女がムシロ旗を立てて一揆の先頭に立つようになれば、一揆も本物だ。安倍政治への不満と危惧は、マグマのように日本全体に埋伏していて、それが発火するのも近いのではないか。
男は理屈が多いが、理屈だけで終わることも多い。私などその典型だ。デモに参加するなど億劫である。結婚するまでは国政選挙の投票すらほとんどしなかった。
それが変わったのは結婚してからだ。女房が、投票に行こう、と言うから、億劫だったが、新婚早々だったから相手に合わせて投票所に行った。投票は適当にというか、いい加減に決めて投票したのだが、その投票をした相手の当落が気になり、当選後の行動も気になるようになった。つまり、立派に政治意識が芽生えたわけだ。
そして、普天間基地移転問題のきっかけになった米兵による少女暴行事件への宜野湾抗議集会には、当時そのあたりに住んでいたこともあって、女房に腕を掴まれるようにして「強制参加」させられた。(笑)私もあの歴史的「10万人抗議集会」の一員だったわけである。
政治に対する興味自体は、当時学生の大学入試小論文の指導をしていたこともあって、その前から深まっていたが、デモや集会への参加などは、おそらく女房に腕を引っ張られなければしなかっただろう。私はそういう「頭だけの人間」なのである。根っからの引きこもり体質だ。
だが、そういう人間も、女房によって強制的に社会参加させられ、政治参加させられ、立派に「市民」(これは、政治参加をしている国民ということ)となったわけである。
ゲーテの「ファウスト」に言う、「永遠に女性的なるもの、我らを牽きて行かしむ」ではないが、女性の「生命原理主義」「生活原理主義」「本能的行動」というのは、男の論理原理主義よりはるかに賢いのかもしれない。
世の女性たちも、亭主や恋人の尻を叩いて政治(投票行動など)に参加させてはいかがだろう。まあ、投票所に連れていくまでが大事であり、その後は自分で考えさせればいいのである。つまり、子供に習い事をさせるのと同じだ。(笑)子供は自分でソロバンやバレエや水泳を習おうとは考えもしない。それを連れて行って現場に放り込むのは母親がやることだ。そもそも男が理屈っぽいのもその幼児性の表れなのである。男の理屈に恐れ入ることはない。
(以下引用)
<怒る女性誌>政権批判、読者に押され 改憲…本当に必要?
毎日新聞 4月22日(水)20時3分配信
芸能ゴシップや美容・健康情報などで華やかな女性週刊誌に“異変”が起きている。安倍晋三政権をストレートに批判する硬派な記事が目立っているのだ。俎上(そじょう)に載せるのは、安全保障法制の見直しや憲法改正、原発再稼働、アベノミクス、そして女性活躍推進といった目玉施策。この怒り、どこから湧いてくるのか。【小林祥晃】
【安倍政権下で拡大】平均所得、地域間格差くっきり
まずは表をご覧いただきたい。この1年間に、3大女性週刊誌(「女性セブン」=小学館▽「女性自身」=光文社▽「週刊女性」=主婦と生活社)が掲載した安倍政権を批判する記事の見出しである。<安倍さんは世界で“女性蔑視”だと思われている!><安倍政権は女の涙ぐましい努力をわかっちゃいない>などと、普段女性誌を読まないオジサン記者にはびっくりの率直さ。もちろんこれらはほんの一部に過ぎない。他にも原発再稼働や憲法改正などへ疑問を投げかける記事が少なくない。
政治にモノ申す記事が増えてきたきっかけとして関係者が口をそろえるのが東日本大震災と福島第1原発事故だ。「週刊女性」の渡辺高嗣副編集長は「原発事故を経験して『最悪の場合、どうなるのか知りたい』というニーズが高まった。特に子供や家族を守る立場の女性にはその思いが強い」と話す。集団的自衛権やアベノミクスなどを取り上げる際にも「要するに、どうなるの?」という疑問に答えることを大事にしている。
「女性自身」の田辺浩司編集長は「震災以降、特に主婦層は子供たちに明るい未来、安全な社会を残してあげられるのかを考えるようになった。そこに訴える記事を出そうというのが編集方針。特に原発、福島は徹底して追いかけている」と明かす。
読者も好意的に受け止めているようだ。「週刊女性」の毎号約40本の記事のうち、面白かった記事を選ぶ読者アンケートで政治ネタはベスト10の常連だ。昨秋、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相が「政治とカネ」の問題で相次ぎ辞任した直後に特集した「政治とカネ問題Q&A」は5位に。「政治資金規正法の仕組みや、何がダメだったのかを徹底解説した。新聞やワイドショーで繰り返し伝えている話なので、読まれるかと心配しましたが、意外でした。それどころか『まだまだパンチが足りない』『もっと伝えて』という声ばかり。『やり過ぎだ』なんて声はありません」(渡辺さん)
