個人的なメモだが、他の人にも役に立つかもしれない。
ただ、私は、こうしたものをすべて「病気扱い」することは良し悪しだと思っている。昔なら、ただの「気質」として、ちょっとした変わり者で済んでいたのが、病気や障害扱いされることで「健常者とはまったく違う存在」視されているように思う。
孤独を好む気質の人間、他人との関わりを煩わしく思う人間は昔からたくさんいたはずで、そういう人間がしばしば偉大な芸術を作ってきたりしたのではないか。
人間の「気質」まで統一するべきだという「見えない全体主義」が現在の社会の風潮の中にあるように思う。
なお、下の記事には説明が無いが、「スペクトラム」は多分「全域」の意味かと思う。ゼロゼロセブンの「スペクター」を想像させるが、あれは「幽霊」「化け物」の意味らしい。
(以下引用)
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)
自閉症スペクトラム障害とは?アスペルガー症候群、自閉症の違いは?用語を解説
目次
自閉症スペクトラム障害、自閉症、アスペルガー症候群など、様々な呼び方があり、混乱する方も多いと思います。今から一つずつ解説していきます。
1. 自閉症とは?
まず「自閉症」という概念は、1943年にアメリカの精神科医、カナーによって「情緒的接触の自閉的障害」を示す子どもについての論文が出され、1944年に「早期幼児自閉症」と呼ばれたことが始まりです。紹介された症例は、現在で言う「自閉症」に相当します。原因の研究は少しずつ進んでいましたが、当時は自閉症の原因は親の育て方が悪いという考えが一般的で、自閉症の子どもの親が周りから責められたり、親自身も思い悩んでいたという辛い過去の歴史があります。その後自閉症は教育の問題というよりは「言語や認識の発達の問題」であると理解されるようになり、脳の機能的障害も関係していることが分かってきました。
自閉症は3つの特徴として、「対人関係の問題」「コミュニケーション能力の問題」「限定された物事へのこだわり」があります。また知的障害を伴なう場合と伴わない場合があり、知的障害を伴う場合は幼児期の言葉の発達の遅れで発見されることが多いです。
2. アスペルガー症候群とは?
一方で「アスペルガー症候群」という概念は、1944年にオーストリアの小児科医、アスペルガーによって「小児の自閉的精神病質」というタイトルの論文が出されたことが始まりです。このとき報告された患者が、今で言う「アスペルガー症候群」に相当します。ほぼ同時期に「自閉症」と「アスペルガー症候群」の最初の報告がなされたのですが、カナーの論文が有名になって「自閉症」として世の中に広まって研究が進んだのに対して、アスペルガーの論文は陽の目を見ませんでした。
しかし19世紀後半になると、言葉の発達の遅れがないために「自閉症」とは診断されませんが、「対人関係の問題」「コミュニケーション能力の問題」「限定された物事へのこだわり」といった自閉症と同じ特徴を持つため、学校や社会で生きていくのに困難を抱えている人たちがいることが注目され始めました。そのような中、1981年にイギリスの精神科医、ウィングがアスペルガーの論文を再発見し、そういった人たちに対して「アスペルガー症候群」という呼び名をつけたのです。
アスペルガー症候群も自閉症と同様に、「対人関係の問題」「コミュニケーション能力の問題」「限定された物事へのこだわり」という3つの特徴があります。そういった特徴が原因で、友達付き合いが上手くいかなかったり、社会での生きづらさを感じたりします。診断されないまま大人になる人も多く、うつ病などの二次障害を発症して発見される人もいます。
3. 高機能自閉症とは?
「高機能自閉症」とは知的な障害を合併していない自閉症のことです。今ではあまり使われなくなってきているのですが、「アスペルガー症候群」とほぼ同じものとして考えてください。
4. 広汎性発達障害とは?
幼児期から強い症状をあらわす「自閉症」と、気付かれないままに社会で働いている人もいる「アスペルガー症候群」は、別の病気として分類されていました。しかし自閉症とアスペルガー症候群は、同じ特徴を兼ね備えているため連続していて、一つのグループとして考えるようになり、「広汎性発達障害」という概念でひとまとめにされるようになりました。
5. 自閉症スペクトラム障害とは?
「自閉症スペクトラム障害」は比較的新しい概念です。従来より関係性が深かった自閉症とアスペルガー症候群を包括する概念として誕生しました。「広汎性発達障害」とほとんど同じと考えれば大丈夫です。世界的に使用されている精神科領域の診断基準としてDSMというものがあります。2013年に公開されたDSM-5では、自閉症やアスペルガー症候群という用語がなくなり、「自閉症スペクトラム障害」としてひとまとめにされました。
6. 発達障害とは?
生まれつき脳の機能異常があり、発達の遅れが生じる障害です。知的障害とは違うので、発達障害単独では言葉の遅れもありませんし、知能は他の子どもと変わりはありません。知的障害を合併する場合もあれば、発達障害による生きづらさやストレスをきっかけとしてうつ病などの精神疾患を合併する場合もあります。
発達障害には次のようなものが含まれます。
- 自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害):自閉症、アスペルガー症候群(高機能自閉症)
- 学習障害(LD)
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
それぞれの発達障害は、「知的障害」を合併することもあります。
7. 診断基準(DSM-5とICD-10)について
精神科領域の病気は診断したり、診断基準を定めたりするのが難しいです。一般的な体の病気と比べると、数値や画像(レントゲンやCT、MRI)、外見的な見た目では分かりにくいため、一つの病気を定義するのに苦労するのです。似たような2つの病気があった場合、その境界を決めるのに苦労します。一人ひとりに目を向ければ、その境界線上の症状の人をどちらの病気に診断するのかと必ず悩みます。
そういった背景があるので、精神科の病気は歴史と共に病名が変化していきますし、それに伴って様々な用語があらわれ、消えていきます。また病気のグループも同様で、新しいものができ、変化し、消えていくものもあります。
自閉症、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム障害に関連した病気の概念を整理する上では、精神科領域の診断基準として2つの分類があることを理解する必要があります。1つは「自閉症スペクトラム障害」のところで紹介した、アメリカ精神医学会による「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」です。あと1つは世界保健機関(WHO)による「ICD-10(国際疾病分類第10版)」です。
ICD-10では「広汎性発達障害」というグループの中に、
- 自閉症
- アスペルガー症候群
という分類があります。
一方DSM-5では「自閉症スペクトラム障害」という新しい概念を採用しています。DSM-4で「自閉症」「アスペルガー症候群」と名づけていたものを「自閉症スペクトラム障害」という1つの病気としてひとまとめにしているのです。
今後「自閉症スペクトラム障害」という概念はもっと広まっていくと予想されます。しかし「自閉症スペクトラム障害」と一括りにしてしまっても、幼児期で強い症状があらわれる「自閉症」と、気付かずに普通に学校に行って、社会で働いているけど困りごともある「アスペルガー症候群」ではだいぶ様子が異なります。
8.まとめ
「自閉症スペクトラム障害」「自閉症」「アスペルガー症候群」などの用語、診断基準にについて、歴史を交えながら解説してみました。世の中の病気は、医学の進歩とともに名前が変わることが多いのですが、その中でも精神科の病気は変化が大きい分野の一つです。色んな用語があって混乱する人は、一つずつの用語を知って整理してみましょう。
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