「in deep」から抜粋転載。
中国で新生児の50人に一人が先天性疾患を持って生まれる、というのはかなり恐るべき事態だろうが、実はそれはこの日本でも(特にフクシマ以降はそれが隠蔽されているだけで)同じなのではないか。違いは、日本では生まれてくる障害(碍)児を捨て子にすることは滅多にないことだろう。そもそも、出生前診断で障害児であることが確認された場合、それでも産む、という決断を下す親の割合は少ないだろうから、日本では生まれてくる障害児の割合が比較的少なくなるだけで、仮に堕胎をせずに産めば、中国と同じ、あるいはそれ以上になる可能性も無いとは限らない。おそらく、中国では、特に非富裕階層では出生前診断などしてないだろう。その結果、産んだ後で、困って捨て子にする、ということではないか。
ところで、何よりの問題は、その先天性疾患の原因は何か、ということだ。考えられるのは大気や土壌や食品や水の化学物質汚染である。あるいは、電化製品による放射線や電磁波なども考えられるか。中国では農薬などの使用がかなりでたらめだ、という話は少し前にあちこちで聞いたが、それは「反中国キャンペーン」だけでなく、実際にそうなのかもしれない。そして、農薬汚染や、工場や自動車排気による大気汚染の結果が、一番弱い胎児にまず影響し、先天性疾患の飛躍的増大になっているのではないだろうか。
これは対岸の火事ではない。規模の大小はあっても、日本でも、おそらく同じなのである。
なお、私は「障碍」の「碍」の字が大嫌いである。どう考えても、「石」偏に「得」の右側、では「差し障り」の意味とは思えない。まるで、「得るべき」何かとしか思えないのである。
(以下引用)
そんなわけで、日本は日本で非常に将来の存続の展望が見えにくいことは確かなのですが、今や人口でも経済でも世界最大に迫ろうとしている中国に関して、下のような報道を見ました。
中国:「捨て子」が重大な社会問題に、毎年10万人=専門家
newsclip.be 2015.03.06
中国では「捨て子」が年間で10万人を数えるまでに増加し、すでに重大な社会問題となっている。
正確な統計はないものの、年間の「捨て子」人数は、1980年代が約5000人、90年代が5万人で推移していた。ただ、国の救済制度不備などを背景に、近年になって段階的に増加しつつあるという。
先天的な障害を持って生まれてくる赤ちゃんが捨てられる例が多い。先天的な障害を持った赤ちゃんの出生比率は、年を追うごとに増えてきた。
これに対処するために、中国では2011年6月に、河北省石家荘市に国内初の「赤ちゃんポスト」が設けられた。その後も、江蘇省、陝西省、貴州省、福建省、内モンゴル自治区、黒竜江省、広東省などに相次いで試行的に設置されている。
ただ、広東省広州市の「赤ちゃんポスト」では、運営わずか50日あまりで大量の嬰児を収容。保護スペースが限定されるなか、運営休止に追い込まれる異常事態も発生した。多くが「脳性マヒ」を抱えている。
「赤ちゃんポスト」に収容された嬰児、幼児は、全体の99%が身体や機能に障害を持っていたという。
というように、中国で「捨て子」が増えているという報道ですが、従来から理由として挙げられることのあった経済的な理由からなどではなく、「捨て子の 99パーセントが先天性の異常を持って生まれた赤ちゃん」だということが書かれています。
先天異常を持って生まれる子どもは、日本を含めて、世界的に増加傾向にあると思われます。
日本でも下のように、1996年頃から急激に増えています。
・先天異常モニタリング:わが国と 世界の取り組み
上のグラフは 2002年までのものですが、2014年4月の朝日新聞の報道などからみますと、全体の先天異常の数も 2002年以降も上昇し続けていると考えていいようにも思います。
しかし、中国はさらにその比率と増加ぶりが激しいようで、2013年9月19日のサーチナの「障害児の出生率が年々増加=50人に1人、多岐にわたる誘発原因―北京市」という記事には、
100万人というのは、当然ながら少ない数ではありません。
たとえば、比較として、日本の 2013年の総出生数は 102万 9816人でしたので、日本で1年間で生まれたすべての赤ちゃんと同じ程度か、あるいはそれより多くの障がいを持つ子どもが中国では1年間で生まれているということになります。
そして、その 100万人の赤ちゃんのうちの 10万人の赤ちゃんが「捨てられる」という社会。
中国の出産数のうち、障がいを持つ赤ちゃんが生まれる割合の推移は WHO によれば、
・1996年 0.87%
・2012年 5.6%
