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徽宗皇帝のブログ

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なぜ橋下の嘘は許容されるのか
佐野研二郎問題(五輪エンブレム問題)で大騒ぎしているネット界について、小田嶋隆師が実に鋭いことを言っている。
これは、橋下だけでなく小泉元首相についても言えることだろう。ネットは小悪党の小さな嘘は微に入り細にわたって穿り出すが、大悪党の絶えざる嘘には(しかもそれが当人の「個性」扱いされれば)ノータッチになっている。「橋下は面白いやっちゃなあ。」で終わり、免罪である。
これは日本社会そのものが腐敗しきってしまったということではないだろうか。そこまでは行かなくても、その寸前にあるのではないか。


(小田嶋隆の「ア・ピース・オブ警句」から抜粋引用)


 私はむしろ、ネット上での論争における揚げ足取りの醜さが、一般の人々をうんざりさせている面の方が大きいのではなかろうかと考えている。

 そうでなくても、ネットで過去発言をチェックしている人たちは、橋下市長のような「大物」を見逃してしまう。


 なぜか。
 それは、橋下市長が秒速で前言を翻し、一歩ごとにウソをつくからだ。


 これほど鮮やかに前言を裏切り続ける人間を相手に、手間のかかる過去発言検証作業をしても、勝ち目は無い。てなわけで、鑑定職人たちは、過去発言を上書きし続ける人間には、原理的に勝てないのである。


 してみると、橋下市長は、ネット時代のスピード言論のチャンピオンということになる。
 私が心配しているのは、ネット論壇の中で、論争が不毛なリンチに成長する場面ばかりを見て育った子供たちが、対話を尊敬しなくなるであろうということだ。


 それ以上に、彼らは、「論理」を、単なる「暴力」とみなすようになるかもしれない。
 実際、ネットの中で多少とも論理的な構えで言葉をやりとりしている人間の多くは、驚くほど攻撃的で、利己的で、狡猾で、冷血だったりする。


 そういう大人になりたいと思う子供が、大量に現れないことを祈りたい。
 子供は、いつの時代も、大人に嫌われている大人のマネをしたがるものだから。

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