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徽宗皇帝のブログ

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トランプによる米中露親和関係という史上初の偉業へ
前の記事ではトランプのダメな点を取り上げたが、その毒消しとして、トランプの良い点を取り上げた記事を転載する。
筆者の遠藤誉女史は理系女子らしく、情緒に流されず客観的な視点を持っていることで私は高く評価している。

(以下「大摩邇」記事の一部を引用)

「米露中vs.欧州」基軸への移行か? 反NEDと反NATOおよびウ停戦交渉から見えるトランプの世界
2025/3/23 遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/75d3ed239476c0ba5fdc5c249d5ecc0be508f736
 トランプ大統領はNED(全米民主主義基金)を財政支援するUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)を解体すべく動き、3月19日には第二次世界大戦後米軍が担当してきたNATO軍最高司令官ポストの放棄を検討しているニュースが流れた。これはNATO解体を示唆する。3月10日にはトランプ政権のシンクタンクがEU解体に向けて動いていると報道されてもいる。

 NED解体、NATO解体は中露両国にとっても実に歓迎すべきことだ。

 加えて、トランプはプーチンとの会談の後に「プーチンとも習近平とも良い関係であり続けたい」という趣旨の発言をしている。中露は、トランプ政権が終われば元のアメリカが戻ってくることを知っているので、中露共同戦線は絶対にやめない。

 ウクライナ戦争停戦交渉においてもトランプは明らかにプーチン寄りだ。

 ゼレンスキー抜きでやってはどうかとトランプに水面下で提案したのも習近平だとウォールストリート・ジャーナルは書いている。

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 そもそもアメリカファーストを唱えるトランプにとって、他国干渉をしてアメリカ式民主主義を他国に押し付けるNEDの動きはトランプの政治信条と矛盾する。

 加えてトランプ1.0の時に朝鮮半島問題を解決してノーベル平和賞を獲ろうと、北朝鮮の金正恩(総書記)と会談していたトランプを阻止したネオコン一派をトランプは憎んでいるだろう。ましてやロシアゲート等によりトランプに対する「魔女狩り」をしたネオコン一派には限りない憎しみを抱いているようだ。何といっても2月28日の米ウ首脳会談で激高したトランプは、ゼレンスキーに対して「魔女狩りでプーチンまで巻き添えにしてしまったんだぞ!」とRussia(ロシア)を4回も連発してプーチンへの同情を露わにした。

 NEDはネオコンの采配下で動いている。トランプは心からNEDを嫌っているので、2月25日にはNEDのウェブサイトに「支援活動を停止する旨の声明」が表明されたほどだ。図表1に示すのは、2月25日のNEDのウェブサイトにおける「支援活動停止声明」である。

図表1:NEDのウェブサイトにある支援活動停止声明

NEDのウェブサイトを基に筆者作成

●プーチン
 プーチンはもちろんNEDを激しく憎んでいる。前述のごとく、NEDがマイダン革命を起こして親露政権を転覆させたのでクリミア半島を占拠した。以来ウクライナにおける親米傀儡政権であったポロシェンコ政権におけるNEDの暗躍は途絶えたことがない。ロシア国内にも入り込んで反政府運動家らを支援している。プーチンにとって、NEDこそは最大の政敵だ。

●習近平
 習近平もプーチンと同じようにNEDを激しく憎んでいる。香港の民主化デモを長年にわたって支援してきたのはNEDだし、今もなお台湾独立を扇動しているからだ。トランプがNED解体に向かって動き始めたことは、習近平にとって、この上ない喜びで、これさえ方針を共有できるなら、他の関税などの貿易問題などは、いくらでも譲歩できるし、また方法もある。

 このように「反NED」に関して「トランプ・プーチン・習近平」は一致しているのである。

◆「反NATO」で結ばれる「米露中」
 「反NATO」に関しても「米露中」の利害は一致している。これも「トランプ・プーチン・習近平」それぞれに関して考察する。

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 ●(司会者の「中国をこの地域から締め出し、ロシアとより緊密な関係を築きたいという願望について話されていたと思いますが」という問いに対してトランプは)、「私は歴史の学生です。オバマが不自然にも中露両国を結びつけ、結婚を強制したのです。(中略)今では中露は友好的で、私は(中露)どちらとも友好関係を築くつもりです。しかし、貿易に関しては赤字を解消しなければなりません。私たちは現在、中国との赤字が1兆ドルを超えています。それに関しては(友好関係を保ちつつ、別途)何かをするつもりです。(要約以上)

 これは「トランプがウクライナ停戦問題を急ぐのは、早期解決したあとに中国攻撃に集中するためだ」という主張を真っ向から否定する。

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 実はあの激しい嫌中派のルビオ国務長官さえ、「トランプがプーチンに近づいているのは逆ニクソンではない」、すなわち「中露離間を図るものではない」と明言していると、ブルームバーグが報道している

 その意味ではトランプ2.0で、「米露中」基軸構想が暗黙の裡にコンセンサスを得ているのかもしれず、したがって世界は「米露中vs.欧州」への地殻変動へと動いているのかもしれない。

 なお、大統領選の時にトランプが暗殺に遭った後、プーチンがトランプのために教会に行きお祈りをしたと、3月21日になってウィトコフ中東担当特使が明らかにした。それを知ったトランプは感動したとpoliticoが伝えている。トランプとプーチンが深い友情で結ばれ、一方ではトランプ政権でなくなった時のためにプーチンと習近平が緊密であることを保つことによって、3人の微妙なバランスの友情が世界に地殻変動をもたらすとすれば、私たちは面白い時代を生きていることになりはしないだろうか。「米露中」三大巨頭による「仲良しクラブ統治」など、人類史上、初めてのことだから。

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