政府への抗議活動で緊張が高まる香港で16日、駐留する中国の人民解放軍の軍人らが駐屯地を出て、学生らが路上に設置した障害物を撤去する活動に参加した。6月に拡大したデモに関連して軍の駐留部隊が動くのは初めて。駐留部隊の存在を示し、デモ隊を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。民主派は、デモ鎮圧のため軍が出動する布石になると警戒を強めている。
香港メディアによると、16日夕、香港に駐留する解放軍の数十人が、道路を封鎖している柵やれんがを取り除く作業にTシャツと短パン姿で加わった。武器は持っていなかった。軍関係者は香港メディアの取材に「自発的に参加したもので、香港の安定が目標だ」と語り、「ボランティア」としての参加であることを示唆した。
香港の「憲法」にあたる香港基本法は、駐留部隊は治安維持や災害救助を目的に香港政府の要請で出動できると定める。ただ、香港政府は今回、解放軍に出動を要請しておらず、軍側が自発的に作業を行ったと説明した。
コメント