と、十数年で6倍以上になったそうですが、正確なデータはないながらも、これを 30~ 50年前からと比較すると、おそらくは大変な増加となっていると思います。その根拠は、ガンなど他の疾病も、中国では凄まじい増加を示しているからです。
こうなってきますと、いかな大国である中国とはいえ、次第に問題となっていくと思います。
何しろ、(日本もそうですが)国の基盤を作る労働力も、あるいは軍を担う兵士たちも、若者によって構成されるわけで、高齢者がそれに代わることは基本的にはできません。
そして実は、現在でも中国では、大都市で「労働力が足りていない」という現実があったりします。
すでに都市での労働力が不足
何となく、「人口の多い中国では労働力などいくらでもあるだろう」と考えてしまいがちですが、実際には、たとえば、首都北京では下のような状態のようです。
要するに、現在の北京では、若いエリート・サラリーマンの2倍ほどの月収を建設作業員が得ているという構造になっているようなのです。
しかも、「それでも人が集まらない」と。
理由は上にもありますように、中国の大都市は家賃や物価が高いということもあるのでしょうけれど、ホワイトカラーを上回る給料をもらっていれば、住めないということもなさそうです。
しかし、実際の理由はともかくとしても、都市部での労働力が不足しだしているのは事実のようで、今後もさらに激しい高齢化社会となっていく中国では、このような状態が続くのかもしれません。
ただ、少子化の問題は主要国ではどこも同じような問題ではあります。
中国で新生児の50人に一人が先天性疾患を持って生まれる、というのはかなり恐るべき事態だろうが、実はそれはこの日本でも(特にフクシマ以降はそれが隠蔽されているだけで)同じなのではないか。違いは、日本では生まれてくる障害(碍)児を捨て子にすることは滅多にないことだろう。そもそも、出生前診断で障害児であることが確認された場合、それでも産む、という決断を下す親の割合は少ないだろうから、日本では生まれてくる障害児の割合が比較的少なくなるだけで、仮に堕胎をせずに産めば、中国と同じ、あるいはそれ以上になる可能性も無いとは限らない。おそらく、中国では、特に非富裕階層では出生前診断などしてないだろう。その結果、産んだ後で、困って捨て子にする、ということではないか。
ところで、何よりの問題は、その先天性疾患の原因は何か、ということだ。考えられるのは大気や土壌や食品や水の化学物質汚染である。あるいは、電化製品による放射線や電磁波なども考えられるか。中国では農薬などの使用がかなりでたらめだ、という話は少し前にあちこちで聞いたが、それは「反中国キャンペーン」だけでなく、実際にそうなのかもしれない。そして、農薬汚染や、工場や自動車排気による大気汚染の結果が、一番弱い胎児にまず影響し、先天性疾患の飛躍的増大になっているのではないだろうか。
これは対岸の火事ではない。規模の大小はあっても、日本でも、おそらく同じなのである。
なお、私は「障碍」の「碍」の字が大嫌いである。どう考えても、「石」偏に「得」の右側、では「差し障り」の意味とは思えない。まるで、「得るべき」何かとしか思えないのである。
(以下引用)
そんなわけで、日本は日本で非常に将来の存続の展望が見えにくいことは確かなのですが、今や人口でも経済でも世界最大に迫ろうとしている中国に関して、下のような報道を見ました。
中国:「捨て子」が重大な社会問題に、毎年10万人=専門家
newsclip.be 2015.03.06
中国では「捨て子」が年間で10万人を数えるまでに増加し、すでに重大な社会問題となっている。
正確な統計はないものの、年間の「捨て子」人数は、1980年代が約5000人、90年代が5万人で推移していた。ただ、国の救済制度不備などを背景に、近年になって段階的に増加しつつあるという。
先天的な障害を持って生まれてくる赤ちゃんが捨てられる例が多い。先天的な障害を持った赤ちゃんの出生比率は、年を追うごとに増えてきた。
これに対処するために、中国では2011年6月に、河北省石家荘市に国内初の「赤ちゃんポスト」が設けられた。その後も、江蘇省、陝西省、貴州省、福建省、内モンゴル自治区、黒竜江省、広東省などに相次いで試行的に設置されている。
ただ、広東省広州市の「赤ちゃんポスト」では、運営わずか50日あまりで大量の嬰児を収容。保護スペースが限定されるなか、運営休止に追い込まれる異常事態も発生した。多くが「脳性マヒ」を抱えている。
「赤ちゃんポスト」に収容された嬰児、幼児は、全体の99%が身体や機能に障害を持っていたという。
