マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-9457ea.html
<転載開始>

2023年3月14日
Moon of Alabama


 とうとうウクライナ軍の実態に関するいくつかの真実が主流メディアに忍び込みつつある。我々が何度も説明した通り現状は実に酷いが、まだ完全には暴露されていない。


 ワシントンポストはこう書いている。


 ウクライナは損失により熟練した軍隊と軍需品が不足し悲観論が高まっている


 プロパガンダ部分は省き事実の核心に触れたい。引用は長いが恐ろしい状況のひどさを把握するには必要だ。


 冒頭段落:


 かつてロシアに対しかなり優位と考えられていたウクライナ軍の質は、最も経験豊富な兵士の多くを戦場から奪ったこの一年の死傷者により低下し、一部のウクライナ当局者は、待望の春季攻勢を開始するキーウの準備態勢に疑問を呈している。


 春の攻勢は、バフムート封鎖を解除するための発表された救援作戦と同時に起きる可能性がある。後者は泥に悩まされており、今後数週間は悪化するだけだ。


 春の作戦は、なじみのない武器の途方もない組み合わせを使うほやほやの新兵で行われる。いくつか「欧米」の驚愕作戦がない限り、十分に準備されたロシア防衛線をどのように圧倒できるかわからない。



 記事に戻ろう。


 現場の軍人によると、損失を埋めるため連れてこられた経験の浅い新兵の投入は、砲弾や迫撃砲爆弾を含む基本的弾薬不足にも苦しむウクライナ軍の様相を変えた。


 「戦争で最も価値があるのは戦闘経験だ」とウクライナの軍事プロトコルに従ってコールサイン、クポルで識別される第46空襲旅団の大隊司令官は言った。「6か月の戦闘を生き延びた兵士と射撃場から来た兵士は全く違う兵士だ。天と地の差だ。


 「そして戦闘経験のある兵士はごくわずかだ」とクポルは付け加えた。「残念ながら、彼らは皆既に死んだか負傷している。


 そのような厳しい評価は、ほとんど暗黙のうちに最前線から首都キーウの権力層に明白な悲観論を広めた。


 ウクライナの損失は死者10万人より20万人に近く、更に多くの負傷者を出したと推定されており、特に下級指揮官レベルで感じられる。セールスマンや教師を街頭から連れて行き、下級指揮官役をさせるのは無理だ。


 クポルは、ウクライナ軍のより良い訓練をワシントンから確保することを期待して発言しており、来る反撃のため確保されているウクライナ軍が、現在彼の指揮下で前線に配置している経験の浅い兵士よりも多くの成功を収めることを望んでいると述べた。


 「常に奇跡を信じている」と彼は言った。「虐殺と死体になるか立派な反撃になるかだ。選択肢は二つだ。反撃はそのいずれかだ。」


 反撃が虐殺以外のものになるには確かに奇跡が必要だ。


 匿名を条件に率直に語ったあるウクライナ政府高官は欧米が約束した戦車の台数を「お印的な」量だと呼んだ。他の人々は個人的に、約束の物資が時間内に戦場に到達することにさえ悲観論を表明した。


 「より多くの資源があれば、もっと積極的に攻撃する」と高官は言った。「資源が少なければ、より防御的になる。我々は防御する。ですから、個人的に尋ねられれば、私は大規模反撃は信じない。私は信じたいが資源を見て「これで?」と自問する。我々は局所的にはいくつか成功するかも知れない。」


 「我々には要員も武器もない」と高官は付け加えた。「そして我々は比率を知っている。攻撃時には2倍か3倍の人員を失う。そんなに多くの人員を失うわけに行かない。」


 アメリカは「ウクライナがそれだけの損失を被る余裕がある」かどうか尋ねるつもりはない。彼らは準備段階から脱出する可能性さえほとんどない大規模攻撃を推進する。


 写真撮影に同意し、率直な評価をしたことで個人的批判に直面する可能性があるのは理解していると言ったクポルは、手榴弾を投げたことがなく、砲撃下ですぐに陣地を放棄し、銃器の取り扱いに自信がない新たに徴兵された兵士たちと戦うと述べた。


 彼の部隊は都市を占領したロシア軍に包囲された後、冬にウクライナ東部のソレダールから撤退した。クポルはロシアのワグナー傭兵集団に対して兵士たちが前進する中、彼の大隊と共に戦う部隊の何百人ものウクライナ兵が直ぐさま陣地を放棄したのを思い出す。


 一年の戦争後、クポル中佐は、彼の大隊は見分けがつかないと言った。約500人の兵士のうち約100人が戦死し、更に400人が負傷し、完全な再編成になった。クポルは自分が大隊で唯一の軍事専門家だと述べ、経験の浅い兵士だけで編成された部隊を率いる苦闘を説明した。


 「私は100人の新兵を受け取った」とクポルは言った。「連中は私に彼らを準備する時間を与えてくれない。連中は「彼らを戦いに連れて行ってくれ」と言う。彼らは全てを放り投げて走る。そうなのだ。なぜかわかりますか? 兵士は撃たないのです。私は彼に理由を尋ねると、彼は「私は銃撃の音が怖いです」と言う。そして何らかの理由で彼は手榴弾を投げたことがない。...すべての訓練センターにNATO教官が必要で、教官をを塹壕に派遣する必要がある。連中は仕事に失敗したのだから。」


