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保育士資格を持っているが、現在は退職するなどして保育所で働いていない「潜在保育士」の63.4%が、「給与への不満」を理由に退職したことが、弁護士ドットコムニュースが保育士の転職サービスを行う「ウェルクス」と共同で実施したアンケートでわかった。退職時のエピソードとして、「破水しても保育士の人数がギリギリだったためすぐに早退できず、結果流産」「時給850円で責任者までやったが給料は無資格の人と変わらず」などがあった。



アンケートは、4月1日から5日にかけて、ウェルクスが運営するウェブサイト「ほいくみー」上で実施。全国の潜在保育士213人から回答が集まった。



●手取り給与「15万円以下」が半数


保育士を辞めた理由(複数回答)として最も多かったのは「給与への不満」で63.4%、次いで「業務量・残業の多さへの不満」が60.1%、「上司・同僚との人間関係の悩み」が44.6%だった。



現役時代の給与はどのくらいだったのだろうか。保育士として働いていた最後の月の手取り給与額を聞いたところ、「15万円未満」が54.5%、「15~20万円」が37.1%で、手取り給与20万円以下が9割を占めた。



●「時間外労働手当は100%支払われません」


保育士を辞めようと思った際のエピソードを自由回答で尋ねたところ、給料の低さや、その額に見合わない膨大な業務量、職場の人間関係の悪さに対する苦痛の声が多数寄せられた。象徴的なものは以下のとおりだ。



「時間外労働手当は100%支払われません。疲労が蓄積して事故につながってはいけないという思いと、現場の保育士不足による事務量の多さからこれ以上続けられないと思い、辞めようと決めました」



「妊娠中、体調を崩しても早退・欠勤は許されず、勤務中破水しても保育士の人数がギリギリだったためすぐに早退できず、結果流産しました。退院後復帰しましたが、まともに休憩も取れない毎日…やはり体調は優れず、家事との両立も難しかったこと、また妊娠したときの不安を抱えながら働き続けることが出来ず、退職を決めました」



「時給850円で責任者までやったが給料は無資格の人と変わらず、尚且つ仕事量は増える。持ち帰り仕事も多く自分の子どもの育児もままならなくなり辞めました」



「はたらけど、はたらけど、我が暮らし、楽にならず」



「疲れて帰ってきて育児して主婦して仕事も更にして。書き仕事に壁面の製作。ピアノの練習、行事が来れば衣装作り。せんぱいや園長にダメ出しされる度に睡眠時間がなくなってた。そしてつぎの日は7時出勤とか(笑)。休みもないし給料も少ない子どもが熱を出しても人手が足りないから嫌みばっかり言われたな」



なお、現場復帰問題についての調査結果は、『「給料あげろ!そしたら戻る!」元保育士の8割「復帰したくない」<調査結果・上>(https://www.bengo4.com/internet/n_4526/)』にまとめている。



※回答者属性※



<性別>女性(95.3%)、男性(3.3%)、不明(1.4%)


<年齢>18~19歳(0.5%)、20~24歳(8.5%)、25~29歳(27.7%)、30~34歳(23.5%)、35~39歳(15.0%)、40~44歳(13.1%)、45歳以上(11.7%)


<最後に働いていた保育園の雇用>正規(62.4%)、非正規(37.6%)


<最後に働いていた保育園の形態>公立(19.2%)、私立(78.9%)、不明(1.9%)



アンケートの結果は、「ほいくみー」(https://hoiku-me.com/other/nurture-news/28446/)でも見ることができる。


(弁護士ドットコムニュース)