というように、中国で「捨て子」が増えているという報道ですが、従来から理由として挙げられることのあった経済的な理由からなどではなく、「捨て子の 99パーセントが先天性の異常を持って生まれた赤ちゃん」だということが書かれています。
先天異常を持って生まれる子どもは、日本を含めて、世界的に増加傾向にあると思われます。
日本でも下のように、1996年頃から急激に増えています。
・先天異常モニタリング:わが国と 世界の取り組み
上のグラフは 2002年までのものですが、2014年4月の朝日新聞の報道などからみますと、全体の先天異常の数も 2002年以降も上昇し続けていると考えていいようにも思います。
しかし、中国はさらにその比率と増加ぶりが激しいようで、2013年9月19日のサーチナの「障害児の出生率が年々増加=50人に1人、多岐にわたる誘発原因―北京市」という記事には、
2012年に北京市で誕生した新生児は20万人以上だが、そのうちの4000人(50人に1人)以上が障害児である。とあり、毎年 100万人前後の障がいを持つ赤ちゃんが生まれている。
中国では障害児の誕生率が比較的高く、毎年80万~120万人の障害児が誕生している。
100万人というのは、当然ながら少ない数ではありません。
たとえば、比較として、日本の 2013年の総出生数は 102万 9816人でしたので、日本で1年間で生まれたすべての赤ちゃんと同じ程度か、あるいはそれより多くの障がいを持つ子どもが中国では1年間で生まれているということになります。
そして、その 100万人の赤ちゃんのうちの 10万人の赤ちゃんが「捨てられる」という社会。
中国の出産数のうち、障がいを持つ赤ちゃんが生まれる割合の推移は WHO によれば、
・1996年 0.87%
・2012年 5.6%
と、十数年で6倍以上になったそうですが、正確なデータはないながらも、これを 30~ 50年前からと比較すると、おそらくは大変な増加となっていると思います。その根拠は、ガンなど他の疾病も、中国では凄まじい増加を示しているからです。
こうなってきますと、いかな大国である中国とはいえ、次第に問題となっていくと思います。
何しろ、(日本もそうですが)国の基盤を作る労働力も、あるいは軍を担う兵士たちも、若者によって構成されるわけで、高齢者がそれに代わることは基本的にはできません。
そして実は、現在でも中国では、大都市で「労働力が足りていない」という現実があったりします。
すでに都市での労働力が不足
何となく、「人口の多い中国では労働力などいくらでもあるだろう」と考えてしまいがちですが、実際には、たとえば、首都北京では下のような状態のようです。
ということで、労働力が足りていない上に、建設労働者が「月給 18万円」という給与水準であることにも驚きます。ちなみに、北京のホワイトカラーの月収は、こちらによれば、平均 5453元ということで、10万円くらいでしょうかね。北京で人手不足深刻、建設作業員は月給18.3万円
newsclip.be 2015.03.05
北京市の人手不足は全国で最も深刻だという。北京などの大都市は家賃や物価の高騰など生活面のプレッシャーも大きいことから、地方からの出稼ぎ労働者が避ける傾向にあるためだ。
なかでもドライバー、建設、宅配、救命、メイク、チケット予約サービスといった業種で人手不足が顕在化しているという。うちドライバーの求職倍率はわずか0.22で推移している。
一方、供給不足の業種のうち、最も平均給与水準が高いのは建設作業員で、月額9621人民元(約18万3227円)となっている。同額は全国トップの上海市(5825人民元=約11万934円)など1線都市を上回っている。またホワイトカラーの平均も超えている。
要するに、現在の北京では、若いエリート・サラリーマンの2倍ほどの月収を建設作業員が得ているという構造になっているようなのです。
しかも、「それでも人が集まらない」と。
理由は上にもありますように、中国の大都市は家賃や物価が高いということもあるのでしょうけれど、ホワイトカラーを上回る給料をもらっていれば、住めないということもなさそうです。
しかし、実際の理由はともかくとしても、都市部での労働力が不足しだしているのは事実のようで、今後もさらに激しい高齢化社会となっていく中国では、このような状態が続くのかもしれません。
ただ、少子化の問題は主要国ではどこも同じような問題ではあります。
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