「生き生き箕面通信」から転載。「阿修羅」で知った記事である。
マハティールの言っていることは、すべて「まったく、その通り」である。ということは私の頭はマハティールと同じであったのか。(笑)
それはもちろん冗談だが、しかし、日本全体が官民挙げて欧米主導のグローバリズムという方向に進んで行くことを、かなり早い時期から私が批判していたのは当ブログの過去記事からだけでもある程度は分かると思う。そういう日本の進路への懸念と批判はブログ開設よりずっと昔からである。とは言っても、2001年の「9.11事件」の後から、「陰謀実在論者」になったので、その前までは政治が政治家の意思や国民の意思で動いていると素朴に無邪気に考えていたのだが。
しかし、資本主義というものへの疑問や批判はそのずっと前からあった。と言っても、かつての私は無知なノンポリ人間(純粋B層)であり、左翼や、学生運動をやる連中にはむしろ嫌悪感を抱いていたのである。それが、仕事の必要から政治的事件や政治的現象を詳しく調べるようになって、この社会の悪のほとんどは金銭欲から来るものであり、その金銭欲を全面的に肯定し、弱肉強食の競争を肯定する資本主義という社会システムが、世界の不幸の最大原因である、と思うようになった。ということは、自然と私の立ち位置は左翼、あるいは社会主義者、ということになってしまったわけである。いやはや何とも、だ。
マハティールはもちろん資本主義国の国家指導者であったわけだが、その政策はいわば「国家社会主義」的なものであり、強力な政府の指導力によって国家全体を動かすというものだった。つまり、太平洋戦争の敗戦後の復興から高度経済成長期までの日本の「護送船団方式」と同じ方針を取り、そして日本もマレーシアも大成功をしたのである。ということは、その政策は大正解であったわけで、それを変える必要はまったくなかったということだ。ところが、グローバリストの甘言に騙され、グローバリズム(欧米への隷属、国家主体性の放棄)と新自由主義(民営化や規制緩和、富裕者優遇税制、社会保障削減etc)の方向に進路を進めていった結果が今の生活保護世帯激増の貧困社会、格差社会であったわけである。
これほど明白な結果が出ているにもかかわらず、まだグローバリズムや新自由主義の推進者に賛同する阿呆が日本には溢れている。
まあ、マハティールの言葉をよく噛みしめて、これからの日本の進路を考えていくのがいいだろう。
蛇足だが、政治的に目覚めた人間をA層、政治的に無知な人間をB層とした時、知的水準の高い人間や知的職業に就いていながらB層である、という人間がたくさんいるという認識をもう少し世間に広めるべきだと思う。その一方で、頭は悪いが、政治的見識はある程度ある、というA層もあるわけで、私はそういう意味でのA層だと自分を見なしている。
要するに、「知的A層、非知的A層、知的B層、非知的B層」の四種に区分すれば、なぜ世間の知的職業者にあれほど政治的に無知な人間が多いのか、ということに毎度あきれる必要はなくなるのである。もともと、知的職業においては仕事がハードなために、それ以外の社会的知識はせまくなる傾向があるのである。(つまり「知的B層」が圧倒的に多くなる。)
だから、家庭の主婦などの方が、かえって政治的見識は高いことが多いと私は思っている。もちろん、これは主婦仕事はいくらでも自分の裁量と手腕で余暇が作りだせることによるものだ。普通の職業人は、ある意味、仕事の奴隷であるのだから。まあ、それは社会的職業というものの宿命ではある。家庭の主婦こそ、最高のノマド的職業だろう。問題は、それに対しての報酬が無い、ということだけだ。いわゆるシャドウワークという奴だ。だから私は、「女中」という職業を復活させよ、と言うのである。もっとも、「メイドさん」は一部で大モテのようだが、それは少し意味が違うような……。(本当に蛇足な文章である。)
(以下引用)
1485 ・日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相
2013-01-15 06:57:51 | 日記
