「理想的な敗戦」とはまさに言いえて妙、である。
私は日本という国にとって最大の不幸は太平洋戦争を始めたことであり、最大の幸福はそれに「負けたこと」だと思っている。(笑)
勝っていた場合は、(引用2)で言われる戦前の状況がもっと拡大された国になっていただろう。つまり、一般国民にとっての地獄である。現在の日本はすでにそうなのだが、これは第一の敗戦で作られた天国が、竹熊氏の言う「第二の敗戦」「第三の敗戦」で消滅させられたものだ。
太平洋戦争に負けたことで日本はもっとも理想的な形での国家再生をしたわけだが、その理由はGHQにある。GHQの中の左翼リベラル派が、日本という敗戦国を使って壮大な社会実験を行い、それに見事に成功したのである。いわゆる、「世界で唯一成功した社会主義国家・日本」だ。これは言われた当時はジョークだったが、今となれば、真実そのものだったと分かる。
(引用1)
竹熊健太郎《編集家》 @kentaro666 ·
つまり私たちは、「理想的な敗戦」を一度経験したがゆえに、本当の敗戦を知らないで過ごしてきたのではないだろうか。これからの日本は「いいように使われる」国になるだろう。それに対して、文句が言えない国になるのだろう。いや、もう、なってる。
1991年のバブル経済破綻は第二の敗戦と呼ばれた。原発事故は第三の敗戦か。第一の敗戦は、戦後処理の面でうまく行った。GHQが国家を代行管理してくれ、平和憲法というプレゼントまで貰えた。第二の敗戦は、収拾がつかないまま、失われた20年になった。そして矢継ぎ早に第三の敗戦が来た。
(引用2)
――橘木教授は、日本の格差問題について、長年追ってこられました。
橘木:日本は、戦前は大変な格差社会でした。恐らく、今の米国よりもひどい格差社会だったのではないですか。三井・三菱といった財閥のトップの年収なんて、今の米国CEOの年収なんて吹っ飛んでしまうぐらいものすごい金額だったと思います。
ところが日本の場合は、戦後にGHQ(連合国軍総司令部)が大改革をした。農地改革で土地の所有制度を改革し、地主制度を解体して小作人が自作農 になった。財閥解体で大資本家を解体した。ものすごい改革をして民主化を進めたのです。ピケティは、戦争が終わってからどの国も平等化が進んでいい国になったと言いたいようですが、日本の場合は、GHQがものすごい改革をしたから突如として平等国家になったんです。
――格差の温床というと、最低賃金も1つのテーマです。ピケティ教授は、米国での問題として最低賃金が低すぎると指摘していました。
橘木:日本だって最低賃金は低いですよ。最低賃金水準では、1カ月フルタイムで働いて、稼げるのはせいぜい13万~14万円ぐらいでしょう。東京・大阪・名古屋・広島では、生活は無理でしょう。東京だけ最低賃金が高いですが、それでも東京でワンルームマンションを借りて、生活をしていこうとしたらかなりつらいでしょう。
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