日本なら機動隊が即座に出動して、学生たちを棍棒で殴りまくるのではないかwww
(以下「ハフィントンポスト」より転載)
トランプ支持者の大学での講演、抗議デモの暴徒化で中止に 「言論の自由」との矛盾が浮き彫りに
アメリカのカリフォルニア大学バークレー校で2月1日夜、ドナルド・トランプ大統領を支持する右翼ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」編集幹部マイロ・ヤノポロス氏(32)の講演に反対するデモ隊が暴徒化し、講演が中止となった。
バークレー校の共和党支持者団体「バークレー校共和党クラブ」が、ヤノポロス氏を定員500人の講演に招待していた。ヤノポロス氏は、トランプ政権で首席戦略官を務める白人至上主義者のスティーブ・バノン氏率いる「ブライトバート・ニュース」の編集者。SNS上で人種差別的な発言を繰り返し、ユーザーを煽って挑発する「荒らし」としても知られ、Twitterから永久追放された人物だ。
マイロ・ヤノポロス氏
ヤノポロス氏の講演に反対するデモ隊の抗議は1日夜にヒートアップし、大学警察が構内を閉鎖する事態となった。
大学警察は、講演前に1500人ほどの群衆が街灯を倒し、建物に放火し、職員に向かってきたと語った。学生たちがヤノポロス氏に対するデモを宣言していたため、警備は厳重になっていた。
1日夜に暴動が激化したため、警察はキャンパスを封鎖して学生らに避難勧告し、デモ隊に何度もその場を立ち去るように命じた。
大学と警察は当日数十人の警察官を追加配備してなんとか群衆をコントロールしようとしたが、効果はなかった。大学側は声明で「このような脅威、破壊、暴力から秩序を保つのは不可能だった」と述べた。
ヤノポロス氏への抗議に対して複数回命令した。キャンパスを出ること、またはその場に立ち入らないように。
今、街灯が倒れた。こんなに狂ったデモ隊はバークレーで見たことがない。群衆は一気に暴徒化した。
ヤノポロス氏は言論の自由を標榜する自由主義者を自称している。 その信念のもと、「レイプカルチャー(男性が性暴力の深刻さを軽視する風潮)は虚構だ」「トランスジェンダーは精神疾患だ」といった挑発的な発言を拡散させている。
ヤノポロス氏が大学で講演する計画がこのような暴動を招いてしまったことから、国内の他の大学と同じようにバークレー校が抱える難しさが浮き彫りとなった。表現の自由に対する義務と、多様性、寛容との間のバランスをとることの難しさだ。
この問題はバークレー校では特に際立っている。校内での政治活動を制限していた大学の規則に反対した学生が1964年に始めた学生主導の「フリー・スピーチ(言論の自由)運動」の精神を重んじる大学だからだ。
バークレー校の学生サイ・ドゥラさん(30)は、暴力には反対で、平和的な話し合いと「言論の自由」を求めている。
バークレー・シティカレッジの学生アリ―・スミスさん(22)は「破壊行為をした少数の人間たちが、ポジティブだったはずの運動を汚してしまった」と話した。そう話す彼女の周りでは、ブラスバンドが演奏し、大勢の人たちが踊っていた。
「私がこの場所に来た理由はこれなんです。一緒に集まりたい人たちがここにいます」と、スミスさんは言った。「憎しみに憎しみを持って立ち向かうのではなく、安全な場所を作りましょう」と訴えた。
数十人の警察官が、暴動が起きたバークレー校の広場で防衛線を張っている。
「バークレー校共和党クラブ」メンバーは、「抗議デモ参加者が言論の自由を保障した合衆国憲法修正第一項を踏みにじった」と批判した。
「フリースピーチ運動は死んだ。今日、バークレー校共和党クラブが持つ、言論の自由を定めた憲法上の権利は、マイロ・ヤノポロスの講演ツアー阻止を目論んだ犯罪者たちと悪党どもに口封じされた」と、バークレー校共和党クラブは声明で述べた。
「文明社会と、アメリカ中の大学キャンパスでの自由な意見交換を打倒することが、彼らにとっての成功なのだ」
