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徽宗皇帝のブログ

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理性と合理の「暴力性」
私は適菜収という人物の顔が嫌いなので、その文章もまともに読んだことは少ないが、ここに書かれた内容の中で、「保守」の定義が面白いので、考察材料にしてみる。その部分を先に少し引用しておく。
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 本来、保守とはこうした歪んだ思考を戒める態度のことである。それは復古でも右翼でもない。近代の不可逆的な構造を理解した上で、近代内部において理性や合理の暴力に抵抗するのが保守である。保守思想に関する文献を読めば、日本で「保守」とされているものが、その対極であることがわかる。保守は人間理性を信仰しないので権力を警戒する。よって権力の分散を説いてきたが、エセ保守は逆に権力に迎合する。
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近代内部において理性や合理の暴力に抵抗するのが保守である」という定義は初めて見た。何か、文献的根拠があるのだろうか。あるにしても、あまり使われる定義でないのは確かだろう。しかし、面白い定義である。まず、保守とは「近代化への抵抗」であり、近代化とは「理性や合理の支配」である。そして、ここが一番大事だが、「理性や合理の暴力性」への言及は特に珍しい。なぜ「暴力」的なのかと言うと、「一切の批判を許さない」からであり、理性や合理に対しては「一切の批判が不可能」だからだ。
ところが、現実には理性や合理で物事が決まるわけではない。その最大のものは「恋愛」である。恋愛には理性や合理はほとんど関係しない。関係するなら、それは打算になる。(近代以前の結婚は基本的に打算であり、恋愛は遊女の心中だけだ、という説がある。心中は、まさに理性と合理を超えた、感情の勝利だろう。)
そしてまた、現代では恋愛がどんどん消滅しているとすれば、それはまさに「理性と合理」の勝利であり、理性の悪魔が高笑いするのではないか。
ついでながら、理性と合理を疑うならば、「馬鹿」にも存在価値はあるわけで、この記事のタイトルの「それでもバカとは戦え」は矛盾している気がするwww もちろん、それも「バカ」の定義次第である。私は「悪党」はたいてい頭はいいと思っている。しかし、人生方針として悪を選んだ時点でバカだとも思っている。


(以下記事全文引用)


多幸感に包まれて自画自賛を繰り返す…権力に迎合する「エセ保守」の異常 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/312166
2022/10/01 日刊ゲンダイ



27日国葬の当日、反対派と賛成派の両方が集まり、騒然とする東京・九段下駅前(C)日刊ゲンダイ


 自称保守向けの某月刊誌の目次を見て驚いた。そこには〈国葬反対派はバカか売国奴〉〈日本を蝕む「アベガー」というカルト〉〈国葬反対派は極左暴力集団〉といった見出しが並んでいる。「日本を蝕むカルト」は一体どちらなのか?


 主要メディアの調査のほとんどで国葬反対派は賛成派を上回っており、直近のFNNの調査では賛成が31.5%で反対は62.3%。この類いの連中は、日本人の62.3%が、バカで売国奴で極左暴力集団とでも言うのか。思考停止した連中が徒党を組むと、自分たちの異常さに気づかなくなる。都合のいい情報しか耳に入らなくなり、現実との接点を失い、濃縮されたカルトになっていく。だから安倍というカルト体質の男と親和性があったのだろう。


 本来、保守とはこうした歪んだ思考を戒める態度のことである。それは復古でも右翼でもない。近代の不可逆的な構造を理解した上で、近代内部において理性や合理の暴力に抵抗するのが保守である。保守思想に関する文献を読めば、日本で「保守」とされているものが、その対極であることがわかる。保守は人間理性を信仰しないので権力を警戒する。よって権力の分散を説いてきたが、エセ保守は逆に権力に迎合する。そして権力と一体化したかのような多幸感に包まれ、自画自賛を繰り返す。自分が大好きで、日本はすごい国と信じ込み、生温かい世界に引きこもる。論理的な整合性が取れなくなれば陰謀論に逃げ込み、惨めな、卑小な、卑劣な自分たちのメンタリティーをごまかすために、その鬱憤を近隣諸国や社会的弱者にぶつける。


 今回の統一教会との癒着問題を抜きにしても、安倍がやったことは国や社会、法の破壊に他ならなかった。この日本を三流国家に貶めた国賊に、黄色い声援を送ってきたのが自称保守論壇である。要するに、現在のわが国では「バカ」が保守を名乗っている。言葉の混乱は社会の混乱につながる。よって言葉の定義を正確な形に戻すべきだ。保守の2文字を「バカ」に置き換えるといろいろなことがすっきりする。〈保守論壇→バカ論壇〉〈保守合同→バカ合同〉〈親米保守→親米バカ〉〈保守本流→バカ本流〉。そして本来の意味における保守のみを「保守」と呼ぶことにすれば無用な混乱を避けることができる。



適菜収 作家


近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中
 


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