おはようございます。 生き生き箕面通信1485(130115)をお届けします。
・「日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相
「日本が苦境にあるのは、経済大国への道を切り開いた自らの価値を捨て、欧米に迎合したからだ。例えば終身雇用制などに重きを置かなくなった。政府の指導や民間企業との協力関係はいまや犯罪視される」
「系列、行政指導、日本株式会社といった、欧米から批判されたシステムを捨てたことは大きな誤りだった」
「ルックイースト政策」を唱え、日本型経済発展モデルを高く評価したマレーシア元首相、マハティール・ビン・モハマドさんへのインタビュー記事が本日1月15日の朝日新聞朝刊9面に掲載されました。
元首相は、「日本株式会社がなぜ悪いのか。終身雇用制のどこが悪いのか。日本は自分が築き上げた経済発展モデルを、欧米に言われたからといって、すべて捨て去る必要などまったくないではないか」といっています。元首相が自国で推進した「ルックイースト政策」は、端的には「日本に学べ」というものでした。その内容は、日本株式会社を支えた、官民一体となった経済体制であり、それは終身雇用制によって裏打ちされていました。
ところが、アメリカからの直接的な圧力や、繰り返し求められる日米構造協議などでの要求に、日本はつぎつぎと屈服し、経済構造をアメリカに近い形にしてしまったのでした。その結果、日本は方向性を見失い漂流を始めて、「ロスト20年」、つまり失われた20年になったのです。
しかも、方向感覚喪失の漂流は、現在も続いています。その原因を元首相はこう見ています。「確かにグローバリゼーションはやってきた。それは欧米のアイデアであり、彼らの利益のために考え出された。新たなシステムを採用すれば、混乱はつきものだ。日本は国内の状況を斟酌せずに受け入れた。それまでのやり方とグロバリゼーションを調和させることに失敗した」
中国脅威論についても、明確に否定しています。「過去2千年、中国がマレーシアを侵略したことはない。ベトナムに拡張を試みたが、あきらめた。われわれを植民地化した西欧に比べれば中国が過去、好戦的だったとは言えない。市場経済の時代に、中国が日本をはじめ、周辺国を侵略する意図を持つとは思えない」
元首相は、中国との共存共栄を構想しています。現役首相の時には、「東アジア経済会議」(EAEC)を提唱し、そこには中国の参加を見込んでいました。ところが、中国を参加させる枠組みにアメリカが反対し、中国排除の圧力をかけました。このとき日本は、アメリカの意向を汲んで、EAECに反対を表明したのでした。アジアの各国の前で、恥ずかしげもなくアメリカのポチぶり踊りを披露したのです。
「(アメリカは)TPP(環太平洋経済連携協定)でも中国を除外しようとする。われわれは東洋の人間だ。敵をつくるのではなく、自分たちの問題は自分たちで解決すべきだ」と、中国との共存共栄を極めて明瞭に提唱しています。
日本は、自らが持つ素晴らしい価値を自分で認識する必要があります。例え、アメリカに「それはまずいから改めよ」と圧力をかけられても、守るべきは守らなければ、独立国とはいえませんよね。
安倍首相はTPPに対し、「守るべきは守る」と言います。しかし、いままでの実績はアメリカから言われたらそれを受け入れるばかりでした。日本の要所要所は、アメリカの意向を受け入れる構造へと変革させられています。
かつて日本が、「黒船4杯」の圧力で不平等条約を押し付けられ、それを改めるために営々と努力してきました。しかし、太平洋戦争に敗れてからは、いっそうひどいアメリカからの不平等要求を受け入れる国に堕しています。
安倍首相は、就任後初の訪問国をアメリカと定めていましたが、アメリカ側から「お土産が小さい」と、門前払いを食らいました。かなりのお気に召すお土産を用意しなければならない状態です。いつまでこんな屈辱に耐えるのでしょうか。それとも習い性になって、要求されれば要求されるほど、嬉々としてお土産を用意する思考回路になっているのでしょうか。
