【ワシントン中井正裕】インターネット交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは21日、利用者数億人分のパスワードが暗号処理されず、同社社員が閲覧できる状態で社内システムに保管されていたと発表した。パスワードが外部流出したり悪用されたりしたケースは見つかっていないとしている。対象者に通知して注意を呼び掛ける。
フェイスブックは世界で20億人規模のユーザーを抱えるが、最近は収集した利用者の個人データや通信履歴の管理態勢のずさんさが相次いで発覚している。
パスワードが閲覧可能となっていたのは、フェイスブック利用者数千万人▽写真共有アプリ「インスタグラム」利用者数万人▽通信環境の良くない国で提供されている簡易型SNS「フェイスブック・ライト」の利用者数億人――に上る可能性がある。
フェイスブックは通常、利用者のパスワードを暗号化して社員が閲覧できない状態にしているが、今回は一部のパスワードが閲覧可能なテキストの形式で保管されていたという。1月の社内検査で発覚し、すでに問題を解消した。
この問題をフェイスブックの発表前に報じた米ネットメディア「クレブス・オン・セキュリティー」は、フェイスブック関係者の話として、閲覧可能だったパスワードは2億~6億人分で、ずさんな保管は少なくとも2012年から行われていたという。
フェイスブックを巡っては昨春、最大8700万人分の利用者の個人情報が英国の調査会社に不正利用されていたことが判明。昨秋には利用者約2900万人の個人情報がハッカーに流出するなど、個人情報を巡る不祥事が相次いでいる。
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