「増田俊男の『時事直言』」から転載。
半分(特に後半の自慢話)は法螺話だという気もするが、面白い情報も入っている。特に、ストロス・カーンの強姦事件が冤罪だったとNY地裁が発表していた、というのは初耳だ。この事件については「櫻井ジャーナル」氏なども最初から冤罪だと判断し、私もそう思い、そう書いてきた。金も地位もある名士が、何が悲しくて、ホテル清掃員の不細工なオバハンを強姦しなければならないのか。
それはともかく、IMFもドル一極支配を清算し、複数通貨で決済をする方向に持っていきたいと考えている、と下の記事から推定できるが、それが本当なら、やはりAIIBに日本も参加すべきだろう。そして、大方針として、ドルからの逃避を段階的に進めていくべきかと思われる。
まあ、IMFはアメリカの支配下にある、というこれまでの説と矛盾することを私が書いていると思われるかもしれないが、矛盾はしていない。アメリカとは言っても、アメリカ支配層、つまり経済界の支配をIMFは受けているのでありアメリカ政府の支配を受けているわけではない、ということだ。
経済支配層は政治にも大きな影響力を持つが、政治支配層は、少なくとも表向きにはやはりアメリカ政府ではある。政治支配層はたとえ経済支配層の道具にすぎなくても、道具無しでは仕事はできない。そしてこの道具にはそれ自体の意思もある。そこで、しばしばこの両者の分裂行動が生じる、ということだろう。ただし、この両者の利害はだいたい一致しているから、足並みが揃わないのは単に伝達障害や意思の不一致によるタイムラグがあるだけだ、ということではないか。
あるいは、アメリカ政府はドル基軸体制をできるだけ長引かせ、その間にアメリカ経済支配層はドル基軸体制崩壊後の体制へのシフトを完了させる、と考えれば、この両者の行動には何の矛盾も齟齬も無いことになる。
(以下引用)
平成27年3月18日
私は「小冊子」(Vol.64)でIMF(国際通貨基金)が進めているSDR(特別引出権)を中心としたドルに代わる新基軸通貨について述べ、当時(2010年)基軸通貨ドルとFRB(連邦準備理事会)の金保有高に疑問を表明していたIMF専務理事ドミニク・ストロス・カーン氏が破廉恥罪容疑でニューヨーク市警に逮捕され、フランスへ送還されたが、後に事件がでっち上げであったとNY地裁が発表した事件や、当時財務大臣でありカーン氏と親交深い中川昭一氏(不慮の死)も外貨準備のドル資産一辺倒に危機感を持っていたことなど述べた。カーン氏のIMF専務理事失脚後の2011年6月、現在の専務理事ラガルド氏とカルテンス・メキシコ中央銀行総裁と専務理事の座を争ったが中国はラガルド氏を強力に支持した。以後ラガルド氏は毎年3月中国とIMF改革の為の会合を持ち続けてきたが、今回の訪問は3月19日から23日の予定。IMFは5年ごとにSDRバスケット(現在はドル、ユーロ、ポンド、円が参加)の検討をすることになっていて、今年はその年に当たる。IMFの報道部は人民元をバスケットに加える交渉が行われると発表しているが、もし採用になれば来年2016年1月から実効となる。SDRバスケット入りには輸出高と通貨の流動性が条件になっていて、前回2010年のSDRバスケット見直し時では中国の輸出高は問題なかったが人民元の流通性が低かったのでバスケット入りは果たせなかった。
中国は2010年以降積極的に国際貿易における人民元の占拠率を高めていて、さらに本年10月以降人民元を自由化するので人民元がSDR主要バスケット通貨に加わることは確実である。中国がAIIBを本年発足させるのと人民元がSDRバスケット通貨になるのとは深い関係がある。
IMFはドル基軸をSDR基軸に代えるべきだとし、中国はSDRバスケットをG20まで広げるべきとしている。AIIB発足は国際通貨制度改革、つまりドル基軸制の終焉が前提であり、ドルを基軸とした国際金融機関から中国を中心に後進国、新興国、先進国が参加する新通貨制度(SDR)をベースにした国際金融機関を目指している。つまりAIIBの発足は、アメリカ一国の意志で返済不能の米国債と株式を買って見た目をごまかすために発行されるドルを世界通貨にしておくわけにはいかないという世界のコンセンサスに基づいている。
