私の住んでいる所は、京都近郊だが、市内に出るには1時間に1本くらいしかないバスに乗らないといけない。コンビニが無くなれば、公共料金納付や国民健康保険料納付をするためにバスに乗って遠出するしかなくなる。市町村合併で町役場や村役場の多くが無くなった結果、このような「役場の無い土地」も増えたのだろう。
というわけで、コンビニはまさに民営化トレンドの象徴のようなものである。そのうち国政選挙の投票もコンビニで行われるのではないか。
もちろん、私はコンビニによる「生活要件の過度の集中」の将来を危惧しているのである。ライフラインの一元化は普段は便利だが、いざ事故が起これば大事故につながることが多いのは誰でも知っている。
下の記事は4ページある記事から最初の1ページだけ引用した。問題提起だけで十分だからだ。表(おもて)の便利さの陰には、裏で不便さや苦労を蒙っている存在があるわけである。そのうち、この不満は表面化するだろう。
(以下引用)
もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由 (1/4)
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。
著者プロフィール・川乃もりや:
コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、仕事の合間に誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を始める。
旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。
ご一緒に“おでん”いかがですか:
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニが扱うサービスは、どこまで広がっていくのだろうか。スタート時は、近所の酒屋さんが長時間営業を始めた程度だったが、しばらくすると、弁当やおにぎりを売るようになり、収納代行も扱うようになった。
この「収納代行」という業務は、コンビニの価値を大きく変えることになった。コンビニが、買い物をするだけの場所ではなくなったからだ。それまで、電気・水道・ガス・電話代は銀行や郵便局といった金融機関で振り込まなければいけなかった。しかし多くの人が「お金を振り込むだけなのに長時間待たされる……」といった不満を感じていた。
それが、近くのコンビニでわずか数分、いや数十秒待つだけで処理できるようになった。しかしここ数年、「収納代行業務を止めよう」という動きがあるのだ。その理由として「もうからない」ことを挙げる人がいるが、意味は少し違う。収納代行業務は手数料商売で、1つの取り引きで数十円の収入がある。なので「もうからない」という表現は、少し誤解を生む。
「もうからない」のではなく、「収入に対してリスクが高い」と言ったほうがしっくりくる。どんなリスクがあるかというと、「受付漏れ」による損失だ。受付のピークは毎月15日から25日かけて。その間、1人で数件の受付をこなしていくわけだが、年に数件受付漏れが発生するのだ。どういう事態になるかというと、領収書はお客さんに渡っているが、料金はもらっていないことになる。
以前は、店の控えにお客さんの情報が印字されていたが、昨今の個人情報規制によって、店でお客さん情報を管理することができなくなっている。結果、「払った」「いや払わなかった」の水掛け論になってしまう。当然、領収書を出している側が不利になるので、店が立て替える形になるのだ。残念ながら、回収できる見込みはほぼゼロ。店側のミスなので、仕方がない部分もあるが、それでも収納代行業務をしている以上、ミスはなくならない。
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