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徽宗皇帝のブログ

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安倍政権経済方針の検証(1月15日追記)
「NHK解説委員室」というサイトから転載。
NHKというだけで洗脳機関だという目で見る人も多いだろうが、スポンサーは一応国民である。民間企業や経団連に支配された民放よりはややマシ、と私は考えている。それに時々は驚くほど高水準の報道番組を作ることもある。例の森本アナ痴漢騒動の真の原因ではないかと言われている福島原発事故検証番組などもそうだろう。
で、アベノミクスだとか何とか言われている安倍政権の経済方針についてネットで調べてみて、案外その実体がよく分からないのだが、比較的素人にも分かりやすい解説が下記記事であったわけだ。
しかし、後半の「財政再建が重要だ」は、例の小泉改革と同様の論法であり、これによって日本が今の惨状に陥ったことを考えれば、これは意図的ミスリード、洗脳行為であるとも言える。したがって、後半部分はカットして転載しようかとも思ったが、公正を期するために、全文を転載することにした。読む側で、個々の事例について、十分に眉に唾をつけ、是々非々の判断をするのが大事だろう。

下記解説の中で「円安は国民にとって有益か」という疑問を提出しているのは貴重な意見である。これを言う人は滅多にいない。東日本大震災や福島原発事故で日本は今後、海外からのエネルギー・工業原料・食料その他の輸入への依存度が高くなる。とすれば、明らかに円安は国民全体にとっては不利益なのである。GDPの15%程度(だったと記憶している)しか占めない輸出企業の利益だけのために(しかも、その輸出企業が事業の海外移転比重をどんどん高め、日本人の雇用や所得向上に寄与していない。)円安にすることは、むしろ日本の国益に反すると考えていいと思う。
また、公共工事への資金投下は短期的な景気浮揚にしかならない、というのも首肯できる。しかし、今はその短期的な景気回復でも必要な時期なのである。民間に金が無いのだから、公共工事は民間への富の移転になりうるし、また「呼び水」効果を期待することもできる。

そういうことで、私は安倍政権の国内経済政策方針は大きく間違ってはいないと思っている。問題は、TPP参加をやれば、そこですべてお終いだ、ということだ。





(以下引用)



時論公論 「安倍新政権の経済政策」2012年12月27日 (木)

山田 伸二 解説委員

(前説)
安倍新政権が発足しました。

そこで、今日は、安倍さんが最重要課題だと位置づけている、経済の再生や景気対策について考えます。



(今までの繰り返し?)
自由民主党の公約は、「強い日本」を取り戻すことでした。

安倍さんは、経済再生のため、「大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢で結果を出すと言います。

金融緩和は「かつての金融政策と次元が違う」と言い、財政政策では、国土強靱化計画を打出し、巨額を投じて災害に強い国作りを目指します。

金融緩和に財政出動と、典型的なケインジアンの経済政策で、副総理に起用した麻生さんの影響を感じます。

成長には関心が薄いと見られた民主党に対して、成長を前面に打ち出した点は市場関係者に好感され、株価は、今日、今年最高値でした。

しかし、安倍さんは、金融政策については雄弁ですが、その他は具体性に乏しく、全体として、昔の自民党に戻ったという気がします。
 
(金融政策偏重)
まず、目玉の金融緩和です。

自公連立政権は、大胆な金融緩和を求め、政策の目標として、消費者物価を2%に設定するように主張し、日銀も受け入れる流れです。

安倍さんは、デフレと円高が問題だと考えている様です。
金融緩和で円安になり、デフレは克服でき、日本経済は復活するというシナリオです。
 



日銀は、今、消費者物価が1%になるのを目処に金融緩和を続けていますが、目処から目標に変え、しかも2%に上げて、なりふり構わず緩和を進めさせようという訳です。

しかし、以前の自公政権の時も、金融緩和を続けたけれど成果が上がりませんでした。今回の措置でどう変わるか、道筋を示す必要があります。
 
(円安が本当に良いこと?)
そもそも、円安が、本当に良い事なのでしょうか。

確かに、円安になれば自動車や電機などの輸出産業は為替差益で、収益は改善します。

しかし、ヨーロッパの自動車メーカーは、ユーロ高でも輸出価格を上げているのに、日本の車は円高で価格を上げられない、こうした競争力の落ち込みが根本の問題です。
円安で競争力を回復させ経済を再生させるというのは、楽観的では無いでしょうか。

経済全体を見ても、ドルなど外貨建でみると、輸出額より輸入額の方が多くなっており、今や、日本全体では円高の方がメリットが大きくなっています。
原発が止まりLNGの輸入を増やさなければならない今、円安は首を絞めかねません。
円安のデメリットも視野に入れて、考える必要があります。
 
(相変わらずの公共事業)
次に、国土強靱化計画に象徴される公共事業です。
 



安倍さんは、政権が発足すると直ちに10兆円程度の大規模な補正予算を編成する様指示しました。
学校や病院の耐震化といった公共事業が中心でしょう。

日本経済は、このところ2四半期連続してマイナス成長で、景気は後退しています。

2014年の春から消費税の引き上げが予定されており、来年の秋には景気を回復させる必要があります。

短期間に元気にするため、公共事業を軸に補正を組むというのは理解できます。
 
(本当に用意できますか)
気になるのは、10兆円といわれる大型補正の中身はどうなるかです。

補正の場合、来年3月までに契約を済ます必要がある等、様々な条件が付きます。
しかも、震災の復興事業では、働く人が足りなかったり、資材が用意できずに遅れがちで、新たな公共事業を消化しきれるでしょうか?