 彼はアメリカ製MK19用の迫撃砲爆弾や手榴弾の不足など深刻な弾薬不足について説明した。


 「あなたは最前線にいる」とクポルは言った。「連中はあなたに向かって来る、そして撃つものが何もないのだ。」


 キーウは組織的な形で新しい軍隊をより良く準備するのに集中する必要があるとクポルは述べた。「我々がしているのは、インタビューをして、我々は既に勝ったと人々に伝えることだけだ。ほんのわずかで、二週間で我々は勝つ」と彼は言った。


 そう、キーウは'欧米'マスコミに助けられて、可能性が低い勝利について語っているのだ。現場の見解は大きく異なる。


 安全上の理由からポスト紙が名前だけ書いているウクライナ兵ドミトロは多くの似たような状況を説明した。ドネツク地域の第36海兵旅団陣地で服務している経験の浅い兵士の何人かは「塹壕を離れるのを恐れている」と彼は言った。時に砲撃は非常に激しく、一人の兵士がパニック発作を起こし「他の連中が彼を抑える」と彼は言った。


 仲間の兵士たちが非常に動揺しているのを初めて見たとき、リスクの現実を彼らに説明しようとしたとドミトロは言った。次には連中は「陣地から逃げた」と彼は言った。


 「私は彼らを責めない」と彼は言った。「彼らはとても混乱していた。」


 そう砲撃ショックは本物だ。砲撃を受けるのは恐ろしいことだ。特に初心者の場合、兵器がなく、反撃する方法もないまま塹壕に座っているのだ。


 ロシア火砲の優位がウクライナの損失がロシア側損失より何倍も多い理由だ。だが歩兵がいて良く訓練されていたにせよ軍の根幹の喪失を補えるものは皆無だ。


 ウクライナは過去9年間、アメリカの訓練を受けた下級将校の多くを失い、侵略開始時にウクライナ人がロシアの敵に差をつけるのを助けた指導者軍団を損なったとウクライナ当局者は述べた。今当局者は軍隊を交代させなければならないと言っている。「彼らの多くは死亡している」と当局者は言った。


 一体何で交代するのだろう? 下士官や大尉を訓練するには何年もかかる。これら階級には現場経験が必要だ。民間訓練はそれを置き換えることはできない。実戦経験のない「欧米」将校が教える三週間コースでは、これを補えない。


 新しい装備と訓練があっても、ロシアが本格的な防御を構築した巨大な前線に沿って攻撃するにはウクライナ軍は不十分だと米軍当局者が考えているため、軍は戦車や装甲車両で突破できる弱点を調査するよう訓練されている。


 弱点はないはずだ。あるいはロシアが意図的に開けたままにして、ウクライナの「反撃」を引き込み、それを一つの大釜に閉じ込めるものがあるかもしれない。


 ウクライナにとっては終わりだ。ロシア軍はウクライナ軍をいくつか小さな大釜で包囲している。バフムートはその一つにすぎない。南には別の塊がある。更に南にあるアンヴィウカも大きな問題を抱えており、3つのうち最初に陥落するかもしれない。



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 ニューヨークタイムズさえそれに気づき始めている


 北のクピアンスクから南のアウディーイウカまで、バフムート、ライマン、その間の数十の町を通って、ロシア軍はウクライナ東部の160マイルの弧に沿って攻撃しており、可能性がある春攻勢前に戦術的優位をめぐる戦闘は激化している。月曜日、昨年ほとんどの間最前線にあり、最近再び戦闘の焦点となっている町アウディーイウカとその周辺で激しい戦闘が報告された。
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 ロシア人軍事ブロガーによると民間軍事企業ワグナーが都市東側の支配を掌握したバフムートでは街頭や爆破された建物の残骸や鉱山の地下深い迷路で残忍な戦闘が行われている。
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 クピアンスクと周辺の村ではロシアが砲撃を強化し地上攻撃を探っており、ウクライナは民間人に退去を命じた。ロシア砲撃はライマンや他の町でも激化した。ウクライナ軍によると、ロシア軍は毎日100回以上彼らの前線を突破しようとしている。


 人や無傷の建物がほとんどないため、最も激しく争われている場所はドンバスとして知られる東部地域全体を占領する目標にとってクレムリンが重要と見なす道路や鉄道の支配を超えて提供できるものがほとんど残っていない。また攻撃は次の攻撃のためのより良い陣地、相手側の立場とプロパガンダ価値に関する情報をもたらす可能性がある。


 NYTは言及していないが、最も重要なのは、これら全ての攻撃でロシア軍がウクライナ軍を破壊していることだ。


 数週間以内に、これら3つの大釜が崩壊した後、ウクライナ軍は逃走するだろう。それまでに夏になり、泥は乾くだろう。その後ロシア軍はより機動性が高くなり、より広い「大きな矢」の動きさえできる可能性がある。


 ウクライナ軍がこれらの動きに対抗する唯一の方法は、現在「反撃」の準備をしている部隊を防衛編成として使用することだ。


 しかし、それでも避けられない崩壊が到来するまで、あと3か月ほどしかない。


記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/03/ukraine-media-start-to-acknowledge-reality.html#more


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 当然ながら、スコット・リッター氏やダグラス・マグレガー氏のyoutubeでの解説(例えば下記)と辻褄があっている。元総理の指揮のもと、完全な政府広報機関と化した大本営広報部が好んで出演させる属国傀儡軍事評論家が言うことに全く興味はなく、一度も見聞きしていない。


Douglas Macgregor: Zelensky Has Made A Terrible Mistake By Trying To Pin Missile Strikes On Russia



<転載終了>