学生と大学職員はこの講演の中止を求めていた。ニコラス・ダークス学長はこれを受けて「ヤノポロス氏の発言内容を理由に中止するのは憲法に反する」と声明を出していた。バークレー校共和党クラブか、ヤノポロス氏を招待した学生クラブだけが、この講演を中止することを許されていた。
「バークレー校で彼のような人物が講演をするのは、ヤノポロス氏が初めてではないし、彼で最後になるわけでもない」、とダークス学長は、声明で述べた。「ヤノポロス氏は、ある意味『楽しませる』ため、そして考え方がシリアスになりすぎるのを避けるために不快な言動を利用する煽り屋であり、扇動家なのだというのが、我々の見解だ」
カリフォルニア大学バークレー校でのヤノポロス氏に対するデモ。「これが我々の社会の姿だ」と唱えるデモ隊。
ヤノポロス氏は、人種差別を煽り、リメイク版「ゴーストバスターズ」に出演した女優レズリー・ジョーンズに女性蔑視の嫌がらせ(トロール)を繰り返し、Twitterから永久追放された。黒人女優のジョーンズは、「ゴーストバスターズ」の主役が全員女性になったことから、ミソジニスト(女性嫌悪の人間)、レイシスト(人種差別主義者)からサルと呼ばれ、尻の写真や卑猥なコラージュ写真などを送りつけられる嫌がらせを受け続け、Twitterの利用を一時断念するところまで追い込まれた。
またヤノポロス氏は、男性のゲーマーが、女性のゲーム開発者を嫌がらせのターゲットにした「ゲーマーゲート」騒動で反フェミニスト派としてSNS上で何千人ものフォロワーを集めた。
この騒動では、女性ゲームデザイナーのゾーイ・クインさんの個人情報が匿名掲示板「4chan」にさらされた。
彼女と交際していたという元ゲームプログラマーによって、ブログで「クインさんがゲームニュースサイト『Kotaku』のジャーナリストと関係を持ち、提灯記事を書いてもらった」といった真偽不明の情報が流され、クインさんはTwitterアカウントを閉鎖してしまった。
また、ゲームでの女性の描き方が性差別だと批判していたアニータ・サーキシアンさんも嫌がらせを受け、殺害予告が出されて講演会が中止になる事件も発生した。
ヤノポロス氏のコメントは、「自分たちの娯楽にポリティカル・コレクトネス(政治的に正しい言動)を持ち込もうとするフェミニストの陰謀が存在する」として不満を抱いていたゲーマーを煽ったのは間違いない。
バークレー校の職員や学生批評家は、ヤノポロス氏は学業の場で話すにはあまりにも知的な議論に欠けていて、ジョーンズへの攻撃など、彼の嫌がらせの行動は、言論の自由に値する有意義なものではない、と述べた。
「ヤノポロス氏は、アメリカの憲法第1条によって守られていますが、彼は意図的に社会から取り残された声をおびき寄せ、それを攻撃対象にし、自分のファンの前で怒りを煽っているのです」と、学生新聞「デイリー・カリフォルニアン」の編集者は語った。
「ヤノポロス氏を招待したバークレー校共和党クラブは、言論の自由やオープンな話し合いを守ることに貢献しているクラブではありません。ヘイトスピーチを正当化するだけでなく、笑いの種にし、その結果起こるダメージからは責任逃れをするための言い訳として、言論の自由を隠れ蓑にしたクラブなのです」
バークレー校構内で抗議するデモ参加者たち
この冬に大学の講演ツアーをしていたヤノポロス氏の周辺では、騒動と暴力がついて回った。1月20日、ワシントン大学で行われたヤノポロス氏の講演会で、会場外でデモをしていた男性が腹を撃たれた。
1月14日には、カリフォルニア大学デービス校の共和党クラブが主催したヤノポロス氏の講演会が、イベント会場への道をデモ隊が封鎖したため中止となった。この講演会には、エイズ治療薬を50倍に釣り上げて販売し、詐欺容疑で逮捕された「薬品業界のお騒がせ男」マーティン・シュクレリ氏も登場していた。
ヤノポロス氏は、12月のウィスコンシン大学ミルウォーキー校での講演で、聴衆の中にいたトランスジェンダーの学生を中傷し、彼女の写真を見せた。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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