「混沌堂主人雑記(旧題)」所載の「Deeply Japan」記事を転載。
deeply japan氏は深い世界政治知識と深い洞察力の持ち主で、私が敬服しているネット論者のトップレベルである。「櫻井ジャーナル」氏や田中宇氏も尊敬しているが、前者は記事内容に繰り返しが多いこと、後者は「隠れ多極主義者」とか「意図的自滅」などが非常に胡散臭い。一番バランスがいいのがdeeply japan氏かもしれない。
下の記事でも、他の人が言わないEUそのものの「反ロシア主義」が米国より強い、という指摘は的を射ていると思う。
これは実は「ナポレオン戦争」以来の欧州全体としてのロシア憎悪(ロシア恐怖)に共産主義憎悪(今のロシアが共産主義国家でないということは無視される。一度共産主義を標榜したら、永遠にそのスティグマが刻まれるのである。)が重なったものではないか。つまり、「理性ではなく感情の問題」であるわけだ。だから、理性的には奇妙な、自分たちにとって利益にならない行動もやるわけである。ヒトラーの対ソ連戦争も、それをやるメリットはまったく無かっただろうし、結局それがナチスドイツの滅亡を招いたわけで、実は今のEUはナチスドイツの仇打ちをしているという深層心理があるかもしれない。つまり、連中の「反ナチズム」が口先だけの方便だったということだ。そうでなくて、彼らが自らの経済的崩壊を無視してまでネオナチ政権を支援するまともな理由は無いだろう。
(以下引用)
deeply japan氏は深い世界政治知識と深い洞察力の持ち主で、私が敬服しているネット論者のトップレベルである。「櫻井ジャーナル」氏や田中宇氏も尊敬しているが、前者は記事内容に繰り返しが多いこと、後者は「隠れ多極主義者」とか「意図的自滅」などが非常に胡散臭い。一番バランスがいいのがdeeply japan氏かもしれない。
下の記事でも、他の人が言わないEUそのものの「反ロシア主義」が米国より強い、という指摘は的を射ていると思う。
これは実は「ナポレオン戦争」以来の欧州全体としてのロシア憎悪(ロシア恐怖)に共産主義憎悪(今のロシアが共産主義国家でないということは無視される。一度共産主義を標榜したら、永遠にそのスティグマが刻まれるのである。)が重なったものではないか。つまり、「理性ではなく感情の問題」であるわけだ。だから、理性的には奇妙な、自分たちにとって利益にならない行動もやるわけである。ヒトラーの対ソ連戦争も、それをやるメリットはまったく無かっただろうし、結局それがナチスドイツの滅亡を招いたわけで、実は今のEUはナチスドイツの仇打ちをしているという深層心理があるかもしれない。つまり、連中の「反ナチズム」が口先だけの方便だったということだ。そうでなくて、彼らが自らの経済的崩壊を無視してまでネオナチ政権を支援するまともな理由は無いだろう。
(以下引用)
DEEPLY JAPAN より
上記文抜粋
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ヨーロッパが選んだナチ・ウクライナ、そして消耗戦
EUが多種多少な妨害とアホみたいな努力を重ねたが、ハンガリーのオルバンを倒すことはできなかった模様。また、セルビアの現職大統領も当選。
日本語の記事をリンクしようとしたらこんな記事が。
ウクライナ隣国のハンガリーで議会選挙 与党連合勝利の見通し
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220404/k10013566161000.html
未だかつてハンガリーを形容するのに、ウクライナの隣国と示した例はないのでは? 世の中、というか、西側世界、特に欧州と日本のパチモノぶりはスゴイ、というのが私の観察ですね。
前から書いている通り、アメリカは実のところこのロシア攻めに積極的でない人々が一定数顕著に存在したし、今もいる。ネット上に出てきて、ナチのウクライナとかバイデン政権を積極的に批判しているアメリカ人は少なくない。というか、頑張ってる。
それに対して、欧州と日本では、顕著な反・反ロシアは政治勢力としてはないに等しい。一水会さんぐらい?
