者の単語に比重あり)
In Deep 2023年5月13日
なお、ロシアの小麦輸出は、今年、過去最高となりました。
(記事)ロシアの穀物輸出が過去最高を記録
BDW 2023年8月3日
過去のどんな時より、ロシアは対ロシア制裁で潤ったのが現実です。
さらにいえば、
「この戦争が長引けば長引くほど、ロシアにとって経済的に有利であり、軍事面でも西側に対して有利になる」
ともいえます。
西側がウクライナへの兵器の提供で軍事面で疲弊していく中、ロシアの軍事生産力は、この間に驚くほど増強され、ニューヨークタイムズは、「ロシアの弾薬生産量は西側の生産量の 7倍」だと、今年 9月に報じていました。以下の記事に一部を翻訳しています。
(記事)現在のロシアの弾薬生産量は「西側の生産量の7倍」だとニューヨークタイムズが報じる
BDW 2023年9月15日
西側の「疲弊」は、ドイツなどは顕著で、昨年の時点で「ドイツ国内の弾薬が 2日分しかない」ことが判明したり、ドイツのウクライナ戦争での損失が「 1年で25兆円になる」と見積もられていたりという、ブレインデッド政策(場合によってはスーサイド政策)の一端が垣間見られます。
それぞれ以下にあります。
(記事)ウクライナに武器を支給し続けた結果、ドイツの自国の弾薬は「戦時での1日か2日分」となってしまいました
BDW 2022年10月11日
(記事)ドイツのウクライナ戦争での損失は「2023年だけで25兆円に」と試算
BDW 2023年2月15日
今回のウォールストリート・ジャーナルの記事の寄稿者は、「西側は、魔法から目ざめて、その現実に気付かなければならない」と述べている内容です。
しかし、現時点では、特に食糧安全保障とエネルギーの問題については、もう西側とロシアは差がつきすぎている気はします。
それにしても、最近は、欧米のメジャーメディアの「報道の方向」がやや変化している感じはします。
英国のテレグラフは、最近立て続けに、コロナワクチン被害者の実相を報道し続けていて、それを米 Yahoo! ニュースが転載したりもしています。
以下などにあります。
(記事)アストラゼネカ社ワクチン接種後に「脳機能と視力を失った」男性の2年半の記録
地球の記録 2023年11月15日
これは障害の原因がワクチンだと「断定」しているものであり、また、政府の対応を激しく非難していたりと、少し前までとは「やや違うなあ」と思いました。
ドイツの新聞なんかは、最近「インフルエンザワクチンの無効性」について明確に報じています。以下に一部があります。
(記事)「インフルエンザワクチンは高齢者や小さな子どもには完全に無意味」という米国の論文を取り上げたドイツの新聞
BDW 2023年11月17日
いまだに、あらゆるワクチン接種を推奨しているような日本の報道メディアはどうなのかよくわからないですが、全体として、少しでも報道の傾向が変化していくといいですね。
世界的なメディア統制能力に「何か起きている」のかもしれないですが、そのあたりは私たちにはわかりようがありません。
ここからウォールストリート・ジャーナルの記事です。
ロシアの敗北についての魔法のような考えを終わらせる時が来た
プーチン大統領は、ウクライナ侵攻を阻止しようとする西側諸国の制裁に耐え、その権力の掌握は強固だ。米国とその同盟国は封じ込めるための新たな戦略を必要としている。
It’s Time to End Magical Thinking About Russia’s Defeat
wsj.com 2023/11/16
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