小泉純一郎・竹中平蔵政権が登場したのが2000年前後で、彼らは、「日本を金融(博打)国家にする」と宣言し、労働者の基本的権利を奪い、日本国民の半分を臨時(派遣)労働者に変え、正規採用の権利や収入を奪い去った。
 日本国家に「新自由主義」思想を持ち込んだのは中曽根康弘だが、それを実現したのが竹中平蔵と自民党である。
 https://www.mag2.com/p/news/534261

 余裕のある人々はFXや株、投機に走り、賃金労働者としての暮らしではなく、金転がしの不労所得に血眼になる時代がやってきた。
 だが、金融(博打)によって、本当に私財を拡大した人などほとんどいない。投機に夢中になった人々の大半が、リーマンショックなどの先物取引で大きな損失を被った。

 実は、投機社会で本当に儲けるのは、巨大金融資本だけであると最初からわかりきっていた。
 民衆が、スパコンで0.001秒単位の先物取引をする金融資本に勝てる道理がなかったのだ。投機熱は、GSやモルガンなどユダヤ金融資本を儲けさせるために仕組まれていたのだ。民衆から博打資金を吸い上げるためのシステムでしかなかった。

 竹中は、派遣企業の元締めであるパソナという会社の会長に納まり、自分が産み出した非正規雇用システムでボロ儲けをした。
 自分の政治的立場を利用して、オリンピックで、立場を利用して派遣契約を独占し、派遣一人あたり40万円を国に請求し、実際に派遣に支払った日当は1万円と少しだけだった。
 残りは、竹中が中抜きして、自分の懐に収めた。
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/310288

 戦後、「政商」と呼ばれた悪どい人物は、小佐野賢治や五島慶太が有名だが、国からかすめ取った金額の多さと、悪質性でいえば竹中平蔵がナンバーワンに君臨している。
 何せ、「日本経済が低迷する原因が、労働者の過保護にある」と決めつけ、日本人の数割の正規雇用を廃止して、臨時(派遣)労働者に変えてしまい、退職金やボーナスも払わず、自由に解雇できるように変えてしまい、その派遣企業のボスに収まったのだ。

 この小泉=竹中路線を引き継いだのが麻生太郎や安倍晋三だった。彼らは、次々に消費税を上げて、国民の生活を窮地に追い込み、購買力を奪った結果、日本の産業経済の低迷が固定化されてしまった。
 「失われた30年」をもたらした悪魔の正体は、消費税だったことがはっきりしている。

 消費税によって民衆の購買力が低下したことには、どんな意味があったのか?
 それはニューデール大恐慌のときに経済学者として登場したケインズが、「社会経済を本当に支えているものは、資本家の金ではなく、底辺の労働者による消費である」と指摘し、経済を活況に導くためには、社会資本の投下から、労働者に金が渡ることである本質を明らかにしたことでわかる。

 つまり、金持ちも底辺の労働者も、消費支出に大きな差はない。金持ちの余剰資金は、基本的に投機と貯蓄に使われるが、労働者の資金は、消費に使われ、直接社会を動かす役割を持っているということだ。
 社会を潤滑回転させる金は投機資金ではなく、生活のための消費資金である。だから、その消費資金を強奪する消費税が、社会経済にとって最悪の存在になる仕組みなのだ。
 だが、安倍政権は、投機資金を減税し、消費資金である消費税を増税するという、経済にとって最悪の政策を実行したのである。だから、社会に金が回らなくなった。
 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BA

逆の意味で、第一次世界大戦で賠償金などのため、どん底の疲弊に陥ったドイツでは、ヒャルマル・シャハト経済相が、アウトバーン建設という社会投資を行い、集められた労働者に、政府から直接、給与が手渡された。これは竹中平蔵のような中抜き搾取を阻止するためだ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%8F%E3%83%88
 ドイツ労働者の手に手渡された生活資金は、たちまち社会全体に回り、国家経済を活性化させた。ドイツは、もの凄い勢いで復興を始めた。

 もしも、これが底辺の労働者に直接手渡されるものでなかった金だったなら、それが大金持ちの投機資金にしか使われなかったとしたなら、ドイツ経済の活性化と復興はなかっただろう。
 日本の場合、竹中平蔵の登場以降、労働者から、あたかも人頭税のように吸い上げる消費税を次々に上げて生活を窮乏させるのと対象的に、大企業には次々に減税を行い、日本の巨大企業は、2021年には、実に500兆円を超える内部留保を蓄積し、それは投機資金としてのみ使われ、社会に還元されることはなかった。

 だから、大企業はますます富み、底辺の国民はますます窮乏する社会がやってきて、国民は金持ちと貧乏人に見事に二極化される格差社会になり、社会全体に金が回らず、窒息してしまう企業が続出する状況になった。
 小泉純一郎・竹中平蔵のせいで、日本は正真正銘の貧乏国家に成り下がった。そして安倍晋三と、それを引き継ぐ、岸田文雄が、ますます民衆の窮乏を加速し、社会全体に血液として循環すべき、消費資金を枯渇させていったのだ。