で、今日のスコット・リッターのtweetが、何かこう、いわく言い難く重要だなと思った。
私はヨーロッパ大陸で育ち、大陸中を広く移動したことがあって、そこには友達も家族もいる。彼らがこれから経験する経済的、社会的痛みについて思うと気の毒に思いたくなる。しかし、彼らはその痛みをロシアに押し付けようとしたことも忘れない。
だそうですよ。フェアなジャッジメントでしょう。私もそう思う。
ロシアの悪者化が著しかったのは、アメリカというより、イギリスやドイツだと思う。そして、ここらへんはロシア経済を破壊して一般人を苦しめようという政策に反対する傾向も見えない。
で、多分、ヨーロッパ人たちは、アメリカについて行くからこうなるのだ、と思ってると思うんです。しかし、それは本当だろうか?
ミンスク合意を自分で結ばせて、その後無視して反故にしたおばさんはドイツ人ではないの?
メルケルは、プーチンに、オデッサの虐殺について目の前で言及されても無視した人でもある。この根性はスゴイ。
ロシア経済を崩すと積極的に制裁をかけたフォン・デル・ライエンもドイツ人。核ミサイルを撃つからなと脅したおばさんもそう。
トランプが出てきた時烈火のごとく怒ったのもここらへんの人。
ということなので、イギリス、ドイツ、フランス、あるいはEU全体は、2014年からここまでのNATO vs ロシアの戦争の主要なプレーヤーなわけです。
■ オマケ:2017年5月プーチン
プーチンが2017年5月に、ソチに来たメルケルの隣で、2015年5月2日にオデッサで起こった事件についてこう語った。
あなたは覚えていらっしゃるかもしれませんが、3年前、オデッサでとてつもない悲劇が起こりました。ウクライナの過激なナショナリストたちが無防備な人々をオデッサのトレードユニオンビルに追いやり、そこで生きたまま焼きました。未だに誰に責任があるのか判明していません。グローバルコミュニティには、これを忘れる権利はありません。同じようなことが将来二度と起こらないようにするためです。
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/60124463bbeb6367ea9039f567843ff9
忘れさせないと言った通り、これらの犯罪者は名前を明かされ、処罰されるものと思う。そして、オデッサで処罰することを考えていると思う。
■ EU
で、どうしてこんなにヨーロッパが突っ込んだのか、というのが問題なんだろうと思うわけですが、イギリスについては、多くの人が指摘するように、マッキンダー以来の世界支配願望の話がそれなりに有効だと思う。では大陸はどうなのか。多分、それは結局EU問題に突き当たるんじゃなかろうか。結局、UKを含むEUとNATOというのが戦犯の中心なんじゃないのか、と私は漠然と思ってる。あるいは、ステルス帝国を作ったヨーロッパ集団、みたいな感じ。
思えば、2014年頃に、LIBOR問題というのがあった。また、2008年のリーマンショック以来、EUはどれだけ加盟国を苦しめてきたことか、というのもある。ここらへんの政策の行き詰まりは、見逃せない要因だと思う。
(金をじゃんじゃん刷って、戦争やって破綻させて、「リセット」して、欧州合同で恒久的な債券を発行しようとしているんだろう、と噂があるのはそのためでしょう。)
ぶっちゃけ、財金から見た時、アメリカの状況も酷いが、ヨーロッパの方がさらに酷いと思う。そして、長期的にみればアメリカには立て直すことが可能なリソースと人材がないことはないな、というところだが、ヨーロッパはかなり怪しい。
日本は、基本設計がアメリカ覇権こそ永遠なれで、その一番弟子であることが信用の担保みたいにな感じなので、これが崩れた時、果たして日本の信用って何だろうということになる。
■ ルーブル払い続報
そんな中、予想通り、ガスのみならず、その他の物品についてもルーブル払いに切り替える動きが続くとロシア大統領府のペシュコフ報道官が言っている。
Ruble Payment Scheme Russia Uses With Gas Will Be Extended to New Groups of Goods in Future - Peskov
ロシアの原子力機関ロスコスモスも準備できてます、だそうだ。
Russia's Rosatom Sees No Problem Switching to Payments in Rubles
石油、天然ガス、穀物、希少金属などの話はよく出るけど、ロシアは世界の原発の燃料も供給している。確か、17%ぐらいと昨年読んだ。それもルーブル払いを求める模様。アメリカも、欧州のいくつかの国も顧客。どうするんだろうか。
実際、ドルとユーロの安定使用を塞がれた以上、仕方ないわけですが、それでもルーブル支払いなどまかりならんとEUは言うのだろうか。見ものだ。
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