石原慎太郎という男は、若いころは才能のある作家だったが、今ではただの権力亡者で狂人的右翼でしかない。
その彼が若いころに書いた「完全なる遊戯」は、無軌道な若者たちが知恵遅れの若い女性を輪姦し、殺して捨てるという無道徳の極みの話で、例の女子高生コンクリート詰め殺人事件の魁となるような話であった。もちろん、彼の出世作「太陽の季節」の生々しい性描写が、日本の小説界の性表現のハードルを一気に低くしたことは言うまでもない。
そういう人間が、マンガの性表現を規制するなどと、よく言えるものである。「文学」なら許されるが、マンガなどという「低俗なもの」での性表現は許さないと言う気だろうか。狂った論理であり、老害もはなはだしいと言うべきだろう。
それ以前に、彼は女性差別、老人差別、障害者差別の言動を無数に行ってきており、そんな人間は、普通なら社会的地位をとっくに剝脱されているはずなのに、まだ東京都知事の地位にある。それを許している東京都民は、世界最低の市民であるという自覚を持つしかないだろう。
これまで健全そのものの漫画しか描いたことがなく、自分の作品ではほとんど性描写をしたことがないちばてつや氏が、なぜこの表現規制反対の先頭に立っているのか、その意味を考えてほしい。転載した記事のタイトルにもあるように、それは表現規制問題の「蟻の一穴」になる法律だからである。
(以下引用)
こんな暴挙を許していいのか
●こういうことがアリの一穴になる
18歳以下に見える漫画・アニメの主人公を「非実在青少年」と呼んで、性的描写を規制しようという東京都青少年健全育成条例改正案が可決の見通しだ。
今春は民主党など野党の反対で廃案になったが、12月の都議会に再提出され、今回は民主党が賛成に回りそうなのだ。
「従来の改正案で問題にしてきた点が、ほとんど修正された。これなら反対の理由が見つけにくい」(民主党都議)というが、冗談ではない。
「マンガはなぜ規制されるのか」(平凡社新書)の著者の長岡義幸氏は「一見、春の改正案よりも穏やかになったように見えますが、実は漫画規制の対象範囲は拡大している」と言う。
今回の改正案で東京都は「不健全図書」と指定できる対象をこう定義した。
「漫画・アニメ等の画像(実写を除く)で刑罰法規に触れる性交又は性交類似行為を不当に賛美し誇張するように描くこと」
また、春にはなかった「近親婚や近親者の性行為」も対象とした。東京は出版社が集中している。都条例が「刑罰法規に触れる性行為を描写した漫画」を「不健全図書」として規制し、漫画家や編集者の上に「検閲者」として君臨すれば、「表現の自由」は脅かされてしまう。ちばてつや、里中満智子など漫画家の反対も強かったが、石原都知事は9月18日の記者会見で、こう言い放った。
「その連中、芸術家かどうか知らないけれど、そんなことぐらいで描きたいものが描けなくなった、そんなものは作家じゃない。ほんとに言わせりゃある意味で卑しい仕事をしているわけだから」
ひどい言い草ではないか。
日本ペンクラブは「言論・表現にかかわる私たちは、戦前の日本の為政者たちが青少年の健全育成をタテに、まず漫画をはじめとする子ども文化を規制し、たちまち一般の言論・表現の自由を踏みにじっていった歴史を思い起こさないわけにはいかない」と反対声明を発表した。民主党の賛成で12月15日には可決・成立の可能性が高まっているが、都民のほとんどが知らないうちに、こんな暴挙が許されるのか。
その彼が若いころに書いた「完全なる遊戯」は、無軌道な若者たちが知恵遅れの若い女性を輪姦し、殺して捨てるという無道徳の極みの話で、例の女子高生コンクリート詰め殺人事件の魁となるような話であった。もちろん、彼の出世作「太陽の季節」の生々しい性描写が、日本の小説界の性表現のハードルを一気に低くしたことは言うまでもない。
そういう人間が、マンガの性表現を規制するなどと、よく言えるものである。「文学」なら許されるが、マンガなどという「低俗なもの」での性表現は許さないと言う気だろうか。狂った論理であり、老害もはなはだしいと言うべきだろう。
それ以前に、彼は女性差別、老人差別、障害者差別の言動を無数に行ってきており、そんな人間は、普通なら社会的地位をとっくに剝脱されているはずなのに、まだ東京都知事の地位にある。それを許している東京都民は、世界最低の市民であるという自覚を持つしかないだろう。
これまで健全そのものの漫画しか描いたことがなく、自分の作品ではほとんど性描写をしたことがないちばてつや氏が、なぜこの表現規制反対の先頭に立っているのか、その意味を考えてほしい。転載した記事のタイトルにもあるように、それは表現規制問題の「蟻の一穴」になる法律だからである。
(以下引用)
こんな暴挙を許していいのか
●こういうことがアリの一穴になる
18歳以下に見える漫画・アニメの主人公を「非実在青少年」と呼んで、性的描写を規制しようという東京都青少年健全育成条例改正案が可決の見通しだ。
今春は民主党など野党の反対で廃案になったが、12月の都議会に再提出され、今回は民主党が賛成に回りそうなのだ。
「従来の改正案で問題にしてきた点が、ほとんど修正された。これなら反対の理由が見つけにくい」(民主党都議)というが、冗談ではない。
「マンガはなぜ規制されるのか」(平凡社新書)の著者の長岡義幸氏は「一見、春の改正案よりも穏やかになったように見えますが、実は漫画規制の対象範囲は拡大している」と言う。
今回の改正案で東京都は「不健全図書」と指定できる対象をこう定義した。
「漫画・アニメ等の画像(実写を除く)で刑罰法規に触れる性交又は性交類似行為を不当に賛美し誇張するように描くこと」
また、春にはなかった「近親婚や近親者の性行為」も対象とした。東京は出版社が集中している。都条例が「刑罰法規に触れる性行為を描写した漫画」を「不健全図書」として規制し、漫画家や編集者の上に「検閲者」として君臨すれば、「表現の自由」は脅かされてしまう。ちばてつや、里中満智子など漫画家の反対も強かったが、石原都知事は9月18日の記者会見で、こう言い放った。
「その連中、芸術家かどうか知らないけれど、そんなことぐらいで描きたいものが描けなくなった、そんなものは作家じゃない。ほんとに言わせりゃある意味で卑しい仕事をしているわけだから」
ひどい言い草ではないか。
日本ペンクラブは「言論・表現にかかわる私たちは、戦前の日本の為政者たちが青少年の健全育成をタテに、まず漫画をはじめとする子ども文化を規制し、たちまち一般の言論・表現の自由を踏みにじっていった歴史を思い起こさないわけにはいかない」と反対声明を発表した。民主党の賛成で12月15日には可決・成立の可能性が高まっているが、都民のほとんどが知らないうちに、こんな暴挙が許されるのか。
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