マハティールの言っていることは、すべて「まったく、その通り」である。ということは私の頭はマハティールと同じであったのか。(笑)
それはもちろん冗談だが、しかし、日本全体が官民挙げて欧米主導のグローバリズムという方向に進んで行くことを、かなり早い時期から私が批判していたのは当ブログの過去記事からだけでもある程度は分かると思う。そういう日本の進路への懸念と批判はブログ開設よりずっと昔からである。とは言っても、2001年の「9.11事件」の後から、「陰謀実在論者」になったので、その前までは政治が政治家の意思や国民の意思で動いていると素朴に無邪気に考えていたのだが。
しかし、資本主義というものへの疑問や批判はそのずっと前からあった。と言っても、かつての私は無知なノンポリ人間(純粋B層)であり、左翼や、学生運動をやる連中にはむしろ嫌悪感を抱いていたのである。それが、仕事の必要から政治的事件や政治的現象を詳しく調べるようになって、この社会の悪のほとんどは金銭欲から来るものであり、その金銭欲を全面的に肯定し、弱肉強食の競争を肯定する資本主義という社会システムが、世界の不幸の最大原因である、と思うようになった。ということは、自然と私の立ち位置は左翼、あるいは社会主義者、ということになってしまったわけである。いやはや何とも、だ。
マハティールはもちろん資本主義国の国家指導者であったわけだが、その政策はいわば「国家社会主義」的なものであり、強力な政府の指導力によって国家全体を動かすというものだった。つまり、太平洋戦争の敗戦後の復興から高度経済成長期までの日本の「護送船団方式」と同じ方針を取り、そして日本もマレーシアも大成功をしたのである。ということは、その政策は大正解であったわけで、それを変える必要はまったくなかったということだ。ところが、グローバリストの甘言に騙され、グローバリズム(欧米への隷属、国家主体性の放棄)と新自由主義(民営化や規制緩和、富裕者優遇税制、社会保障削減etc)の方向に進路を進めていった結果が今の生活保護世帯激増の貧困社会、格差社会であったわけである。
これほど明白な結果が出ているにもかかわらず、まだグローバリズムや新自由主義の推進者に賛同する阿呆が日本には溢れている。
まあ、マハティールの言葉をよく噛みしめて、これからの日本の進路を考えていくのがいいだろう。
蛇足だが、政治的に目覚めた人間をA層、政治的に無知な人間をB層とした時、知的水準の高い人間や知的職業に就いていながらB層である、という人間がたくさんいるという認識をもう少し世間に広めるべきだと思う。その一方で、頭は悪いが、政治的見識はある程度ある、というA層もあるわけで、私はそういう意味でのA層だと自分を見なしている。
要するに、「知的A層、非知的A層、知的B層、非知的B層」の四種に区分すれば、なぜ世間の知的職業者にあれほど政治的に無知な人間が多いのか、ということに毎度あきれる必要はなくなるのである。もともと、知的職業においては仕事がハードなために、それ以外の社会的知識はせまくなる傾向があるのである。(つまり「知的B層」が圧倒的に多くなる。)
だから、家庭の主婦などの方が、かえって政治的見識は高いことが多いと私は思っている。もちろん、これは主婦仕事はいくらでも自分の裁量と手腕で余暇が作りだせることによるものだ。普通の職業人は、ある意味、仕事の奴隷であるのだから。まあ、それは社会的職業というものの宿命ではある。家庭の主婦こそ、最高のノマド的職業だろう。問題は、それに対しての報酬が無い、ということだけだ。いわゆるシャドウワークという奴だ。だから私は、「女中」という職業を復活させよ、と言うのである。もっとも、「メイドさん」は一部で大モテのようだが、それは少し意味が違うような……。(本当に蛇足な文章である。)
(以下引用)
1485 ・日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相
2013-01-15 06:57:51 | 日記
おはようございます。 生き生き箕面通信1485(130115)をお届けします。