こうした制約の下で、景気回復につながる魅力的なメニューを用意することが出来るかどうか、安倍さんの力量が、まず問われます。
 
(波及効果が縮小)
さて、短期的な対策として期待出来る公共事業ですが、中長期的な効果は疑問です。

国土強靱化計画は、200兆円という規模が言われますが日本経済を再生するため、今後も公共事業に頼ろうというならば、これは疑問です。

高度成長の時代と違って、今は、公共事業の波及効果、経済効果は限られています。
老朽化した道路や橋の補修、災害に対する備えを強化することは意味がありますが、借金をする以上、内容を十分吟味する必要があります。

安倍さんは、金融緩和を進める中、日銀が国債を大量に買うべきだと言いますが、公共事業で国債をどんどん発行するためだとしたら、本末転倒の議論でしょう。

また、公共事業は、古い体質を温存して日本経済の構造調整を遅れさせる問題もあります。

大蔵省の武藤元次官は、「公共事業は道路だとか治山治水だとか、旧来のチャンネルを通してお金が流れるので、今の構造を温存することになりがち」だと言います。
 








[徽宗注:下記意見には私はほとんど反対であるが、とりあえず転載はしておく。]









(財政再建)
日本経済の将来を考える時、安倍さんには、財政の再建と経済の体力回復に全力を挙げて貰いたいと思います。
 



日本経済というお城はすっかり傷んで、土台の石垣に当たる財政の再建は不可欠です。
消費税を本当に引き上げるかどうかは、経済情勢によって判断する事になっています。

安倍さんは、自民党の総裁選の中で「デフレが続いているなら上げるべきでは無い」と主張していますが、額面通り受け取れば、引き上げは容易ではなさそうです。

積極的な財政政策をとった上、消費税の引き上げを先送りする様な事態になれば、市場関係者は「財政規律は失われる」とみて、国債の金利の上昇を招きかねません。

景気が余程の事態になればともかく、今は毅然とした態度を取る必要がありそうです。

引き上げが出来る様に景気を回復させると共に、食料品の税率を抑える軽減税率など、弱者の対策をじっくりと考えて欲しいものです。
 
(政府偏重)
一方、天守閣も痛みが激しくて使い続ける事が難しく、経済に例えると、体力を回復しないと成長出来ません。

経済のゆがみを確認するためこのグラフをご覧下さい。
 


(徽宗注:図の転載はできなかった)




GDPの内訳です。

プラザ合意があった1985年度に、公共事業等政府の支出は全体の20.1%でした。
2010年度には、これが24.5%に膨れあがっています。
政府の役割が大きくなる一方、民間のウエートが落ちていると言う訳です。

アメリカは全く逆で、政府は全体の20.6%から17.1%に落ち、民間主導の姿が一段と鮮明になっています。

政府の支出は、民間の活動と比べて経済の波及効果は小さく、日本経済の活性化に繋がりにくい問題があります。

「お上依存の経済」に成り下がって活力を失った今、まさに、民間企業に頑張って貰わないと困るし、そのための政策が必要です。
 
(成長分野への誘導)
日本経済が再生するには、成長分野に進出する必要があります。
国際的には、TPP・環太平洋経済連携協定への交渉に参加するかどうかです。

選挙中、自公両党は参加に消極的でした。
これに対して、経済界は、「成長するアジア等で活発にビジネスを進めないと、日本の将来は無い」と、交渉に参加するよう迫っています。

この問題では、強く反対している農業団体を説得できるかどうかが焦点です。

来年夏に参議院議員選挙を控えて、農家の票を逃す事は死活問題でしょうが、日本の将来がどうなるかを考える時、安倍さんのリーダーシップが問われるところです。
 
(国内)
国内でも状況は同じです。

社会保障制度で、将来の不安を取り除いてくれる様に、制度が再構築されたら、皆が安心して消費するようになり、最強の経済対策となります。

成長分野として、医療や介護、それにエネルギー・環境などで、新しい技術やサービスの開発が欠かせません。
 




既に様々なメニューが提案されていますが、関係者の利害調整が進まずに仲々動きません。
火中の栗を拾う勇気を持たない限り、何時になっても状況は変わらないでしょう。

いずれも自民党政権の時代から引き継いだ問題で、何時までも堂々巡りの議論を繰り返さず、今度こそ、安倍さんは政治の責任で長年の宿題を片付けてもらいたいものです
 
(山田伸二 解説委員)