アメリカは昨年から日本、韓国、豪州等同盟国やEU主要国にAIIBに加盟しないよう訴えていたが、英国を筆頭にドイツ、フランス、その他の先進国は加盟を決めた。菅官房長官はアメリカの国務省のスポークスマン発表を正確に翻訳した通りのコメントを発表して、加盟に消極的発言をしたためアメリカと日本だけが取り残された。私は昨年から英国はもとよりEUの主要国が加盟することは分かっていたので、アメリカの反対を押し切ってでも、いの一番で加盟宣言をすることを自民党の大物と財務省の知り合いの高官に進言していた。そうすれば日本主導で先進国がAIIBに参加するような形になり、アメリカもアジアで孤立出来ないのでやがて参加すれば中国は日本に感謝し日本を最重視せざるを得なくなる。しかし結果は「猫に小判」でした。このまま日本がアメリカ隷属ならアジアで孤立し、将来アメリカと共に参加すれば日本は中国に軽蔑されると同時に最も軽視される。日本の政治年齢はマッカーサーのGHQ時代は14歳だったが今はマイナス7歳。私の政治力学の才能がアメリカ、欧州、中国ばかりで生かされ日本で全く使えないのが残念である。
半分(特に後半の自慢話)は法螺話だという気もするが、面白い情報も入っている。特に、ストロス・カーンの強姦事件が冤罪だったとNY地裁が発表していた、というのは初耳だ。この事件については「櫻井ジャーナル」氏なども最初から冤罪だと判断し、私もそう思い、そう書いてきた。金も地位もある名士が、何が悲しくて、ホテル清掃員の不細工なオバハンを強姦しなければならないのか。
それはともかく、IMFもドル一極支配を清算し、複数通貨で決済をする方向に持っていきたいと考えている、と下の記事から推定できるが、それが本当なら、やはりAIIBに日本も参加すべきだろう。そして、大方針として、ドルからの逃避を段階的に進めていくべきかと思われる。
まあ、IMFはアメリカの支配下にある、というこれまでの説と矛盾することを私が書いていると思われるかもしれないが、矛盾はしていない。アメリカとは言っても、アメリカ支配層、つまり経済界の支配をIMFは受けているのでありアメリカ政府の支配を受けているわけではない、ということだ。
経済支配層は政治にも大きな影響力を持つが、政治支配層は、少なくとも表向きにはやはりアメリカ政府ではある。政治支配層はたとえ経済支配層の道具にすぎなくても、道具無しでは仕事はできない。そしてこの道具にはそれ自体の意思もある。そこで、しばしばこの両者の分裂行動が生じる、ということだろう。ただし、この両者の利害はだいたい一致しているから、足並みが揃わないのは単に伝達障害や意思の不一致によるタイムラグがあるだけだ、ということではないか。
あるいは、アメリカ政府はドル基軸体制をできるだけ長引かせ、その間にアメリカ経済支配層はドル基軸体制崩壊後の体制へのシフトを完了させる、と考えれば、この両者の行動には何の矛盾も齟齬も無いことになる。
(以下引用)
平成27年3月18日
AIIB(アジア・インフラ投資銀行)とIMFの国際通貨制度改革
[その1]
中国は2010年以降積極的に国際貿易における人民元の占拠率を高めていて、さらに本年10月以降人民元を自由化するので人民元がSDR主要バスケット通貨に加わることは確実である。中国がAIIBを本年発足させるのと人民元がSDRバスケット通貨になるのとは深い関係がある。
IMFはドル基軸をSDR基軸に代えるべきだとし、中国はSDRバスケットをG20まで広げるべきとしている。AIIB発足は国際通貨制度改革、つまりドル基軸制の終焉が前提であり、ドルを基軸とした国際金融機関から中国を中心に後進国、新興国、先進国が参加する新通貨制度(SDR)をベースにした国際金融機関を目指している。つまりAIIBの発足は、アメリカ一国の意志で返済不能の米国債と株式を買って見た目をごまかすために発行されるドルを世界通貨にしておくわけにはいかないという世界のコンセンサスに基づいている。
アメリカは昨年から日本、韓国、豪州等同盟国やEU主要国にAIIBに加盟しないよう訴えていたが、英国を筆頭にドイツ、フランス、その他の先進国は加盟を決めた。菅官房長官はアメリカの国務省のスポークスマン発表を正確に翻訳した通りのコメントを発表して、加盟に消極的発言をしたためアメリカと日本だけが取り残された。私は昨年から英国はもとよりEUの主要国が加盟することは分かっていたので、アメリカの反対を押し切ってでも、いの一番で加盟宣言をすることを自民党の大物と財務省の知り合いの高官に進言していた。そうすれば日本主導で先進国がAIIBに参加するような形になり、アメリカもアジアで孤立出来ないのでやがて参加すれば中国は日本に感謝し日本を最重視せざるを得なくなる。しかし結果は「猫に小判」でした。このまま日本がアメリカ隷属ならアジアで孤立し、将来アメリカと共に参加すれば日本は中国に軽蔑されると同時に最も軽視される。日本の政治年齢はマッカーサーのGHQ時代は14歳だったが今はマイナス7歳。私の政治力学の才能がアメリカ、欧州、中国ばかりで生かされ日本で全く使えないのが残念である。
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