櫻井ジャーナルさんのサイトより
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611200000/
<転載開始>
ドナルド・トランプは主導権を維持しているようで、ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力はカラー革命を目論んでいる可能性が高い。こうした勢力はトランプに「ネオ・ナチ」で白人至上主義者だというタグをつけ、ウラジミル・プーチン露大統領に対する敵視を隠していない。来年1月に予定されている大統領就任式を正常な形で行わせないようにしようという呼びかけもなされている。
クリントンを大統領に就任させようとしていた富豪、例えばジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーたちは11月13日から3日間、ワシントンDCのマンダリン・オリエンタル・ホテルで非公開の会議を開いた。トランプ政権を乗っ取る動きも見られるが、今のところ成功していないようで、旧ソ連圏で実行されてきた「カラー革命」や中東/北アフリカで展開された「アラブの春」と同じことをアメリカでも目論んでいるようだ。
ヒラリー・クリントンを担いでいた好戦派は1999年3月にNATO軍を使ってユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。ビル・クリントン政権の2期目が始まった1997年1月に国務長官が戦争に消極的なウォーレン・クリストファーからズビグネフ・ブレジンスキーの教え子でヒラリー・クリントンと親しい好戦派のマデリーン・オルブライトに交代したことが攻撃の背景にある。
この時に国防副長官の首席補佐官だったビクトリア・ヌランドは2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを現場で指揮していた。クーデターが始動したのは2013年11月21日。キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まったところから始まる。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611200000/
<転載開始>
ドナルド・トランプは主導権を維持しているようで、ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力はカラー革命を目論んでいる可能性が高い。こうした勢力はトランプに「ネオ・ナチ」で白人至上主義者だというタグをつけ、ウラジミル・プーチン露大統領に対する敵視を隠していない。来年1月に予定されている大統領就任式を正常な形で行わせないようにしようという呼びかけもなされている。
クリントンを大統領に就任させようとしていた富豪、例えばジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーたちは11月13日から3日間、ワシントンDCのマンダリン・オリエンタル・ホテルで非公開の会議を開いた。トランプ政権を乗っ取る動きも見られるが、今のところ成功していないようで、旧ソ連圏で実行されてきた「カラー革命」や中東/北アフリカで展開された「アラブの春」と同じことをアメリカでも目論んでいるようだ。
ヒラリー・クリントンを担いでいた好戦派は1999年3月にNATO軍を使ってユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。ビル・クリントン政権の2期目が始まった1997年1月に国務長官が戦争に消極的なウォーレン・クリストファーからズビグネフ・ブレジンスキーの教え子でヒラリー・クリントンと親しい好戦派のマデリーン・オルブライトに交代したことが攻撃の背景にある。
この時に国防副長官の首席補佐官だったビクトリア・ヌランドは2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを現場で指揮していた。クーデターが始動したのは2013年11月21日。キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まったところから始まる。
それから間もない12月13日、ヌランドは米国ウクライナ基金の大会で演説、ソ連が消滅した1991年からウクライナへ50億ドルを投資したと発言している。その際、彼女の背後には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。
東部や南部で支持されて大統領に就任したビクトル・ヤヌコビッチの打倒をキエフ周辺の親EU派が目論んだのだが、EUは話し合いでの解決を模索する。そうした動きに怒ったのがヌランドで、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使との電話会談で「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という言葉を口にしている。
この発言は何者かが盗聴、2月4日にインターネット上へアップロードされて発覚した。その会話の中でふたりは「次期政権」の閣僚人事について話し合っていた。政権の打倒が見通されている。ヌランドが高く評価していたアルセニー・ヤツェニュクはクーデターの後、首相に就任した。
その後、キエフはヌランド好みの暴力に支配される。広場ではネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)のメンバーが棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始め、2月中旬には2500丁以上の銃が持ち込まれ、狙撃も始まった。
それでもヤヌコビッチ大統領と反政府派の代表は一旦、平和協定の調印にこぎ着けるのだが、その直後に狙撃は激しくなり、「西側」の政府やメディアはヤヌコビッチ側が黒幕だと宣伝。そして23日の憲法を無視した解任につながる。
その2日後にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は反ヤヌコビッチ派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をする。その結果を26日にEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で報告したのだが、それによるとスナイパーは反ヤヌコビッチ派の中にいるというものだった。
「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。それに対し、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と応じた。つまり、事実を隠して嘘を突き通せということだ。
ウクライナをネオ・ナチが支配する3年前の春、リビアとシリアに対する侵略戦争が始まっている。その展開は本ブログで何度も書いてきたので、今回は割愛する。
リビアでムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された翌年、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリア情勢に関してホワイトハウスに報告している。その中で、シリア政府軍と戦っている武装集団はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIが主力だとしている。西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとも伝えた。
その報告では、アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとDIAは予測していたが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になる。
