「デマこい!」というブログから抜粋転載。
転載の理由は、重要なグラフがここには含まれているからだ。
日本の労働分配率が先進国の中でも異様に低く、しかもそれは80年代以降、急激に落ち込んできたことが分かる。
意外なのは、バブル期であった80年代に既に落ち込みは始まっていた、ということだ。むしろ、バブル崩壊後の数年間は微増している。あのバブルの頃にカネを持っていたのは、ごく一部の人間だけであったということだろう。証券会社、不動産会社、金融業者、マスコミ・広告業界、その他か。後は、「世間は好景気らしい」という風評を信じ込んでいただけだろう。
マスコミであの頃頻繁に報じられた、ジュリアナで踊り狂うボディコンギャルは、イラク戦争の時の石油にまみれた水鳥の写真と同様、マスコミによって作られた虚偽のイコン(偶像・象徴。正確にはギリシア正教の聖画像。)だったのではないだろうか。
それはともかく、1980年に73%だった労働分配率が2010年に60%まで低下したとしたら、その30年間で日本の労働者の生活水準は、非常に雑な計算をすれば(73-60)/73=0.178で、およそ18%低下し、単純化すれば20%、つまり2割下がったと言える。しかもこれは2011年の東日本大震災以前のことだから、その後の日本経済の落ち込みを考えれば、(消費税増税や物価高を計算に入れなくても)企業の自己防衛上、労働者賃金は抑制するはずだから、(実際、派遣労働者は年を追うごとに比率が増えている。)今では3割近い生活水準低下になったのではないだろうか。
なお、数学的には労働分配率の各年度の数字のような「割合」の数字を割合の数字で割るという操作は誤りだが、概算としては許されるだろう。ガウスだったと思うが、「数学とは、同じではないものを同じと看做す技術である」と言っているという。これは数学の意外な本質だと私は思っている。だからこそ数学は現実的に利用できるのである。
これは余談だが「デマこい!」とは、「デマ来い!」の意味ではなく、「デマこいてんじゃねえ!」の略であるらしい。誤解を生むような省略だ。
(以下引用)
転載の理由は、重要なグラフがここには含まれているからだ。
日本の労働分配率が先進国の中でも異様に低く、しかもそれは80年代以降、急激に落ち込んできたことが分かる。
意外なのは、バブル期であった80年代に既に落ち込みは始まっていた、ということだ。むしろ、バブル崩壊後の数年間は微増している。あのバブルの頃にカネを持っていたのは、ごく一部の人間だけであったということだろう。証券会社、不動産会社、金融業者、マスコミ・広告業界、その他か。後は、「世間は好景気らしい」という風評を信じ込んでいただけだろう。
マスコミであの頃頻繁に報じられた、ジュリアナで踊り狂うボディコンギャルは、イラク戦争の時の石油にまみれた水鳥の写真と同様、マスコミによって作られた虚偽のイコン(偶像・象徴。正確にはギリシア正教の聖画像。)だったのではないだろうか。
それはともかく、1980年に73%だった労働分配率が2010年に60%まで低下したとしたら、その30年間で日本の労働者の生活水準は、非常に雑な計算をすれば(73-60)/73=0.178で、およそ18%低下し、単純化すれば20%、つまり2割下がったと言える。しかもこれは2011年の東日本大震災以前のことだから、その後の日本経済の落ち込みを考えれば、(消費税増税や物価高を計算に入れなくても)企業の自己防衛上、労働者賃金は抑制するはずだから、(実際、派遣労働者は年を追うごとに比率が増えている。)今では3割近い生活水準低下になったのではないだろうか。
なお、数学的には労働分配率の各年度の数字のような「割合」の数字を割合の数字で割るという操作は誤りだが、概算としては許されるだろう。ガウスだったと思うが、「数学とは、同じではないものを同じと看做す技術である」と言っているという。これは数学の意外な本質だと私は思っている。だからこそ数学は現実的に利用できるのである。
これは余談だが「デマこい!」とは、「デマ来い!」の意味ではなく、「デマこいてんじゃねえ!」の略であるらしい。誤解を生むような省略だ。
(以下引用)
とはいえ、今の日本で追加報酬を支払うのは(その是非は別として)あまり現実的ではないだろう。
労働分配率とは、生産活動によって得られた付加価値のうち、労働者がどれだけ受け取ったのかを示す指標だ。経済活動で得られた収益が、どのくらい労働者に行き渡っているかを示している。そして現在、労働分配率は世界規模で低下しているらしい[3]。
労働分配率は、景気が悪くなると上昇する傾向がある。企業の収益は伸び悩むが、人件費の削減には時間がかかるからだ。たとえば上記のグラフを見ると、バブル崩壊後の不況に陥った1990年代や、リーマンショックの起きた2008年には、日本の労働分配率は上昇している。
一方、景気がよくなっても、企業の収益が労働者の報酬に転化されるとは限らない。たとえば日本では2001年から小泉政権による「聖域なき構造改革」が始まり、2006年ごろには「日本は好景気に入った」という言説が目立つようになった。しかし人件費は増加しなかったため、労働分配率はきわめて低水準まで落ち込んだ。
企業の目的は利益を追求して資本家に配当することであり、雇用を創出することではない。それが良いことか悪いことかは別として、現在の資本主義のもとでは「企業」はそういう存在として想定されている。景気が悪化すれば、企業は利益確保のために人件費を削ろうとする。しかし、好景気になったからといって人件費を上乗せしない。人件費を増やす積極的な理由がないからだ。
かくして労働分配率は下がり続け、所得のトリクルダウンは起こらない。
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