沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古沿岸に軟弱地盤が広がる問題を巡り、埋め立てが始まる3年前の2015年の段階で、地質調査した業者から地盤に問題があると防衛省沖縄防衛局が報告を受けていたことが27日、分かった。「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念を明記した防衛局の関連文書を共同通信が情報公開請求で入手した。政府はこうした経緯を当時公表していなかった。

米軍普天間飛行場の移設先として埋め立てが進む、沖縄県名護市辺野古の沿岸部。奥は軟弱地盤が存在する大浦湾=2020年4月
© KYODONEWS米軍普天間飛行場の移設先として埋め立てが進む、沖縄県名護市辺野古の沿岸部。奥は軟弱地盤が存在する大浦湾=2020年4月

 玉城デニー県知事は今月25日、「完成の見通しが立たない」として軟弱地盤改良に絡む防衛局の設計変更申請を不承認とした。政府は対抗措置を講じ移設を推進する方針。