(以下引用)
南アで暴動、死者72人 前大統領の収監に抗議
南アフリカで、ジェイコブ・ズマ前大統領の収監に対する暴力的な抗議活動が起きており、13日までに72人が死亡した。
クワズール・ナタール州とハウテン州の主要都市や小さな町では、放火や高速道路の封鎖、企業や倉庫で略奪が起きた。
BBCはダーバンで、1階の店舗が略奪被害に遭い、火災に見舞われたビルから赤ちゃんが投げ下ろされる瞬間を撮影した。
12日夜にはソウェトのショッピングセンターで略奪が起き、10人が死亡した。
ズマ前大統領は先月、憲法裁判所から法廷侮辱罪で禁錮1年3カ月の実刑判決を言い渡され、今月7日に警察に出頭した。
1200人以上を逮捕
先週から続く暴動に対処するため、軍が動員されている。
警察は声明で、暴動を誘発した疑いのある12人を特定し、合わせて1234人を逮捕したと発表した。
シリル・ラマポーザ大統領は今回の暴動について、アパルトヘイト(人種隔離)が廃止される前の1990年代以降で最悪の暴力行為だとしている。
閣僚たちは、このまま略奪が続けば、基本的な食料供給が止まる恐れがあると警告しているが、緊急事態宣言を発令する可能性は排除している。
赤ちゃんはどうなったのか
クワズール・ナタール州沿岸部に位置するダーバンのビジネス街で13日、複数の人がアパートに取り残された。上階から赤ちゃんが投げ下ろされ、路上に集まっていた人々が抱きとめた。
スミス・ストリートにあるこのアパートの火災は、1階の店舗を襲った人物が火を放ったことで発生した。
BBCのノムサ・マセコ南ア特派員によると、赤ちゃんを受け止めた通行人や近所の人たちは、子供を含むほかの住人が脱出できるように急いではしごを取りに行ったという。
その後、赤ちゃんと母親は再会したが、母親は感極まって話が出来ない状態だった。
約20分後に救助隊が到着し、消火にあたった。
被害状況は
米通信社ブルームバーグは「Business Leadership South Africa」の最高経営責任者(CEO)の話として、12日午後までに200以上のショッピングモールが略奪に遭ったと伝えた。
南アフリカ最大の郡区で、アパルトヘイトへの反対運動を主導した故ネルソン・マンデラ氏がかつて暮らしていたソウェトでは、一部のショッピングセンターが略奪被害に遭い、ATMが破壊された。レストランや酒店、衣料品店などもめちゃくちゃにされた。
軍と警察は連携し、暴徒数人を拘束。合わせて800人近くが逮捕され、法執行機関が数で圧倒しているとみられる。
前大統領はなぜ収監されたのか
ズマ氏は先月、大統領時代の汚職疑惑をめぐる調査委員会への出席に応じなかったことから、憲法裁判所に法廷侮辱罪で有罪判決を言い渡された。
ズマ氏は汚職を否定しており、判決の取り消しあるいは減刑を望んでいる。しかし法律の専門家は、そうなる可能性は低いとしている。
アヤンダ・ドロドロ安全保障相は、ズマ氏と関係のある元治安当局者が暴力行為を扇動したとの情報を受け、「事実と作り話の選別に追われている」と述べた。
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