「女性自身」は4月7日号の人気連載「シリーズ人間」で「これからも『国民を踏み潰す国』でいいのですか」と題した沖縄・辺野古のルポを掲載。米軍普天間飛行場の移設反対を訴え座り込みを続ける戦争体験者の思い、子育て世代の家族の率直な声を取り上げた。写真グラフも含め計7ページの大型記事だが「涙が止まらなかった」「美容院で記事を見て、もう一度読みたくて買い直した」といった熱い反響が寄せられた。
2人の男の子を持つ北陸地方の母親(42)は「日本が将来、戦争する国になるのではないか、徴兵制が復活するのではないかと本気で心配しています。でも、ママ友と政治的な話はしづらい。週刊誌に疑問に答えてくれる記事があると、美容院でも食い入るように読んでしまいます」と語る。
「原発事故を経験して政治は生活の安全と直結していることに気付いた。アベノミクスも成功していると言いながら、大多数の国民の生活は苦しい。それらは男性より女性の方が肌で感じている。蓄積した不満や不安が女性週刊誌に反映されるのは当然です」。そう分析するのは、女性の心理に詳しい原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子さん(68)だ。「ただ、女性週刊誌には昔から地道に取材した反骨的なルポや、大手芸能事務所にもおもねらないスクープがあった。私を含めて長年の読者はそんな姿勢にも信頼感を抱いているんです」
徹底した現場ルポ「からくり民主主義」や「男は邪魔!」などの著書があるノンフィクション作家の高橋秀実(ひでみね)さん(53)は「女性からすると、安倍政権の言葉は『存在が脅かされる』という警戒心を呼ぶのではないか」と指摘する。「例えば『女性の力を活用する』という言い方。女性はあくまで活用される立場で、活用する男性が優位なのは一目瞭然。また『女性の力を強く信じます』などとひとくくりに肯定する論理は、一人のミスでも『だから女性はダメなんだ』と全否定に転じる恐れもある。そのあたりのからくりを見抜いているのでしょう」
とはいえ、各誌とも決して「批判ありき」ではない。「週刊女性」は小渕氏や松島氏ら5人の女性閣僚が誕生した際、期待を込めて5人の人となりを紹介した。過去の発言や政治姿勢を批判的に取り上げる切り口も考えたが「仕事をする前から読者に評価を押しつけるのはどうか」と、当初は批判を封印した。
「私たちが大切にしているのは現場で聞いた生の言葉。それが結果的に、厳しい政権批判になっている」と言うのは「女性自身」の田辺さん。昨年5月27日号で、歴史教科書の採択で揺れる沖縄県竹富町を取材したルポ記事のタイトル「中国より、安倍さんがこわいです」は町民が語った言葉から取った。「人権を踏みにじるような表現でない限り、現実に上がっている声を無視したり、それを曲げて書いたりするのは、週刊誌としてはやってはいけないことだと思っています」
女性誌を巡っては昨年、月刊ファッション誌「VERY」(光文社)が「お母さんこそ、改憲の前に知憲!」と題し、憲法改正や特定秘密保護法を取り上げた記事を掲載。発売前に内閣広報室が「秘密保護法を取り上げるなら、我々にも取材を」と編集部に電話していた事実が明らかになり、「言論への過剰な口出しではないか」と問題になった。今月にもNHKのやらせ疑惑やテレビ朝日の「報道ステーション」でのコメンテーターの発言について、自民党が両局幹部を呼び事情を聴くなどメディアへの介入や圧力ともとれる動きは強まるばかりだ。
2人の子の母親でもあるタレントでエッセイストの小島慶子さん(42)は「女性誌はファッションやゴシップなど『見たい、知りたい』という読者の素直な欲求に応えるメディア。政権批判の記事は、異論を許さず、なし崩し的に変わろうとしている世の中への異議申し立てとも言える。批判を恐れて口をつぐむ人が増える中、生活実感を基に『他人がどう言おうと、私はおかしいと思う』と言える、血の通った言論をなくしてはいけない」とエールを送る。
女性週刊誌に噴出する怒りのマグマを無視すれば、やがて地殻変動につながるかもしれない。
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