(付録) 財務省のホームページに載っていた記事である。いざとなれば踏み倒す気持ちであるのがはっきり読み取れて面白い。



(以下引用)



日本が財政危機に陥った場合、国債はどうなりますか


【答】

仮に財政危機に陥り、国が信認を失えば、金利の大幅な上昇に伴い国債価額が下落し、家計や企業にも影響を与えるとともに、国の円滑な資金調達が困難になり、政府による様々な支払いに支障が生じるおそれがあります。

そうした事態を招かないよう、財政規律を維持し、財政健全化に努めていく必要があります。





(付録2) 某ブログから転載。


自殺者は今後激増する




「Voice of Russia」より転載。
日本の国家債務とはほとんどが国債だろうが、それがGDPの二倍ということは、利子の支払いだけでも国家予算のかなりな割合を占めることになり、今後の予算編成は相当厳しいものになっていくだろう。しかも、軍事費は増額するというのだから、では削られるのはどこか、ということになる。当然、社会福祉費用削減が真っ先に来るのが過去の定石である。貧しい者、社会的弱者の生活は今後、さらなる窮乏化を余儀なくされるだろう。
自殺者の多くの真の自殺理由は生活困窮である。したがって、今年から来年以降は自殺者が激増することが予測できる。来年には公式発表でも5万人台に上るかもしれない。実数は、もちろん、その数倍である。



(以下引用)






日本政府 経済発展に2300億ドルを拠出へ



8.01.2013, 14:16



日本政府は近く、総額約20兆円(およそ2300億ドル)にのぼる景気刺激策をとる意向だ。本日、日本の各メディアが伝えた。


刺激策のなかには国内貿易、設備投資の発展、デフレ対策のほか、輸出型となっている日本経済に円高が与える影響への対策などが含まれている。

また3月31日までの本年度予算に、12兆円(1400億ドル)の追加予算をつける計画だ。昨年度末時点で日本の国家債務は記録的な数字となる983兆円(11兆3千億ドル)となっており、本年度終了までには1000兆円を超える見込みだ。

国家債務額はすでに日本のGDPの2倍を超えている。





[追記] 1月15日付の記事である。円安について「産業界主体」と「国民主体」の視点の相違からの違いを除けば、私と同意見だ。私とクルーグマンは同レベルということか。(笑)しかも、「深く考えてやっているわけではないだろうが」とか「安倍(首相)はナショナリストで経済政策への関心は乏しく、 それ故に正統派の理論を無視しているのだろう」とか、実に楽しいではないか。


(以下「2ちゃんねるDAYS PLUS」より引用)


【政治】 08年ノーベル経済学賞受賞者の米プリンストン大・クルーグマン教授 「アベノミクス、結果的に完全に正しい」★2


res:1 わいせつ部隊所属φ ★waisetsubutai@gmail.com sage2013/01/14(月) 23:22:36.39 ID:???0

大胆な金融緩和や財政出動で景気底上げを図る安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」が、
ノーベル経済学賞受賞者からも評価されている。

著名な経済学者のお墨付きを得たことで、首相は一段と自信を深めそうだが、
アベノミクスへの期待感が支えになっている円安や株高の持続性には疑問の声もある。

08年のノーベル経済学賞受賞者で、コラムニストとしても知られる米プリンストン大のクルーグマン教授は
11日付ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)のブログで、 安倍首相が目指す経済政策について
「深く考えてやっているわけではないだろうが、結果的に完全に正しい」 と“評価”した。

同氏はかねて、不況脱却のためには大胆な財政・金融政策が必要だと主張。

安倍政権が打ち出した20兆円規模の緊急経済対策や、 日銀に対する強硬な金融緩和の要求に対し、
「(財政出動や金融緩和がインフレを招く側面を強調する)堅物過ぎる理論にとらわれて
他のどの先進国もできなかったこと」と指摘する。

ただ、クルーグマン氏の分析には、皮肉も交じる。 アベノミクスの効果について
「国債の金利は上がらず、円は下がっており、日本に非常によい結果をもたらしている」 と述べる一方、
「安倍(首相)はナショナリストで経済政策への関心は乏しく、 それ故に正統派の理論を無視しているのだろう」 と推測。

金融市場はひとまず好感しているものの、 金融緩和の副作用などに深い洞察を欠いたままの政策運営には、懸念をにじませる。
円相場の急速な下落と日本株の上昇に対しては欧米でも関心が高く、連日報道されている。

ただ、各紙とも持続性には半信半疑で、 英フィナンシャル・タイムズ(FT)は12日の記者コラムで
「過去20年間、日本株に失望させられ続けてきた。今回、何が違うのかは疑問だ。
昔と違い日本が世界に売るものは乏しく、円安は特効薬ではない」 と言及した。

http://mainichi.jp/select/news/20130115k0000m020016000c.html







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コメント

1. 無題

散々なことをされ、散々な目にあって総理を辞めた安倍さんが、再び志すということは、相当な覚悟ができているのだと思います。
弱い人なら、再び志すことはないと思います。そういった面で期待しています。
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