AQIにしろ、アル・ヌスラにしろ、アル・カイダ系武装集団の主力メンバーはサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団で、その背後にはサウジアラビア王室が存在している。このサウジアラビアがアメリカやイスラエルと手を組み、サラフ主義者やムスリム同胞団を使ってシリアやイランの政権やヒズボラを倒そうとしているとシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌の2007年3月5日号に書いている。
リビアでNATO軍とアル・カイダ系武装集団との連携が伝えられたが、その後に新たなタグとしてダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が登場してくる。そのダーイッシュを作る手助けをアメリカがしたと米空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月にテレビで発言した。
また、その年にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。
トランプが安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン中将は2012年7月から14年8月までDIA局長を務めていた。つまり、ダーイッシュの勢力拡大を予測していた報告が作成されたのはフリンが局長だった時代であり、オバマ政権とアル・カイダ系武装集団やダーイッシュとの関係を熟知しているはずだ。
フリンはデンプシー大将と同じようにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険であり、ロシアと連携すべきだと考えていた。今でも同じだろう。トランプの発言はそうした考え方と合致している。
逆にクリントンの周辺はアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュやネオ・ナチを手先として使って破壊と殺戮を繰り返し、ロシアや中国を屈服させようと軍事的な圧力と強めて核戦争の危険性を高めている。
日本やアメリカのメディアなどではクリントンでなくトランプを強硬派だと表現する。クリントンの周辺にいる好戦派が手先として利用している武装集団に対する攻撃を強行する勢力だということなのだろう。
東部や南部で支持されて大統領に就任したビクトル・ヤヌコビッチの打倒をキエフ周辺の親EU派が目論んだのだが、EUは話し合いでの解決を模索する。そうした動きに怒ったのがヌランドで、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使との電話会談で「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という言葉を口にしている。
この発言は何者かが盗聴、2月4日にインターネット上へアップロードされて発覚した。その会話の中でふたりは「次期政権」の閣僚人事について話し合っていた。政権の打倒が見通されている。ヌランドが高く評価していたアルセニー・ヤツェニュクはクーデターの後、首相に就任した。
その後、キエフはヌランド好みの暴力に支配される。広場ではネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)のメンバーが棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始め、2月中旬には2500丁以上の銃が持ち込まれ、狙撃も始まった。
それでもヤヌコビッチ大統領と反政府派の代表は一旦、平和協定の調印にこぎ着けるのだが、その直後に狙撃は激しくなり、「西側」の政府やメディアはヤヌコビッチ側が黒幕だと宣伝。そして23日の憲法を無視した解任につながる。
その2日後にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は反ヤヌコビッチ派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をする。その結果を26日にEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で報告したのだが、それによるとスナイパーは反ヤヌコビッチ派の中にいるというものだった。
「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。それに対し、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と応じた。つまり、事実を隠して嘘を突き通せということだ。
ウクライナをネオ・ナチが支配する3年前の春、リビアとシリアに対する侵略戦争が始まっている。その展開は本ブログで何度も書いてきたので、今回は割愛する。
リビアでムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された翌年、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリア情勢に関してホワイトハウスに報告している。その中で、シリア政府軍と戦っている武装集団はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIが主力だとしている。西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとも伝えた。
その報告では、アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとDIAは予測していたが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になる。
AQIにしろ、アル・ヌスラにしろ、アル・カイダ系武装集団の主力メンバーはサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団で、その背後にはサウジアラビア王室が存在している。このサウジアラビアがアメリカやイスラエルと手を組み、サラフ主義者やムスリム同胞団を使ってシリアやイランの政権やヒズボラを倒そうとしているとシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌の2007年3月5日号に書いている。
リビアでNATO軍とアル・カイダ系武装集団との連携が伝えられたが、その後に新たなタグとしてダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が登場してくる。そのダーイッシュを作る手助けをアメリカがしたと米空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月にテレビで発言した。
また、その年にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。
トランプが安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン中将は2012年7月から14年8月までDIA局長を務めていた。つまり、ダーイッシュの勢力拡大を予測していた報告が作成されたのはフリンが局長だった時代であり、オバマ政権とアル・カイダ系武装集団やダーイッシュとの関係を熟知しているはずだ。
フリンはデンプシー大将と同じようにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険であり、ロシアと連携すべきだと考えていた。今でも同じだろう。トランプの発言はそうした考え方と合致している。
逆にクリントンの周辺はアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュやネオ・ナチを手先として使って破壊と殺戮を繰り返し、ロシアや中国を屈服させようと軍事的な圧力と強めて核戦争の危険性を高めている。
日本やアメリカのメディアなどではクリントンでなくトランプを強硬派だと表現する。クリントンの周辺にいる好戦派が手先として利用している武装集団に対する攻撃を強行する勢力だということなのだろう。
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