忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

派遣社員のジレンマ
「播州武侯祠遍照院」経由で、「ネットゲリラ」掲載のコメントの一部を転載。
イノベーションについての記事の一節だが、今の日本社会、日本経済の根本問題の一つを示唆しているかと思う。先に、そのコメントを掲載しておく。


(以下引用)


アメリカは幅広い層にチャンスや門戸を開き、さまざまな知識や技術を広く集めて社会に寄与させることに成功している。だから強い。
ところが日本社会は儒教をベースにした上下関係、形式主義、官僚主義ばかりが蔓延しているので
もはや社会どころか会社内からでさえ知識や意見が集まらない風通しの悪さになっているのだ。
すべての事業計画は「一部の恵まれた環境にいる労働者」が考えればいいことであって、派遣労働者などは従うだけでいいし、賃金以上に余計に意見や知識を提供してももったいないだけ。
みんなが「非協力的なサボタージュ社会」になってしまっているのでイノベーションが起こりようがないのだ。


(引用終わり)

コメント前半のアメリカの企業風土についての意見には半分不同意だが、イノベーションのみに話を限定すれば、そうかもしれないと思う。(「社会に寄与させている」のではなく、純粋に自社利益に寄与させているだけだが。w)日本の企業風土が儒教をベースにしているというのにも不同意(今どきの人間が儒教など知っているわけがない。学校の漢文で少し聞いただけで、それが血肉化するわけがない。)だが、正社員(中枢社員)と派遣社員(その他大勢)との分離現象についてはまったくその通りだろう。
ここで私が連想したのが「原ジャイアンツ」のことで、あのチームにおける監督の選手への扱いは、まるで派遣社員に対する正社員の態度だ、という感じである。つまり、監督のみ(あるいはコーチも含めて)が正社員で、選手は誰も彼も派遣社員、という印象なのである。特に、生え抜きでない選手、井端や村田に対する扱いは、まさに派遣社員の扱いだ。これでよくチームが空中分解しないものである。
では、なぜチームが空中分解しないのか、というと、当たり前の話で、選手というものは「働いて実績を挙げないと当人が減俸され、あるいは解雇される」からである。
これが派遣社員、あるいは広く言えば、「利益集団組織における『その他大勢』」のジレンマだ。上の人間のためには働きたくない、だが、働かないと自分の保身ができない、ということである。そこで、よほどその組織や上位の人間に対して不満がある場合には、何とかして「非協力的なサボタージュ」をすることになる。(まあ、「非協力」と「サボタージュ」は似たようなものだが、この表現はなかなかインパクトがある。)
これは旧ソ連でも起こったことだ。
さて、自分が真面目に働いても、その見返りはほとんど無く、上司や正社員の年俸だけが上がり、あるいは嫌な上司が出世することになり、真面目に働かないと自分に不利益が来る、という「派遣社員のジレンマ」を、この日本社会はこれからどうするつもりだろうか。旧ソ連のような瓦解がここから起こらないとも限らない。(笑)









拍手

PR

コメント

コメントを書く