数値化するために、評価AからEまでを5~1点と換算する。そして内需型ポイント(国内需要+イノベーション可能性)を(内)、外需型ポイント(海外需要+国際競争力+イノベーション可能性)を(外)としておく。もちろん、(外)のほうが項目数が多い分、数値は高くなるので、(内)は2で割り、(外)は3で割った数値でないと(内)と(外)の比較はできない。ここでは、(内)の中で得点上位の項目と(外)の中で得点上位の項目は何かを見るだけだ。
1.農業、林業(国内需要A、海外需要D、国際競争力E、イノベーション可能性A):(内)10点(外)8点
2.漁業(国内需要B、海外需要C、国際競争力B、イノベーション可能性D):(内)6点(外)9点
3.鉱業、採石業、砂利採取業(国内需要B、海外需要D、国際競争力E、イノベーション可能性E):(内)5点(外)4点
4.建設業(国内需要B、海外需要B、国際競争力C、イノベーション可能性B):(内)8点(外)11点
5.製造業(国内需要C、海外需要C、国際競争力D、イノベーション可能性D):(内)5点(外)7点
6.電気・ガス・熱供給・水道業(国内需要A、海外需要B、国際競争力D、イノベーション可能性D):(内)7点(外)8点
7.情報通信業(国内需要B、海外需要C、国際競争力C、イノベーション可能性D):(内)6点(外)8点
8.運輸業、郵便業(国内需要B、海外需要C、国際競争力D、イノベーション可能性B):(内)8点(外)9点
9.卸売業、小売業(国内需要A、海外需要D、国際競争力D、イノベーション可能性D):(内)9点(外)6点
10.金融業、保険業(国内需要C、海外需要E、国際競争力C、イノベーション可能性E):(内)4点(外)5点
11.不動産業、物品賃貸業(国内需要B、海外需要D、国際競争力E、イノベーション可能性B):(内)8点(外)7点
12.学術研究、専門・技術サービス(国内需要B、海外需要D、国際競争力D、イノベーション可能性C):(内)7点(外)7点
13.宿泊業、飲食サービス業(国内需要B、海外需要B、国際競争力C、イノベーション可能性B):(内)8点(外)11点
14.生活関連サービス業、娯楽業(国内需要B、海外需要B、国際競争力D、イノベーション可能性A):(内)9点(外)11点
15.教育、学習支援業(国内需要C、海外需要E、国際競争力D、イノベーション可能性D):(内)5点(外)5点
16.医療、福祉(国内需要A、海外需要D、国際競争力D、イノベーション可能性D):(内)7点(外)6点
17.複合サービス事業(? ? ? ?)
18.他に分類されないサービス業(? ? ? ?)
19.公務(国内需要A、海外需要E、国際競争力?、イノベーション可能性A):(内)10点(外)6+α
20.分類不能の産業(? ? ? ?)
それぞれの上位をリスト化する。Cは現状維持であるから、「成長産業」に入るには平均でCより少しでも上、つまり内需型なら7点以上、外需型なら10点以上が条件となる。さらに、ほとんどの場合はイノベーション(技術やシステムの革新)があっての話だ。
Ⅰ(内需型成長可能産業)
1 10点:農業・林業、公務
2 9点:卸売・小売業、生活関連サービス業、娯楽業
3 8点:建設業、運輸・通信業、不動産業、物品賃貸業、宿泊業、飲食サービス業
4 7点:電気・ガス・熱供給・水道業、学術研究・専門技術サービス、医療・福祉
Ⅱ(外需型成長可能産業)
1 11点:建設業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業
2 10点:なし
私の直感が正しいなら、外需でこれから成長する産業はほとんど無い、ということである。そして、外需型成長産業に入った産業は内需型でも成長可能産業に入っているが、内需型の最上位というわけではない。まあ、以上の直感的評価は、イノベーションが可能かどうか、という面が大きなファクターなので、これらの産業が必ず成長するというわけではない。しかも、「公務」など、無駄の極みだからこそイノベーションの余地が大きいが、まず改革はしないだろう、と思われるから、上記リストから外してもいいのであるwww
なお、製造業などでイノベーションが期待できないのは、正社員を非正規社員に代えてしまった結果、技術の継承が不可能になり、新しい技術が生まれることも不可能になったからである。
結論を言うなら、日本経済の「拡大」は無い。しかし、内需面ではいくらでも改善の余地があるので、内需型産業は発展するだろう。しかし「外貨獲得」は無いから、GDPは増えない。少子化も考慮すれば、GDPは減少する。内需型産業の発展はGDPの向上ではなく、生活の質の向上という形で表れてくるだろう。
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