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徽宗皇帝のブログ

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世界が帝国群に分裂した後の日本
「内田樹の研究室」記事の一部で、議論の叩き台として面白い。もちろん、これまでどおり米国の属国、奴隷国でいるのがいいという官僚や政治家がほとんどだろうが、家が破産したスネオをジャイアンがどう扱うか、考えることだ。もちろん、それでも「奴隷頭」の地位が保てると信じている人は多いだろう。ただし、国民がそれを許すかどうかである。

(以下引用)


世界が帝国に分割された時、日本はどう生きるかという話をしていた。今回はその結び。
 選択肢はいくつかある。一つは米中いずれかの帝国の辺境の属国として宗主国に「朝貢」して生き延びる道である。
 日本は戦後80年米国の属国として生きてきたから属国民マインドは日本の政治家たち外交官たちに深く内面化している。だから、米帝国の西の辺境として生きるのを止めて、中華帝国の東の辺境となる道を選ぶことに日本人はそれほどシリアスな心理的抵抗を感じないだろうと私は思う。「親魏倭王」に任ぜられた卑弥呼から「日本国王」足利将軍、「日本国大君」徳川将軍に至るまで、日本の支配者たちは中華皇帝から形式的には官位を冊封されていたのである。だから、もし「中華皇帝」が属国日本に天皇制と民主主義政体の継続を許可すれば(しないと思うが)、日本人の多くは「宗主国」を米国から中国に替えることにそれほどの心理的抵抗を覚えないと私は思う。日本の支配層は「強者に従属することが自己利益を最大化する」と心の底から信じているから、これまで親米派だった人たちは今度は争って中国共産党に入党するだろう(これは自信をもって断言できる)。
 もう一つの道は日韓同盟である。米軍が撤収した日本と韓国が同盟するのである。人口1億8千万、GDP6兆ドル、ドイツを抜いて世界第三位の経済圏になる。軍事力は日韓を合わせるとインドを抜いて世界4位。
 この日韓同盟は米中二帝国と等距離外交を展開する。米軍がグアムまで引き、中国が海洋進出に抑制的になれば、西太平洋に日韓を結ぶ広大な中立地帯ができる。東アジアの地政学的安定を国際社会は歓迎するだろう。
 第三の道は九条二項を高く掲げて「東洋のスイス」のような永世中立国になることである。日本は間違いなく医療と教育と観光・エンターテインメントでは世界のトップレベルにある。そうやって全世界に「できるなら日本で暮らしたい」という人々を創り出すのである。それが日本の安全保障のための「アセット」になってくれる。スイスの銀行に個人口座を持っている人たちが(テロリストを含めて)「スイス侵攻」に反対するのと理屈は同じである。
 日本人は果たしてどの道を選ぶことになるのだろう。
(AERA 3月18日~4月16日)

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