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徽宗皇帝のブログ

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「テロとの戦い」という、政府によるテロリズム(1月20日追記)
フランスによるマリ空爆についての「琉球新報」社説である。わりと事件のいきさつを分かりやすく解説していると思う。
ただし、「社説」の常として、「意見部分」には何の実効性もない。「国連主導の平和的解決」など、これまで成功した事例はあるのか。それに、国連とは「欧米による世界経営装置」の代表であるのは今やほとんど世間の常識だろうが、ここにはフランスの利害がからんでいるのだから、国連による解決とはフランスの利益擁護前提のものにしかならないのは自明だろう。
私は国内政策においてはフランスのオランド政権を高く評価しているが、所詮は「欧米」の一員であり、国際関係では他国(特に非白人国家)にとっては「利害敵対者」であるという認識を忘れるべきではない、という思いを新たにした。

なお、フランスのマリ空爆はマリ政府の要請によるものだというが、それならば、マリ政府は他国の手を借りて自国民虐殺を行ったということである。その中に「テロリスト」が含まれていようとも、政府による自国民虐殺という事実に変わりはない。
攻撃対象に「テロリスト」という名称さえつければどのような大量虐殺も可能であるかのような世界的な風潮こそ、我々は恐れ、拒否していかなければならないだろう。





(以下引用)




社説


仏のマリ空爆 内戦の泥沼化を避けよ2013年1月17日


 西アフリカの国、マリの北部を掌握するイスラム過激派に対し、旧宗主国のフランスが同国暫定政府の要請を受け、11日から連日、空爆を行っている。フランス政府は軍事介入の理由として、欧州に波及しかねないテロの脅威の根絶を掲げるが、戦闘は激しさを増し「対テロ戦争」の泥沼化を危ぶむ声も出始めている。
 女性や子どもなど無辜(むこ)の市民をテロや戦闘に巻き込んではならない。国際社会が「テロ根絶」で連携・協力するのは当然だろう。
 ただ、2001年の米中枢同時テロ後の世界を見れば分かるように、軍事力だけでテロを根絶するのは不可能だ。米英を中心としたアフガニスタン攻撃、イラク戦争でテロの根絶どころか、イスラム過激派を拡散させた側面もある。
 マリでは12年3月に首都バマコで起きた反乱軍のクーデターに乗じて、北部の遊牧民トゥアレグ人の反政府武装勢力が政府側に攻勢をかけ、4月に北部独立を宣言した。その後、地元のイスラム過激派や国際テロ組織アルカイダ系勢力がトゥアレグ人勢力を撃退。北部の「テロの温床」化を懸念し、国連安全保障理事会は12月、国際部隊による軍事介入を承認した。
 バマコでは、4月に暫定政府が発足したものの、12月にディアラ首相が軍に拘束された後に辞任、民政移管が足踏み状態にある。
 マリは「テロの温床」となりかねない危機的状況にある。これを阻止するには、若者がなぜ過激派に同調するかを含めテロの背景にある病巣を取り除くことが肝要だ。
 過激派による政府や市民へのテロは卑劣な犯罪だ。外国軍が主権国家へ介入する事態も異常だ。直ちに主導権をフランスから国連に移し、内戦を収拾するべきだ。
 イスラム諸国には欧米のイスラエル寄りの中東政策に対する不満や憎悪がある。だからと言って、過激派がこれに乗じて、欧米と友好的な政権や非イスラム社会にテロを仕掛けることは断じて許されない。
 国際社会はそろそろ共通認識を持てないものだろうか。軍事力やテロによって、民族・宗教の対立や人権抑圧、貧困問題などの根本的解決、政治の民主化は望めない。力任せの手法は、必ず新たな憎しみ、怒りを生み出すからだ。
 過激派にテロの無意味さを説いて武装解除を促すなど、緻密な出口戦略が必要だ。国連の出番だ。





(追記) 1月18日付け「ROCKWAY EXPRESS」記事の一部である。マリ政府が自国民を空爆させるというのは、このようなことである。



(以下引用)



どのようなニュースが主流メディアによって報道されようと、今度の新しい戦争のゴールは、国際的企業がマリの天然資源にアクセスすることを保証するためのものである。爆弾と銃弾でマリでなされていることは、アイルランド、ギリシャ、ポルトガル、スペインで負債による奴隷化を通してなされている。そして人々は苦しみ死んでいく。

ガーディアン紙は2日前に以下のように報じた。「人的被害はまだ分かっていないが、12日夜なされた国営テレビにおけるコミュニケでは、コナで少なくとも11人のマリ人が殺害されたという。コナのソリー・ディアキテ市長は、『死人の中には空爆を避けようとして川に飛び込んだために死んだ子供たちも含まれる。その他の者たちは、自分たちの畑あるいは屋外で殺害された者もいる。避難しようとしていた。川で溺れる者もいた。少なくとも3人の子供たちが川に飛び込んだ。彼らは向こう岸に渡ろうとしていた。またインフラに深刻な被害があった』と市長は語った。彼は家族と避難し現在はバマコにいる」

実際の被害がどれほどか、誰も分かっていない。














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