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徽宗皇帝のブログ

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コーポレートクラシーと労働条件の慢性的悪化
「阿修羅」から転載。
要するに、社会がコーポレートクラシー(企業主権・企業支配)になったのが、今のアメリカ社会の貧困化(中流社会の没落)の根本原因であり、詳説すれば、下記記事に書かれた労働法その他の蚕食、IT化などのイノベーションによる(とは下記記事では言っていないが、イノベーションは必然的に効率化、つまり雇用縮小を招来する。)雇用縮小とグローバリゼーションによる企業の海外展開、それに伴う賃金低下などだろうか。
これらは前々から私が書いてきたことだが、書くそばから忘れてしまうのである。(笑)記憶力の弱いのは困ったものだ。何かを考えるにもいちいち最初からやり直すのだから、深い思索や遠大な思索などできるわけがない。読む方も、また同じことを言っている、と思っているだろう。
その代り、「ぶれが少ない」という利点はある。私がこれまで書いてきた中で、些細な勘違いを除けば、基本思想において、後で訂正する必要を認めたことはほとんどない。
ほとんど直観的に書いた文章でも、あまり間違ったことは言っていない、というのは自讃できる。まあ、進歩の無い人間だ、とは我ながら思うが、この年になれば退歩しないだけでもたいしたものだろう。
今回は問題提起だけだが、労働条件の慢性的悪化(社会福祉政策を意図的に政治が取らない限り、先進国の宿命と言っていい)を今後どうするかの考察はいずれ、気が向いたらやりたい。


(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。



誰がアメリカンドリームを奪ったのか?(上・下) ヘドリック・スミス著 「普通の人」が没落する社会赤裸々に
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/660.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 3 月 18 日 17:42:26: Mo7ApAlflbQ6s
   
 

 日本も似たような歴史的変遷を遂げてきたというか、米国の後追いを続けてきたのが日本である。

 紹介されている書籍の書名をもじれば、「何が日本の総中流社会を崩したのか?」という問いに答える必要があるのかもしれない。(総中流社会が錯覚であったにしろ、そう表現することにそれほど違和感はなかった)


 「グローバル自由主義」なのか、それとも、「国民経済主義」なのか、国民経済の存在意義や経済政策の基軸といった国家社会の根底をめぐるテーマを議論しなければならない時代になったと考えている。(r>gレベルではなくね)


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[この一冊]誰がアメリカンドリームを奪ったのか?(上・下) ヘドリック・スミス著 「普通の人」が没落する社会赤裸々に


 機会均等を標榜する国、米国。その平等な機会を活(い)かし、勤勉と努力によって成功を勝ち取ることがアメリカンドリームとされる。夢の体現者としては、マイクロソフトを創ったビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズらが挙げられる。


 本書で議論の対象となるのは、そうした一握りの大成功者ではない。ミドルクラス(中間層)と称される、ごく普通の人々による幸福の追求である。彼らは庭付きの家を持って、安定した生活を送ることを夢見て日々、仕事にいそしんでいる。


 このささやかな夢の実現が現在、困難になるだけでなく、中間層の貧困層への没落が進んでいる。ここに超富裕層の誕生が加わり、米国では所得格差がこれまで以上に大きく拡大した。これが著者の見立てである。この診断を基軸に据えて格差社会米国の実相が明らかにされるとともに、しかるべき対策が論じられる。


 普通の人々による夢の実現はなぜ難しくなったのか。大企業による議会への働きかけが奏功し、労働法、破産法、年金制度などが企業に有利となるように次々と改正されたことが指摘される。人員削減が容易になり、企業による年金費用負担も減少した。企業収益が拡大する中で、経営者に支払われる報酬も一挙に増大した。富裕層に対する所得税率の引き下げなどが加わり、大企業の経営トップやウォール街のトレーダーなどを中心に超富裕層が誕生した。


 その一方で、普通の人々の職場であった工場などはグローバル化の流れの中で中国など海外に移転し、就業機会も乏しくなった。事態打開のためにも情報技術(IT)関連の仕事など、いわゆる知識産業での雇用拡大が見込まれた。しかし、これらの仕事もやがて賃金が割安なインドなどに流出したり、外国人労働者によって埋め合わされたりした。


 こうして普通の人々の仕事の多くは米国からなくなり、あったとしても賃金は従来の半分程度まで引き下げられ、彼らの夢を奪ったのである。事態の改善を図る方策として、製造業の復興を目指した産業政策の実施や超富裕者に対する課税の強化などが提案される。


以上が、著者が見立てた超格差社会、米国の姿である。


特に中間層没落の実際が赤裸々に語られる。ただし、産業政策の実施で雇用や賃金が回復し、夢の実現が容易になるとは到底思われない。夢を描けなくなったことが今後、米国社会にどのような影響を及ぼすのか気になるところである。


原題=WHO STOLE THE AMERICAN DREAM?


(伏見威蕃訳、朝日新聞出版・各2000円)


▼著者は米ニューヨーク・タイムズ元記者。著書に『ロシア人』『パワー・ゲーム』などがある。


《評》同志社大学教授 鹿野 嘉昭


[日経新聞3月15日朝刊P.23]

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