・「日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相
「日本が苦境にあるのは、経済大国への道を切り開いた自らの価値を捨て、欧米に迎合したからだ。例えば終身雇用制などに重きを置かなくなった。政府の指導や民間企業との協力関係はいまや犯罪視される」
「系列、行政指導、日本株式会社といった、欧米から批判されたシステムを捨てたことは大きな誤りだった」
「ルックイースト政策」を唱え、日本型経済発展モデルを高く評価したマレーシア元首相、マハティール・ビン・モハマドさんへのインタビュー記事が本日1月15日の朝日新聞朝刊9面に掲載されました。
元首相は、「日本株式会社がなぜ悪いのか。終身雇用制のどこが悪いのか。日本は自分が築き上げた経済発展モデルを、欧米に言われたからといって、すべて捨て去る必要などまったくないではないか」といっています。元首相が自国で推進した「ルックイースト政策」は、端的には「日本に学べ」というものでした。その内容は、日本株式会社を支えた、官民一体となった経済体制であり、それは終身雇用制によって裏打ちされていました。
ところが、アメリカからの直接的な圧力や、繰り返し求められる日米構造協議などでの要求に、日本はつぎつぎと屈服し、経済構造をアメリカに近い形にしてしまったのでした。その結果、日本は方向性を見失い漂流を始めて、「ロスト20年」、つまり失われた20年になったのです。
しかも、方向感覚喪失の漂流は、現在も続いています。その原因を元首相はこう見ています。「確かにグローバリゼーションはやってきた。それは欧米のアイデアであり、彼らの利益のために考え出された。新たなシステムを採用すれば、混乱はつきものだ。日本は国内の状況を斟酌せずに受け入れた。それまでのやり方とグロバリゼーションを調和させることに失敗した」
中国脅威論についても、明確に否定しています。「過去2千年、中国がマレーシアを侵略したことはない。ベトナムに拡張を試みたが、あきらめた。われわれを植民地化した西欧に比べれば中国が過去、好戦的だったとは言えない。市場経済の時代に、中国が日本をはじめ、周辺国を侵略する意図を持つとは思えない」
元首相は、中国との共存共栄を構想しています。現役首相の時には、「東アジア経済会議」(EAEC)を提唱し、そこには中国の参加を見込んでいました。ところが、中国を参加させる枠組みにアメリカが反対し、中国排除の圧力をかけました。このとき日本は、アメリカの意向を汲んで、EAECに反対を表明したのでした。アジアの各国の前で、恥ずかしげもなくアメリカのポチぶり踊りを披露したのです。
「(アメリカは)TPP(環太平洋経済連携協定)でも中国を除外しようとする。われわれは東洋の人間だ。敵をつくるのではなく、自分たちの問題は自分たちで解決すべきだ」と、中国との共存共栄を極めて明瞭に提唱しています。
日本は、自らが持つ素晴らしい価値を自分で認識する必要があります。例え、アメリカに「それはまずいから改めよ」と圧力をかけられても、守るべきは守らなければ、独立国とはいえませんよね。
安倍首相はTPPに対し、「守るべきは守る」と言います。しかし、いままでの実績はアメリカから言われたらそれを受け入れるばかりでした。日本の要所要所は、アメリカの意向を受け入れる構造へと変革させられています。
かつて日本が、「黒船4杯」の圧力で不平等条約を押し付けられ、それを改めるために営々と努力してきました。しかし、太平洋戦争に敗れてからは、いっそうひどいアメリカからの不平等要求を受け入れる国に堕しています。
安倍首相は、就任後初の訪問国をアメリカと定めていましたが、アメリカ側から「お土産が小さい」と、門前払いを食らいました。かなりのお気に召すお土産を用意しなければならない状態です。いつまでこんな屈辱に耐えるのでしょうか。それとも習い性になって、要求されれば要求されるほど、嬉々としてお土産を用意する思考回路になっているのでしょうか。
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